2018年7月29日日曜日

石田様にかぶりつき

 
 
 
台風12号が、進路によっては関東地方に上陸かと思われた昨夜、
かねてより予定していたコンサートに行ってきた。
 
トリオ・リベルタのコンサートで、
最近は関内のKAMOMEでのライブに行って、聴くことが多かった。
 
しかし、昨夜は青葉台のフィリアというコンサートホールだった。
 
KAMOMEの時と同様、
チケット入手に奔走してくれたのは友人Sさん。
 
私などよりずっと熱心なリベルタというか、
ヴァイオリニスト石田泰尚氏の追っかけで、
何と、今回は前から2番目の中央からやや左の席を抑えてくれていた。
 
中央から左ということは、
舞台中央にピアノの中岡太志さん、向かって右にサクソフォンの松原孝政さん、
左に石田泰尚さんなので、
その席の目の前にお目当ての石田様が立っているという計算だ。
 
帰りは大雨で帰れないかもと心配する中、
前から2番目の席じゃ、行かないわけにはいかないと、
私はレインコートに長靴を履き、
でも、中は胸の開きが深いワンピースといういでたちで会場に向かった。
 
座ってみると、石田様の膝頭が一番近くで2,7メートルというあたり。
顔とヴァイオリンは、少し見あげるので3メートル。
 
そんな至近距離で、愛しの石田様が演奏しているのだ。
 
コンサートの前半のプログラムは、
サマータイムに始まり、火祭りの踊りや牧神の午後など。
 
今回の中岡さんのMCは、曲の解説というか、詩の朗読のような感じだったので、
メンバー紹介や近況報告みたいなおしゃべりは一切なく、
会場の床に灯されたろうそくの灯のように、
コンサート自体が、映画のシーンのごとく
静かに炎が揺らめいているような感じだ。
 
石田様は黒いスーツに身を包み、黒いシャツ、白っぽいネクタイ、
白い薔薇が胸のポケットに入っている。
 
まるでその筋の人かとも思えるし、
スタイリッシュとも言えるいつものスタイルだ。
 
五分刈りにした頭髪にそり込みが入っているので、
ますます怪しい職業の人のように見えるのに、
ヴァイオリンの音色は繊細かつエモーショナルなので、
そのギャップにみんなやられてしまう、いわゆるギャップ萌えという奴だ。
 
プログラム前半に私より1席右にいた友人が、
休憩時間になって
急に「駄目、近すぎて息ができない」と言ってきた。
席を替わって欲しいというので、「え~、ホントに」と言いながら、
席を交換していみると、確かに近い。
 
本当に真ん前で石田様がその細い身を反らせたり、くねらせたりしながら、
しなやかにヴァイオリンを弾いている。
もちろん表情も丸見えだし、
向こうの視界に自分が入っているのは間違いない。
 
譜面代と石田様との空間に、ピアノの中岡さんの姿がすっぽり入る、
ベストポジションだ。
 
そして、少し右に離れたところに4台のサクソフォンを並べ、
曲によって使う楽器を使い分けている松原さんがいる。
 
プログラムの後半は、アストル・ピアソラの曲ばかり。
2曲目に弾いた「バンドネオン」という曲の冒頭では
松原さんがバリトン・サックスという見たこともない大きなサックスで
重厚な音色を聴かせてくれた。
 
リベルタの演奏会を追いかけて何度も聴いていると、
ピアソラ大好き3人トリオの努力の跡が垣間見える。
 
そもそもピアソラの曲はタンゴなので、バンドネオンが必須なのに、
それを使わず、サキソフォン奏者の松原さんがメンバーというだけで、
どの曲にも編曲と構成が必要になってくる。
 
その労をも楽しんで、唯一無二のトリオを目指しているのだということが
ひしひし伝わってきた。、
しかも、今回はバリトン・サックスまで飛び出し、
かれらのピアソラ愛がハンパないことが証明されたと思う。
 
