2015年1月24日土曜日

初釜はなでしこ修行

 
 
 
今日は2年ぶりにお稽古に行っているお茶のお教室の初釜が行われた。
 
場所は大塚にある粋陽亭という本懐石とお茶事ができるよう
作られている料亭のようなところである。
 
そこに参加する9名中、
「亭主」を務める先生と「半東」を務める2名の計3名は朝9時集合。
 
「お客」を務める6名は10時半集合で、
それぞれキモノを着付けて、大塚に向かった。
 
「お客」を務めるというと変な感じだと思われるだろうが
お客にも順番があって、
正客、次客、三客、四客が中正客で、五客、六客がお詰めと
それぞれ役割分担があるので、
演じるというか務めるという表現が似つかわしい役目を負っているのである。
 
ちなみに私は「正客」なので、
この初釜を催すにあたって、いろいろ準備をし、
心をくだいてしつらえてくださった亭主に対し、
あれこれお訊ねをしたり、由緒をお聞きしたりして、座を盛り上げる役どころだ。
 
また、席入りの作法や
懐石料理をいただく作法を連客の皆さんの手本となるよう進めたり、
お茶事の進行をスムーズにするための所作を行ったりする役目も担っている。
 
今回で正客は3度目なのだが、覚えることは山ほどあるので、
夕べもレポート用紙に書き出したりして、にわか仕込みに忙しかったが、
初釜全体がお茶のお稽古のひとつなので、
謙虚に場に臨み、楽しみつつも現場で勉強すればよいとのことである。
 
今朝は通常、同じ時間帯にお稽古している若手ふたりが初釜デビューだったので、
ひとりは8時に家に来てもらいキモノを着付け、
もうひとりとも9時に駅で待ちあわせ、3人で
はるばる横浜地区から山手線の反対側まで出掛けていった。
 
もしかしたら途中で苦しくなったり、気分が悪くなるかもしれないと、
いざという時のため、風呂敷包みに洋服一式も抱えていったが、
ふたりとも9時間近くにおよんだ着付けにも耐え、着崩れることもなく、
無事、夕方、最寄り駅まで生還した。
 
もしかしたら、初めてだらけのお作法と5時間におよぶ正座は
楽しいだけにはとどまらず、まるでお坊さんの修行のようでもあっただろう。
 
日本人として自力でキモノが着られ、
長丁場のお茶事の作法が自然にこなせたら、かっこいいに違いない。
 
なれど、言うは易し、行うは難し。
茶の道は深くて険しい。
 
帰り道、疲れもピークのはずのふたりだったが、
その顔は晴れやかで、
初体験の日本文化に触れた歓びと無事やり果せた達成感に輝いてみえた。
 
こういう世界を知らなくても日本人はやっていけるけど、
知っている日本人って、一枚上手。
そんな風に自画自賛しながら、ようよう家に帰り着き、
帯をほどけば、はらはらと疲れがこぼれ落ちるようだった。
 
かっこいいのは楽じゃない。
されど、挑戦する姿は美しい。
 

 


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