2026年11月3日火曜日

初めてのミステリーツアー

 
















今まで何度となく旅行会社のツアーに
参加してきたが
この度、初めて『ミステリーツアー』なるものに
申し込んでみた。

『ミステリーツアー』は毎月送られてくる
小冊子とは別に
単体でりっぱな見開きのフライヤーが
送られてくる。

大量のホテルの写真やお料理の写真
観光地の写真が載っていて
やれ、当社Sランクのホテルに17時間滞在とか
やれ、焼きズワイ蟹だホタテ釜めしだと
思わず行きたい食べたいと思わせる
つり広告が並んでいる。

しかし、何で行くとか、
観光名所のここに行くとか、
ホテルや旅館の名前など、
固有名詞や場所の名前はすべて伏せられ
当日、集合場所に行ってでさえ明かされない。

それでも、
美しい風景や美味しそうな画像に吊られ
いつも一緒に行く旅友のKさんを誘ってみた。

申し込み後、大体のあたりをつけ
きっと寒い方面にちがいないと考えた。
例え雪が降っても大丈夫な服装の準備をし
前日に添乗員さんから挨拶の電話があったら
ちょっと探りを入れてみようと思っていた。

しかし、『ミステリーツアー』は
前日の電話もかけないルールらしく
私たちは本当に何も知らされないまま
集合時間の1時間前に羽田に集合した。

早めのお昼を食べるべく
ラウンジでトルコのバーガーを手に取り
にっこにこで写真には写っているが
実はその時もまだどこへ行くか知らない。

旅行会社の最終案内にある集合時間に
カウンターまでいってバッチをもらった時も
添乗員さんに「搭乗口は50Bですので、
ここから30分ちかく歩きますから急いで」と
言われたが、まだその時もどこへ行くのやら。

同時にバッチをもらった他のお客さんが
女性3人組でものすごい厚手のコートを
着ていたので
「これで沖縄なったら笑えますね」などと
冗談交じりに話した。

もし、
沖縄だったら向こうで「海人」と書かれた
Tシャツを買わなければ(笑)

荷物を預け、身一つでせっせと歩き
たどり着いた50Bの搭乗口には
「中標津行き」とあった。

やっぱり、北海道だ!
でも中標津ってどこ?
千歳空港じゃないの?

急いでスマホで検索すると
それは道東のさびれた1日2~3便しか
行き来しない小さな空港だった。
飛行機もずいぶん小型の飛行機だ。

さてさて、ここから私たちは
北海道のどこに旅するのか。
北海道、でっかいどう。

中標津空港に降り立ち、
迎えの青いバスに乗り込んだ24名は
いかにも北海道らしい原野に走り出した。

みるみる大きな空に夕陽が沈み
雲を真赤に染めていく。
空気が冷たくキーンとして美味しい。

こうして私たちのミステリーツアーは
わくわくドキドキの中、始まった。

1泊目は阿寒湖畔に立つ
「あかん遊久の里 鶴雅」
この温泉郷でもっとも格の高い名旅館だ。

実は4~5年前、
この地の別のホテルに泊まった時、
「ここが一番高級な旅館です」と
おしえてもらった旅館だった。

「鶴雅」は名前にたがわずいい旅館で
お料理も和洋中と充実して
とても1日では制覇できない種類と量だった。

私たちはまずはビールで祝杯をあげ
土地のお料理や海鮮に舌鼓を打った。
いずれも丁寧に作られた
美味しいお料理だった。

夜になってもさほど寒くはなく
露天風呂から見上げた
月明かりが煌々として美しかった。

こうして1日目が無事に終わったけど
相変わらず明日の朝からどこへ行くのか
まったく何も知らされていないのが
『ミステリーツアー』だ。

































2026年10月29日木曜日

熱狂の夜 第5夜『石田組』

 