そんなパッショネイトな音色を直に肌で感じるような距離で味わい、
そのまま落ちてきたら、この胸に抱きとめたいと思うような位置で、
石田様を眺め、
幸せなひとときを過ごした。
 
会場を出てみると、
台風はどこへやら。
 
傘すらささなくてもいいような穏やかな夜、
人影さえまばらな静かな街を歩けば、
アンコール曲のリベルタンゴがいつまでも耳の奥に響いていた。
 
 

2018年7月27日金曜日

猛暑の京都旅 3日目

 
 

 

 
 
 
 
京都旅の最終日、朝から体がだる重い。
前日までの歩き過ぎがたたって、足の小指側が痛くて、痺れている。
 
二人とも、1泊目は泥のように眠れた。
しかし、2泊目は同じベッドなのに、二人とも眠りが浅く、
夜中に何度も寝返りを打って、長い時間、半覚醒状態だったため、
スパッと起きることが出来ない。
 
2日目と同様、メークだけして、
8時半にチェックアウトし、荷物を京都駅で受け取るよう手配した。
 
ホテルから10分ほどのところにある地元のカフェに出向き、
サンルームになっている一画に席を取り、
モーニングセットを注文した。
 
グランドプリンスを定宿にしている知り合いから紹介されたカフェだ。
落ちついた内装、低く流れるクラシックのBGM,
庭の大きな木がサンルームに影を落とし、
枝に吊したえさ箱に、小鳥がえさをついばみにやってきている。
 
シナモンの効いたトーストとコーヒーをいただきながら、
最終日の行程を相談した。
 
二人とも、「のんびり行こう」と意見が一致をし、
9時半から11時20分までの山鉾巡行の内、
「後半だけ観れば十分だよ」ということになった。
 
きっと烏丸御池から四条にいたる沿道は山鉾巡行を観に来た観光客と
カメラ小僧と地元の人でごった返しているに違いない。
 
私達はまずはゆっくりモーニングセットを味わい、
10時にようやく重い腰を上げ、地下鉄に乗った。
 
そんな気のない動きだったが、これが意外や効を奏し、
地下鉄から烏丸御池駅の地上にでると、
目の前で、最後尾の山鉾がちょうど練り歩き始めたところにぶつかった。
 
後祭は前祭と違って山鉾の数は7基しか出ないのだが、
最後尾の山鉾こそ、後祭の主役・大船山だ。
 
大船山は船の形をして、脇は豪華絢爛なタペストリーで飾られており、
船の舳先には大きな白木の龍が鎮座している。
 
前の晩に観た7基の中で、ひときわ立派だった山鉾で、
いきなりその大船山が目の前に現れたので、
私達は興奮した。
 
しかも、京都市役所前の曲がり角を山鉾が曲がるあたりが、
観覧席もあり、立ち見の人もそこに集中するので人だかりのピークだが、
最後尾を追いかける形なので、人もまばら、
難なく正面方向に回って写真を撮ることも出来た。
 
そうやって、4基ぐらい観て、曲がり角に追いつき、
なかなか進まない山鉾と、カメラを手に押し合いへし合いしている人垣の後ろで、
なんとか2基が曲がっている様を動画に収めたが、
そこで、ギブアップ。
 
もう、十分、お祭り騒ぎは堪能出来たので、
とにかく、私達は街から離れることにした。
 
人混みと中国人観光客から逃れるため、JR奈良線に乗り、
宇治の平等院に行くことにしたのだ。
 
宇治の平等院はいわずと知れた十円玉のデザインに使われた場所。
鳳凰が羽根を広げて休んでいる形という、
左右対称の建物が池の向こう側に見えるという美しい光景が光にまばゆい。
 
ガイドブックでは真っ赤に見えていた建物の柱だったが、
現物は思いの外渋い赤で落ちついており、
水面に映る姿と相まって、他のどのお寺や神社とも違う神々しさを感じた。
 
