2014年11月10日月曜日

炉開きの茶事

 
 
 
 
 
 
 
11月はお茶の世界では『炉開き』の季節である。
畳の一角に炉を切り、釜をすえて、冬のお点前に切り替わる。
 
風呂釜のお点前に慣れた所作から、炉のお点前に変わると
ちょっと戸惑うこともあるが、
やはり茶の湯は炉のお点前で点ててこそという部分もあるので
身が引き締まる。
 
本日のお道具は
棚が而妙斉好みの『つぼつぼ二重棚』。
水差しが『黄交跡』であった。
 
掛け物は『開門落ち葉多し』で
次茶碗にも華やかな金彩が施された蔦の模様の茶碗が使われていた。
 
そこに主菓子が鶴屋八幡の『枯れ野』という渋い色合いの生菓子だったので
全体に秋も深まり、冬がそこまで来ているという風情を表現している。
 
生徒の私たちは炉のお点前を覚えているかどうかが先だって
なかなか道具揃えの趣向にまで気が回らないものだけれど
先生はきっと数あるお道具の中からどんなしつらえにするか
さぞや悩まれたことと思う。
 
年長の私としては、そのあたりをお察ししていろいろ尋ねると
お茶碗を求められた時のエピソードや
二重棚の底板を使う時と使わない時のお点前の違いなど
興味深いお話が伺えた。
 
冬場のお茶事がこうして静かに始まり
今年も最後のふた月になってしまった。
 
しゅんしゅんと音を立てている釜のお湯を一勺すくってお薄が点つ。
黄身餡の滋味深い生菓子をいただき、
その後を追うように、お抹茶がのどを潤し、体が温まる。
 
暦の上での『立冬』に引き続いて
季節のスイッチが冬へと切り替わったのを感じた。
 


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