石田泰尚主宰の『熱狂の夜』第3章は
6夜連続の5回目を迎えた。

毎回、ソロから始まり徐々に人数が増え
最後はオーケストラになるのだが、
その一歩手前が『石田組』の弦楽合奏である。

個人的には『石田組』の時が
一番面白いと思っているので
昨晩はとても楽しみに
足取りも軽く会場に向かった。

もちろんその前には腹ごしらえの早めの
晩ご飯があり、
今回は新米の美味しい季節なので
ひとりひとり釜で炊いたご飯が出てくる
とんかつ『和幸』ののれんをくぐった。

選んだメニューはカキフライの入るセットで
「季節限定」の文字に惹かれて
友人と共に同じセットを注文した。

女子は「季節限定」とか「セール」とか
「期間限定」の呼び声にはめっぽう弱く
ふらふらと必要のないものまで買いがちである。

友人とふたり
「家では揚げ物はもうしないわ」とか
「カキフライなんで尚更、揚げたてじゃないと
美味しくないし」と言い訳をいいつつ、
カキも海老もフィレもと欲張った。

もちろんそれらのフライも美味しかったけど
何より小さなお釜のふたを開けた時の
炊き立てのご飯のつやつやさ加減といったら!
日本人に生まれてよかった~と思いながら
お茶碗2杯半の完食である。

そこから歩いて5分。
ミューザ川崎シンフォニーホールへ向かった。

ご飯の食べ過ぎで、
コンサートは眠くなるかと心配したが、
さすが石田組
クラシックとアレンジの効いたポピュラーを
上手く取り入れた構成で
2時間と少し弦楽十三重奏を堪能した。

「石田組」の構成員は
石田様を筆頭に第一ヴァイオリン3名
第二ヴァイオリン3名、ビオラ3名
チェロ3名、コントラバス1名で構成されている。
人数がもう少し多い時もある。
メンバーは石田様以外、
コントラバスの米長幸一さんはほぼ固定だが
他のメンバーは流動的に変わるのが特徴だ。

コンサートがミューザの時は
ミューザ川崎を本拠地にしている
東京フィルハーモニーオーケストラのメンバーが
何人か入ることが多くなる。
今回は元東京フィルのメンバーである
チェロの西谷牧人さんが入っていたので嬉しい。

また、松岡あさひさんが編曲担当なのだが
この人の編曲がいかにも石田組、
つまり、各弦楽器のセッションのような構成で
石田様のヴァイオリンのソロを際立たせつつ
他のメンバーを楽器で挑発し競わせることに
成功している。

私としては
あさひさんが石田組の影の副組長なのではと
感じているほどうまいアレンジャーなのだ。

今回の選曲は
一部はクラシック、2部はポピュラーなのは
いつも通りだけど
2部の最初に吉松隆氏作曲
アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番OP.70b
という現代音楽を持ってきた。

これが初披露とは思えないほど
いかにも石田組という弦楽奏でとても楽しめた。
つまり3人ずつ束になって
第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン
ビオラ、チェロ、コントラバスが
それぞれの音色の違いを競うような曲だった。

また、石田組にはもうひとつ特徴があって
アンコールになると
途中で石田様はじめメンバー全員が
「石田組」の大きな文字がプリントされた
Tシャツに着替え、素足で登場する。

そこでは大体イケイケやらオラオラの
挑発的な曲が演奏されることが多い。
昨晩は
マクブルームの「ローズ」
ガンズ&ローゼズの
「スイート・チャイルド・オブ・マイン」
ディープ・パープルの
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の3曲

このうち、1曲目が終わって舞台袖にはけた後
全員が半袖のTシャツで素足になって再登場。

クラシックコンサートで
男性の演奏者が
半袖・素足で演奏することは絶対ない。
女性の演奏者が
ノースリーブのドレスやブラウスを着ることは
あっても男性は長そでのシャツか
ジャケットを着ている。
まして素足で舞台に立つことは
どんなことがあってもあり得ない。