鳳翔舘という宝物殿には、屋根の上の国宝・鳳凰一対や、
国宝の梵鐘、同じく国宝の雲中供養菩薩像26体が間近に観られ、
1000年前の平安の世に想いを馳せることが出来た。
 
京都は東京に比べればコンパクトなので、
30分も郊外に出れば、急に静かでのどかな感じになる。
人も優しく、語りかける口調も穏やかだ。
 
旅の最後のお昼ご飯は宇治の名物・茶そば。
コシある細麺で、疲れた体に冷たい喉ごしでつるりと入って、心地よい。
 
今回のお寺関連では、三十三間堂と平等院がよかったと
ふたりの意見が一致した。
 
まだ、時間は残っていたけど、
この余韻を楽しみながら、静かに帰りの新幹線の時間を待つことにした。
 
娘は京都に住んでいる大学時代の友人に会いに行くというので、
夕方、私達は分かれて、
私は最後の京都らしいものにとかき氷を選び、
ひとり「宇治しぐれ」という抹茶味、あんこ・アイスクリーム・白玉のせという
てんこ盛りのかき氷を堪能した。
 
こうして、2泊3日なのに、4日分ぐらいに感じられる濃い京都旅行が終了。
 
「しばらく夏の京都はいいいかな」と娘には言われてしまったが、
なかなか印象深い、いい旅だった。
 
それにしても、暑い!
東京も横浜も、暑い!
京都は、もっと暑い!
 
でもでも、どれも美味しかったし、楽しかった~!
そうだ、京都、また行かなくちゃ。
 

2018年7月26日木曜日

猛暑の京都旅 2日目

 
 
 
 
 

 
 
 
 
京都旅、2日目も気温は38度超え。
 
「もはやこれは災害」とニュースで発表されたとか・・・。
東京や横浜でも37度を記録したということなので、
とにかく旅程は無理をせず、寺社巡りやショッピングなどの外歩きは厳選し、
屋内にいられる時間をなるべく多く確保することにした。
 
まずは起き抜けにメークだけして、地下鉄に乗り、烏丸御池の駅でおりて、
イノダコーヒーの本店でモーニング(朝食)。
 
40年ほど前、大学の古美術研修旅行の折に、
教授に連れられ来た時と寸分も変わらない様子の店内にビックリ。
まるでタイムスリップしたようだ。
 
今回は奥の部屋の窓際に席を確保できたので、
娘は「京都の朝」というモーニングのセット、
私は「京野菜のモーニングセット」を注文し、
SNS映えしそうな写真を撮ったりして、ゆっくりした朝のひとときを過ごした。
 
相変わらずオリジナルコーヒー「アラビアの真珠」はコクと香りが素晴らしく、
ロゴ入りのコーヒーカップも懐かしかった。
 
その後は11時に予約した甘春堂東店での「和菓子作り体験」。
 
同じ回に予約していたのは20名ほどだが、3分の2ぐらいが中国人客なのには
いささかビックリ。
京都の至るところに中国人はいて、
特に街に溢れかえっている浴衣姿の人は、
ほとんどが中国の人ではないかと思われる。
 
和菓子作り体験では3種類の生菓子と1種類の型抜きの干菓子を作成。
生菓子は「ほうずき」「朝顔」「つゆくさ」といずれも夏らしいお題。
 
最後の「つゆくさ」はきんとんといって、繊細な細いお箸で
餡の回りに生地を飾り付けるため、崩れやすく、持ち歩くことが出来ないので、
お抹茶と共に出来たてをその場でいただくというシステムだ。
 
あとの3種類は箱に入れて、おみやげ用にお持ち帰りが出来る。
これでレクチャー代も含めて2,160円はなかなかリーズナブルだ。
 
2日目の行程、ここまでは屋内ばかりだったが、ここからはいよいよ屋外へ。
日差しも気温も絶好調の夏の京都に、意を決して繰り出すことにした。
 
まずは世界遺産『三十三間堂』
 
中は写真撮影禁止なので、
その1000体の千手観音像が居並ぶ壮観な様子はお見せできないが、
一体一体表情も顔つきも違っていて、
静かに眺めていると誰かに似ているような気もしてくる。
 
