今日は午前中にカウンセリングを1本、
その後、カーブスでひと汗かいてから
午後は先日、作成したトレッシングペーパーの
原画を版木に転写する作業をした。
ブログには鉛筆で描く原画と
それをトレッシングペーパーに写す工程は
上げたことがあるが、
版木に転写するところを掲載したことがない。
今年の1月から
新しい「四季彩工房KIMI」のHPを立ち上げ、
それに必要な画像を探していて
初めて気づいた。
料理に関する画像もたくさん撮っていながら
調理中の写真はほとんど撮っていないのと同じだ。
あまり絵にならないというのと、
手間暇がとてもかかるので
写真を撮りながらするというより
作業に集中していて
そんな余裕がないというのが主な理由だ。
しかし、今日はトレッシングペーパーに描いた
原画を分割しながら版木に転写する様子を
何枚か撮ってみた。
やはり似たような画像なかりで
興味のない人には
なんら魅力のない写真ばかりだろう。
木版画の転写には両面のカーボン紙を使う。
以前は10枚入り両面カーボンを
文房具屋さんで買うことができた。
しかし、今や両面カーボンは事務作業のどこにも
登場しないせいか、
文房具屋さんでは買うことができない。
私も昨年、ヨドバシで100枚入りの箱を
取り寄せてもらって購入した。
カーボン紙が100枚もあっても
一生かかっても使いきれないと思うが、
それ以下の枚数のセットがないから
しかたない。
私の木版画作品は、1版多色ではなく
多版多色なので、
原画を分解してトレースし、
部分部分をパズルのように摺り重ねていく。
木版画の隣合わせの色は
別々の版に起こさないと
色がにじみ出てしまうからだ。
そのせいで色数を多く使うタイプの木版画は
その分、版数も多くなるというわけだ。
浮世絵などは桜の版木を使っていて、
1版には1色しかのせないので
10色使ってあるものは10版あることになる。
しかし、
現代版画は大きさが浮世絵より大きいので、
シナベニヤというシナ材を加工したものを使う。
1版に1色ではなく
離れていれば何色でも使えるので、
私の作品の場合、
都合、10~12版ぐらいで25~30色ぐらいになる。
では、10版だから10枚の版木かというと
版画家用シナベニヤは両面使うことが出来るし、
版木を効率よく使うために
少しずつずらして転写するので、
今回の作品でいうと
両面彫りで2枚の版木、つまり4面使用した。
転写する順番は
なるべく奥のものから始まり
一緒に摺ることができそうな部分を
かためて同じ版になるようにする。
つまり、花びらの1版目なら
花が点在していても同じ版になるように
転写する。
そうすれば、同じ絵の具をおくことが
出来るし、
絵の摺り上がりのリズムが同一になる。
顔のメイクと同じで
まずは顔全体にファンデーションを塗り
そこからアイメイクや眉、口元など
細部に至る。
顔の上半分だけ仕上げてしまうような
メイクはしないのが普通だ。
版画も背景にくる全体的な部分から摺って
徐々に手前のモチーフに移るので
摺る順番を考えて転写し、
あっちこっちに飛び火しないようにする。
また、トレぺ原画の転写の精度が低いと
摺った時に隣同士の色に
隙間ができたり、重なり過ぎたりする。
理想は摺った時に隣同士の色が
ボールペンの幅と同じ0,5mm重なること。
そこを目指しているので
版木転写は同じ日に一気に行い
体内のゲージが同じになるようにする。
2日にまたがって転写したりすると
その微妙な感覚が日々違うので
ズレにつながる時がある。
という訳で、版木転写は
案外、神経を使う繊細な工程だ。
3時間半かけて、全部、転写し終わる頃には
目を酷使しすぎて涙目になったが、
ふと、この何でもAIで出来てしまう時代に
このロウテクな手法はいかがなものか。
近未来、
こんなに時間と労力をかけて制作する木版画は
前世紀の遺物みたいになってしまうのか。
それとも一周回って
やはり本物には価値があるということになるのか
そんなことをつらつら考えた。
今や
「10年後にはなくなる職業ランキング」
なんていう
ランキングが横行しているが、
後継者がいなくて廃業するとかより
AIに任せれば出来ちゃうからなんていう
理由でなくなるのは寂しい限りだ。
木版画人口は減るばかり。
それは木版画に限らず美術界全体にいえる。
アートを創っても
それが売れなければ作家は生きていけない。
先日も画廊のオーナーから、
40~50代ぐらいの作家たちが
生活できないからという理由で辞めていく話
を聞いた。
昔はパトロンがいた時代もあったし、
バブルがはじける前は好景気で絵も売れた。
しかし、ここ数十年そんな話は
ついぞ聞いたことがない。
今もどこぞかのお国のジャイアンが
やり放題で世界を引っ掻き回している。
明日の石油は大丈夫か。
ラップ類でも買いだめしようか。
さてさて、
「版画なんか買っても風呂の焚きつけにも
なりゃしない」(古っ!!!)
と、言われないように
思わず欲しくなる作品目指し
目をしょぼつかせながらも制作しようと思う。
とりあえず、本日のミッションは終了。
明日以降は
セッセと彫りの作業が始まる。
お疲れっした~!!