なのに毎回、石田組では
アンコールになるとTシャツ姿になる。
そこから出ている二の腕と素足の足元の
なんと白くて細いことか。

特に第2ヴァイオリンの3人の若者は
ギョッとするほど白い肌だ。

いつもはオーケストラの団員として
立派に演奏している彼ら。
全員、一流の音大を卒業し、
難関のオーケストラの試験を受け、
驚くような高額な楽器を手に
演奏家としての生活を送っていることだろう。

しかし、
その透けるほどの白い肌を見ていると
おばさんはなんだか急に切なくなる。
そこに純粋培養された演奏家のピュアさと
脆弱性を垣間見た思いがした。

昨今のAIの発達、情報漏洩、ハッカーなど
追いつけないスピードで進む
善かれ悪しかれの現代にあって
いかにも
彼らは浮世離れした場所にいる気がする。

我が身も守れないのに
何だか痛々しくて守ってあげたくなる
肌の白さだった。
芸術よ、生き残れ!!
音楽家よ、もっと逞しくあれ!!
ご飯、ちゃんと食べて!!













2026年10月26日月曜日

我が家の晩ご飯

 






ばぁばご飯を作りに行かなくなって
1年以上経つので
このブログに料理ネタが載ることも
めっきり少なくなってしまった。

そうそう毎日のようにイベントがあるわけでも
お出かけしているわけでもないとなると
絵面の地味なブログばかりになる。

そこで今日は我が家のいつもの晩ご飯を
載せてみようと思う。

我が家の住人はダンナと私のふたりなので
大した量の料理をつくるわけでもないし
誰かに見せるために作るわけでもない。

しかも、我が家のダンナは気難しく
食事に関しても
やれ塩分は控えめに
油を使った料理は勘弁してくれ、
俺はパンと白飯は夜は食べないなどと
「じゃあ、一体何を食べるんだ!」と
ぶちぎれそうになるぐらいうるさい。

しかも、この物価高の世の中、
9月の長雨のせいで
葉物野菜が例年の3倍くらいするし
豚肉も鶏肉もジワジワ値上がりしている。
牛肉なんてとっくに手が出ない金額だし
魚もやせっぽっちのサンマが
1尾350円もする。

そんな中でも
フルーツだけは外せないので
季節の果物は毎日食べたい。
今は柿とシャインマスカットと
ジョナゴールドがスタンバイしている。

今、安い野菜といったら
じゃがいもと人参と玉ねぎ
安定のお値段なのはもやしと豆苗
季節のしめじやえのきや舞茸か。

この野菜で思いつくのはカレーだと思うけど
我が家はカレーは半年に1度くらいしか
作らない。
(ダンナが夜、ご飯を食べないから)

そこで、本日のメインは
「鶏モモのレモンシチュー」
を作ることにした。
他は
「水菜とキューリとハムのサラダ」
「ブロッコリーのスクランブルエッグのせ」
「焼き厚揚げの枝豆のせ」
「十六穀クラッカーとチーズ」

鶏モモは大き目のひと口大に切り、
塩コショーして小麦粉をまぶし
まず、バターで焼き目がつくように焼く。
野菜は
メークイーン、人参、玉ねぎ、しめじを
大きめの乱切りにカットし
コンソメスープにベイリーフとバジルを入れ
お肉と共に煮込む。
途中でレモン汁をかなりの量加える。
最後に刻んだパセリを大量投入。