そして、千手観音像の中央には湛慶作の国宝・本尊千手観音像、
前列には同じく国宝の風神・雷神像、国宝の28部衆像がずらり。
 
こんなに国宝が間近にぞろぞろ観られるところも、なかなか無い。
 
しかも、写真撮影禁止だからか、お客さんはまばらで静かに見学出来る。
 
午後はミーハーにも近くの清水寺(2020年まで修復中)と二年坂三寧坂。
電車に乗って足を延ばして伏見稲荷にいってきた。
 
SNS映えする赤い鳥居が美しい伏見稲荷、
外人客の選ぶ人気NO1スポットだそうで、
ここは中国人に限らず、とにかく外人が多かった。
 
私達もふたり共青いワンピース姿だったので、赤い鳥居とのコントラストもバッチリ、
写真を撮りまくり、これはこれで楽しかった。
 
夕飯は町屋を改装して作られた創作フレンチのお店で、
京都に来たときには必ず寄るレストラン「O・MO・YA」本店へ。
早めの時間に入店して2時間たっぷり舌鼓を打ち、満足満足。
 
1日目の川床料理も美味しかったけど、コスパは大事なので、
その点では優秀なオススメのお店である。
 
そして、2日目最後は宵山・後祭ウォーキング。
街の所定の場所に停車している7基の山鉾。
提灯の灯が灯り、所属する山鉾の町内会の人々が浴衣姿で行き交い、
子ども達が数え歌のような歌を甲高い声で歌っている。
 
古くからのその家の宝物である屏風や絨毯などを公開している家もある。
そぞろ歩きの客達は窓越しにそれらを覗いたり、
和小物のお店に立ち寄ったりしながら、
7基の山鉾を観に、街を練り歩く。
 
ここへ来て、ようやくこの旅の目的、祇園祭を間近で感じることが出来た。
 
しかし、ふと気づくと足はまさに棒のよう。
 
楽しい旅行も暑さと歩きすぎで、難行苦行の体をなしてきた。
3日目はどうなるのやら。
起きた時の気分次第で決めようと、
ふたりはホテルのベッドになだれ込んだのであった。

2018年7月25日水曜日

猛暑の京都旅 1日目

 
 
 
 
 
 
 
京都の夏は暑いことで有名だが、
今年は連日38度を上回る記録をたたき出している。
 
そんな中、次女とふたり、祇園祭めがけて2泊3日で京都に出掛けてきた。
 
ホテルと新幹線だけを予約する個人旅行である。
新幹線の値段を安くするためには、朝、異様に早い新幹線で発ち、
帰りは夜遅~い新幹線で帰ってくるというチョイスしかない。
 
なので、行きは6時11分新横浜発ののぞみに乗るべく、
朝は4時半起き。
娘は前乗りで、前日の夕方から実家泊まりでスタンバイ。
 
さあさあお得意の強行軍の始まりだ。
 
朝6時11分に新幹線に乗ると、なんと8時2分には京都駅に着く。
そして、地下鉄烏丸線の終点・国際会館駅という郊外への入口、
京都の地図としてはだいぶ北にあるホテルが定宿のグランドプリンスだ。
 
先ずは一気呵成にホテルまで行き、初日の行程は更に北に上って、
貴船と鞍馬を目指す。
 
昼ご飯は 
夏場の川床料理を一度食べてみたいという娘の要望もあって、
事前にネット検索で評判のよい貴船茶屋を予約した。
 
初日のメインイベントは川の上のお座敷で懐石料理をいただくことだが、
その前に貴船神社にお参り。
 
縁結びで有名な神社で、水占いという珍しいおみくじに娘が挑戦。
見事「大吉」を引き当て、
旅のテンションは急上昇。
 
水につけると文字が浮かび上がるというしかけで、
ちょっと神秘的、かつ、ご利益がありそうな感じだ。
 
貴船神社の奥の宮と中宮でも、
ふたりして、ひたすら「良いご縁に恵まれますように」とお願いし、
今回の京都旅行の目的をひとつ果たして、
後は心ゆくまで川床料理を楽しんだ。
 
