パティシエ養成学校の非常勤講師のI先生に誘われて、
武蔵小杉の三笠会館でランチした後、
六本木のサントリー美術館に『ガレも愛した清朝皇帝のガラス」展を観に行った。
最近、こうした友人と誘い合わせてランチをするとか、
展覧会を観るとかいうことがほとんどないので、
新鮮な感じだ。
以前はおしゃべりとおいしいものをいただくのを目的に、
友人と会うことが、月に1~2度はあったものだが、
最近はルーティンでお目にかかる仕事仲間や趣味の仲間とも、
「ランチをしましょう」というノリで別の日を設けて出掛けることが少ない。
なぜなのか深掘りするのは次回に回して、
まずは、「招待券があるんだけど、先生、ご興味ないかしら」という
I先生のお誘いにひょいひょい乗ることにした。
I先生はパティシエ養成学校では「ラッピング」を教えている。
私が教えているのは「就職対策講座」なので、
他の「栄養学」「食品衛生学」「商品開発」などのように、
国家試験にダイレクトに関係のある科目を教えている先生とは、
ちょっとそこに距離があるのは確かだ。
非常勤講師は毎週金曜日に学校が用意してくれる貧相なお弁当を食べつつ、
四方山話をし、時に学校運営にいちゃもんをつけたりしながら、
次第に何名もいる先生方の中で話が合いそうな方が決まってくる。
そうした流れの中でのお誘いで、
I先生は6月の紫陽花展にも来てくださったので、
今回のお誘いは二つ返事で受けることにした。
食にうるさいI先生ご推奨の三笠会館の海老入りドライカレーに
空豆のスープとコーヒーのBセットをくっつけることにした。
I先生は口に合わないものは絶対食べないらしく、
学校のお弁当も、上品にかつ断固として残したり、人にあげたりなさるので、
大いに期待してご推奨のドライカレーをいただいたが、
まあ、普通に美味しいけどねという程度だった。
お互い、学校ではプライベートはあまり明かしてこなかったが、
こういう機会にはいろいろ話すことになる。
おしゃべりは尽きることなく、
電車を乗り継ぎ、武蔵小杉から六本木に場所を移し、
サントリー美術館に向かった。
六本木は大人の街だし、まして、サントリー美術館のガラス展など、
特定の人しか興味がないので、
最終日でも会場は比較的空いていて観やすかった。
個人的には清朝の不透明なガラスの器というのを初めて観たのだが、
プラスティックのような感じに見えてしまってあまり好きになれなかった。
やはりガラスの良さはその透明感にあると思うので、
不透明な白い花瓶に真っ赤な樹木や人物がレリーフ状に浮き上がっているより、
透け感のあるガラスに花や鳥が彫刻されているガレの作品の方に
魅力を感じた。
ただ、最後のコーナーに展示されていたミニチュアの香水瓶みたいな煙草入れ。
『鼻煙壺』
中には粉状の煙草を入れ、香りをつけ、持ち歩き、
高貴な人達の間では、お互いの煙草の香りを交換して楽しんだとか。
日本でいえば、『根付け』のような感じにも似て、
様々な彫刻が施され、いくつもコレクションし、宝物にしていたのかもしれない。
実際に中にどんなものが入っていて、
どう使ったのかが分からないのが残念だが、
中国独自の文化を色濃く感じたガラスの器だった。
展示を見終わった後はミュージアムショップを覗き、
私は先の細いオシャレな竹製のお箸を2膳買い求めた。
何ら、ガラス展とは関係ないけどね・・・。
そして、お向かいの加賀麩を使った甘味処で『麩あんみつ』を注文し、
おしゃべりの続きを楽しみ、
ゆっくりしたひとときを過ごした。
こうして何年も前から顔見知りだったI先生と、急に少し距離がつまり、
次のご飯会の約束をして散会した。
なんだか新しい友人ができた気分だ。
きっとI先生もそう思ったに違いない。
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