石田泰尚主宰の『熱狂の夜』第3章は
6夜連続の5回目を迎えた。
毎回、ソロから始まり徐々に人数が増え
最後はオーケストラになるのだが、
その一歩手前が『石田組』の弦楽合奏である。
個人的には『石田組』の時が
一番面白いと思っているので
昨晩はとても楽しみに
足取りも軽く会場に向かった。
もちろんその前には腹ごしらえの早めの
晩ご飯があり、
今回は新米の美味しい季節なので
ひとりひとり釜で炊いたご飯が出てくる
とんかつ『和幸』ののれんをくぐった。
選んだメニューはカキフライの入るセットで
「季節限定」の文字に惹かれて
友人と共に同じセットを注文した。
女子は「季節限定」とか「セール」とか
「期間限定」の呼び声にはめっぽう弱く
ふらふらと必要のないものまで買いがちである。
友人とふたり
「家では揚げ物はもうしないわ」とか
「カキフライなんで尚更、揚げたてじゃないと
美味しくないし」と言い訳をいいつつ、
カキも海老もフィレもと欲張った。
もちろんそれらのフライも美味しかったけど
何より小さなお釜のふたを開けた時の
炊き立てのご飯のつやつやさ加減といったら!
日本人に生まれてよかった~と思いながら
お茶碗2杯半の完食である。
そこから歩いて5分。
ミューザ川崎シンフォニーホールへ向かった。
ご飯の食べ過ぎで、
コンサートは眠くなるかと心配したが、
さすが石田組
クラシックとアレンジの効いたポピュラーを
上手く取り入れた構成で
2時間と少し弦楽十三重奏を堪能した。
「石田組」の構成員は
石田様を筆頭に第一ヴァイオリン3名
第二ヴァイオリン3名、ビオラ3名
チェロ3名、コントラバス1名で構成されている。
人数がもう少し多い時もある。
メンバーは石田様以外、
コントラバスの米長幸一さんはほぼ固定だが
他のメンバーは流動的に変わるのが特徴だ。
コンサートがミューザの時は
ミューザ川崎を本拠地にしている
東京フィルハーモニーオーケストラのメンバーが
何人か入ることが多くなる。
今回は元東京フィルのメンバーである
チェロの西谷牧人さんが入っていたので嬉しい。
また、松岡あさひさんが編曲担当なのだが
この人の編曲がいかにも石田組、
つまり、各弦楽器のセッションのような構成で
石田様のヴァイオリンのソロを際立たせつつ
他のメンバーを楽器で挑発し競わせることに
成功している。
私としては
あさひさんが石田組の影の副組長なのではと
感じているほどうまいアレンジャーなのだ。
今回の選曲は
一部はクラシック、2部はポピュラーなのは
いつも通りだけど
2部の最初に吉松隆氏作曲
アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番OP.70b
という現代音楽を持ってきた。
これが初披露とは思えないほど
いかにも石田組という弦楽奏でとても楽しめた。
つまり3人ずつ束になって
第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン
ビオラ、チェロ、コントラバスが
それぞれの音色の違いを競うような曲だった。
また、石田組にはもうひとつ特徴があって
アンコールになると
途中で石田様はじめメンバー全員が
「石田組」の大きな文字がプリントされた
Tシャツに着替え、素足で登場する。
そこでは大体イケイケやらオラオラの
挑発的な曲が演奏されることが多い。
昨晩は
マクブルームの「ローズ」
ガンズ&ローゼズの
「スイート・チャイルド・オブ・マイン」
ディープ・パープルの
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の3曲
このうち、1曲目が終わって舞台袖にはけた後
全員が半袖のTシャツで素足になって再登場。
クラシックコンサートで
男性の演奏者が
半袖・素足で演奏することは絶対ない。
女性の演奏者が
ノースリーブのドレスやブラウスを着ることは
あっても男性は長そでのシャツか
ジャケットを着ている。
まして素足で舞台に立つことは
どんなことがあってもあり得ない。
なのに毎回、石田組では
アンコールになるとTシャツ姿になる。
そこから出ている二の腕と素足の足元の
なんと白くて細いことか。
特に第2ヴァイオリンの3人の若者は
ギョッとするほど白い肌だ。
いつもはオーケストラの団員として
立派に演奏している彼ら。
全員、一流の音大を卒業し、
難関のオーケストラの試験を受け、
驚くような高額な楽器を手に
演奏家としての生活を送っていることだろう。
しかし、
その透けるほどの白い肌を見ていると
おばさんはなんだか急に切なくなる。
そこに純粋培養された演奏家のピュアさと
脆弱性を垣間見た思いがした。
昨今のAIの発達、情報漏洩、ハッカーなど
追いつけないスピードで進む
善かれ悪しかれの現代にあって
いかにも
彼らは浮世離れした場所にいる気がする。
我が身も守れないのに
何だか痛々しくて守ってあげたくなる
肌の白さだった。
芸術よ、生き残れ!!
音楽家よ、もっと逞しくあれ!!
ご飯、ちゃんと食べて!!















