お料理は品数も豊富で美味しかったし、
仲居さん達も感じのいい人達ばかりだったが、
お酒も飲んでいないのに2人前27,000円近くもするのは、
ひとえに何度も何度もお店の厨房から川床までひと皿ずつお料理を運ぶ
仲居さんの大変さに起因するのでは思われた。
 
まあ、この先、滅多なことで川床料理をいただくこともないだろうから、
いい経験をしたということであろう。
 
食後は近くの鞍馬まで足を延ばし、
天狗のお面がそこかしこにある鞍馬天狗由来の山奥のお寺を参拝。
 
しかし、川床で涼をとって優雅に過ごしたあの時間はいずこ。
 
38度がいきなり現実のものとなって襲いかかり、
山道の石段につぐ石段を登る私達に、強い日差しは容赦なく降り注ぎ、
汗は滝のように首筋をつたい、
水を飲んでも飲んでものどは渇いて、
帰りのバスではふたりとも言葉も少なくなってしまった。
 
それでも、夕方、ホテルのある駅まで戻って、尚、
今年が式年遷宮にあたって
お社を新しく建て替えたばかりの上賀茂神社にも参拝。
 
広々とした境内を散策し、
女性ばかりの和太鼓集団の演奏を聴き、
帰りがけに名物のおはぎを買い求めた。
 
時は夕方5時過ぎ、すでに朝4時半から活動しているのでエネルギーが枯渇。
ふたりとも、外食に出掛ける元気は残っていなかったので、
ビールと枝豆、お総菜や唐揚げなどをコンビニで調達して、
おはぎと共に、お部屋食とした。
 
娘と母のふたり旅初日は、こうして無事に終了。
 
長い一日、盛りたくさんな行程を終え、
ホテルの広いお部屋で、のんびり足を延ばしていただくコンビニ飯とビール。
 
風情ある川床料理とのギャップこそが
お気楽母娘旅のいいところ。
 
これも娘が未婚だからできる母の楽しみかもしれないと思うと、
娘が「良いご縁に恵まれる」までの貴重な時間ということになる。
 

2018年7月16日月曜日

我が家のビール飯

 
3連休は東京・横浜共に猛暑日。
 
こういう時は極力、外には行かないようにとニュースでも呼びかけている。
 
熱中症の危険度がMAXになっている今、
私は室内にいて、冷房をかけ、
水分と塩分を補給しながら、
静かに過ごすのが正しい猛暑日の過ごし方だと思っている。
 
というわけで、
昨日と今日は花の水遣りと新聞を取りに表に出た以外、
1歩も外にはでないで、木版の彫りの作業にいそしんでいる。
 
例年、夏は外にでる仕事量も減るので、
木版画の彫りを進めることにしている。
 
家人は両日ともご苦労なことにヨット乗りに出掛けたので、
私はひとり朝ご飯を食べ、
アトリエに籠もって作業を進め、
ひとり昼ご飯を食べ、
また、アトリエに籠もって彫り進めることが出来る。
 
好きな音楽をかけ、
時折、水分補給の水やお茶を飲み、
糖分補給のためにチョコレートをかじったり、
水饅頭を食べ、
一心不乱に版に向かう。
 
2日間で予定の版の彫りを終了し、
首筋はカッチカチだし、
肩のトリガーポイントはゴリゴリだし、
後頭部は眼精疲労で鈍痛がするけど、
達成感はハンパなく、気分は晴れ晴れしている。
 
でもって、当然、仕事の後にはビールが飲みたくなるというもので、
毎日、ビールに合う夕ご飯を作って、家飲みする
それが夏の至福の時である。
 
一昨日は豚キムチとゴーヤチャンプル、
蒸しナスのショウガ醤油に枝豆だった。

昨日は豚ロースの夏野菜あんかけ、きゅうりと枝豆のピリ辛炒め、
冷や奴のじゃことミョウガのせに、小松菜ときくらげの中華炒めだった。
 
いずれもビールを美味しく飲むためのラインナップなので、
白飯はなし。
(次の日の昼ご飯の時、残った炒め物で白飯は食べるのだが・・・)
 
さて、本日は何を作ろうか。
 
冷蔵庫の中には鶏もも肉が出番を待っている。
唐揚げにするか、
昼の料理番組でやっていた鶏もも焼のケチャップソースも美味しそうだった。
 
肉ばかりではいけないので、
トマトとわかめ、豆腐が入った和風サラダでバランスをとろう。
 
なんて、思い巡らしていると、
だんだん頭がビールの泡でいっぱいになっていく。
 
プシュッ、トクトクトクトク、
クーッ、オイシイ~!
 
あの一瞬のために、もう少ししたら台所に立とう。
 
猛暑日の1日、
私は夕飯のビールのために生きている。

2018年7月15日日曜日

全ては1杯のビールのために

 
 
 
 
 
 
 
 
 
暑い!
毎日、暑すぎる!
 
日本はどうなってるんだ!
 
と、連日の猛暑にでる言葉が荒くなっている。
 
東京や横浜は昨日初めて35℃を超えたので、
関西地区や被災地の方々に比べれば、大したことはないのかもしれない。
が、しかし、耐え難い暑さなのには変わりない。
 
こうなると、何より欲しいものは
ビールとそれに合うお料理ということになる。
 
7月始めにブログをアップして以来、ご無沙汰していた間にも、
連日、「ビール!ビール!」と叫びながら、
お茶のお稽古のお社中や、昔なじみの友人、陶芸教室の制作終わりにと、
通常、ビールは飲まないお仲間やシチュエーションなのに、
ビール同好会と化してしまった。
 
先週末、パティシエ学校、1学期最後の授業の日も、
非常勤講師6名で、元生徒さんの実家である中華街のレストランに繰り出した。
 
この時はものの勢いで繰り出したわけではなく、
あらかじめ誘い合わせていたのだが、
その日で授業が最後だということもあり、
当然、、暑気払いのビール、お疲れ様のビールということになる。
 
上海家庭料理と謳っているので、料理自体はとてもシンプル。
 
豆苗をジャッとニンニク風味で炒めたものや、
きゅうりと枝豆を塩を効かせてジャジャッと炒めたもの、
お蕎麦みたいな高野豆腐の炒めもの、
海老と夏野菜の塩味炒め、
上海焼きそば、蒸し鶏、
小籠包に春巻きと、
とにかく塩を効かせて、油でジャッジャッとしたものは、
ビールとこの上なく合うのだ。
 
私がこのメンバーのお仲間に入れていただいたのは初めてだ。
だから、初対面の人もいるし、
他の顔見知りのメンバーとも一緒にお外ご飯をしたことはない。
 
非常勤講師とひとくちに言っても、
教えている教科は、「栄養学」「商品開発」「デッサンとデザイン」
「ラッピング」「食品衛生学」そして、私の「就職対策講座」とバラバラだ。
 
しかし、同じ専門学校の講師なので、
組織の人間関係、学校の体質など、共通の話題は多い。
 
そして、何より、
「とにかく暑い」「お腹が空いた」「ビールが飲みたい」
この3拍子が揃っただけで、会は大盛り上がり。
 
凄い勢いで料理を平らげ、おしゃべりし、ジョッキを傾け、
大いに暑気を払ったのであった。
 
あ~、幸せな時間だった!
 

2018年7月1日日曜日

清朝のガラス展と新しい友人

 
 
 

 
 
パティシエ養成学校の非常勤講師のI先生に誘われて、
武蔵小杉の三笠会館でランチした後、
六本木のサントリー美術館に『ガレも愛した清朝皇帝のガラス」展を観に行った。
 
最近、こうした友人と誘い合わせてランチをするとか、
展覧会を観るとかいうことがほとんどないので、
新鮮な感じだ。
 
以前はおしゃべりとおいしいものをいただくのを目的に、
友人と会うことが、月に1~2度はあったものだが、
最近はルーティンでお目にかかる仕事仲間や趣味の仲間とも、
「ランチをしましょう」というノリで別の日を設けて出掛けることが少ない。
 
なぜなのか深掘りするのは次回に回して、
まずは、「招待券があるんだけど、先生、ご興味ないかしら」という
I先生のお誘いにひょいひょい乗ることにした。
 
I先生はパティシエ養成学校では「ラッピング」を教えている。
 
私が教えているのは「就職対策講座」なので、
他の「栄養学」「食品衛生学」「商品開発」などのように、
国家試験にダイレクトに関係のある科目を教えている先生とは、
ちょっとそこに距離があるのは確かだ。
 
非常勤講師は毎週金曜日に学校が用意してくれる貧相なお弁当を食べつつ、
四方山話をし、時に学校運営にいちゃもんをつけたりしながら、
次第に何名もいる先生方の中で話が合いそうな方が決まってくる。
 
そうした流れの中でのお誘いで、
I先生は6月の紫陽花展にも来てくださったので、
今回のお誘いは二つ返事で受けることにした。
 
食にうるさいI先生ご推奨の三笠会館の海老入りドライカレーに
空豆のスープとコーヒーのBセットをくっつけることにした。
 
I先生は口に合わないものは絶対食べないらしく、
学校のお弁当も、上品にかつ断固として残したり、人にあげたりなさるので、
大いに期待してご推奨のドライカレーをいただいたが、
まあ、普通に美味しいけどねという程度だった。
 
お互い、学校ではプライベートはあまり明かしてこなかったが、
こういう機会にはいろいろ話すことになる。
 
おしゃべりは尽きることなく、
電車を乗り継ぎ、武蔵小杉から六本木に場所を移し、
サントリー美術館に向かった。
 
六本木は大人の街だし、まして、サントリー美術館のガラス展など、
特定の人しか興味がないので、
最終日でも会場は比較的空いていて観やすかった。
 
個人的には清朝の不透明なガラスの器というのを初めて観たのだが、
プラスティックのような感じに見えてしまってあまり好きになれなかった。
 
やはりガラスの良さはその透明感にあると思うので、
不透明な白い花瓶に真っ赤な樹木や人物がレリーフ状に浮き上がっているより、
透け感のあるガラスに花や鳥が彫刻されているガレの作品の方に
魅力を感じた。
 
ただ、最後のコーナーに展示されていたミニチュアの香水瓶みたいな煙草入れ。
『鼻煙壺』
中には粉状の煙草を入れ、香りをつけ、持ち歩き、
高貴な人達の間では、お互いの煙草の香りを交換して楽しんだとか。
 
日本でいえば、『根付け』のような感じにも似て、
様々な彫刻が施され、いくつもコレクションし、宝物にしていたのかもしれない。
 
実際に中にどんなものが入っていて、
どう使ったのかが分からないのが残念だが、
中国独自の文化を色濃く感じたガラスの器だった。
 
展示を見終わった後はミュージアムショップを覗き、
私は先の細いオシャレな竹製のお箸を2膳買い求めた。
何ら、ガラス展とは関係ないけどね・・・。
 
そして、お向かいの加賀麩を使った甘味処で『麩あんみつ』を注文し、
おしゃべりの続きを楽しみ、
ゆっくりしたひとときを過ごした。
 
こうして何年も前から顔見知りだったI先生と、急に少し距離がつまり、
次のご飯会の約束をして散会した。
 
なんだか新しい友人ができた気分だ。
きっとI先生もそう思ったに違いない。