塩味が強いとうるさいおじさんのために
塩は鶏モモにしか使わず
コンソメも控えめにして
レモン汁をかなり絞るのがミソ。

今日は相当美味しかったらしく
スープにクラッカーを浸してまでも
最後のひとさじまで飲み切っていた。

また、水菜のサラダのドレッシングには
湘南ゴールドを使ったものを使用し
ここでも柑橘系の香りと酸味に
助けられている。

ブロッコリーは硬めに茹で、
何の味もつけずお皿に盛り、
上にスクランブルエッグをのせるのだが、
この卵にマヨネーズとピザ用チーズが
たっぷり入っている。

なので、塩を使わずとも
塩味を補うことができる。
塩気を感じただけで
とりあえず文句を言うダンナも
まんまと騙されて
けっこうな量食べていた。

豆腐の小鉢は、毎晩、必ず一品作るが
今日は厚揚げをトースターで焼き、
鰹節と枝豆を上に散らしてみた。

豆だけ取り出した冷凍枝豆は
とても便利で
冷凍のままパラパラ散らすと
彩りもよくなるし、大豆タンパクも採れる。
食べる頃には解凍されるので
冷凍のままで使えるのも超便利だ。
それにお醤油を少々。

パンは食べないダンナのために
十六穀クラッカーというヘルシーな
クラッカーをパン代わりにひとり3枚。
それにアーモンドが入ったベビーチーズ。

私としてはここで
フランスパンのガーリックトーストを
添えたいところだけど
私もそこは控えめにクラッカーで。

これが本日の晩ご飯。
ごくごくいつもの感じだ。

食器にロイヤルコペンハーゲンを使い、
自作の小鉢や中鉢なども合わせることで
それなりにおしゃれな食卓になった。

ダンナは
特段、美味しいとも何とも言わないけど
お皿を舐めたかと思うほど
きれいに食べていたので
許したろ~。

私はいつも
「あ~、美味しい」といって
自画自賛する。





2026年10月25日日曜日

柿の作品 飾り彫り

 








沖縄に台風30号が上陸し
北上している影響で
関東地方は今日明日は雨模様。
一方、北海道には初雪が降ったとか。
日本列島は小さいようで、北と南でお天気が全く違う。

関東地方も昨日から急に気温が下がって
夕べは毛布を引っ張りだした。

この週末は土曜日はカウンセリングが入っていたけど
日曜日はフリーだったので、
画室に籠って新作の飾り彫りをすることにした。

大体、お休みの日でも遊びや仕事のない時は
「ホリデーは彫りデー」になることが多い。

今回の新作は初めて手掛ける「柿」の作品。
日本の秋の象徴のような果物だ。
考えてみるとかなり長い期間
「雨のシリーズ」だったので
冬の「ポインセチア」と「万両」が1点ずつ
あとは「紫陽花」と「蓮」で
作品を創ってきた。

なので、秋を思わせる作品は初めてだ。

四季を意識したというより
「日本」や「日本人として」といったあたりを
意識して新作を創ってみたかったので
9月10月に周囲を見渡し散歩したりして
登場したのが「柿」である。

風景画ではないので
自分の画風に寄せて「柿」を表現しようと思う。

それには飾り彫りの部分がとても大事なので
ここ数日、
飾り彫りのイメージを膨らませていた。

我が家の周りに何軒か柿の木がある家があり
その前を通る度に
少しずつ色づく柿の実や
それに従って紅葉?黄葉?する葉っぱや
落ち葉になった葉っぱを観察した。

本当なら、誰も見ていないところで
枝と実をバキッと折って持ち帰りたかったけど
衝動を押さえつつ
スマホのシャッターをきった。

ほんの2週間ほどでどんどん秋の気配が深まり
お天気のいい日は
澄み切った青空にうろこ雲がでたりして
清々しい気持ちになる。

夕暮れ時はハッとするほど赤い夕焼けが
ドラマチックだし、
秋はいろいろ物語ができそうないい季節だ。

スーパーにも柿が並ぶようになったので
我が家の朝食のフルーツは
今の時期は柿かシャインマスカットだ。

これからは何でも美味しい季節。
私は「芸術の秋」そっちのけで
「食欲の秋」全開である。













2026年10月22日木曜日

『大徳寺展』鑑賞

 















10月14日から始まった『大徳寺』展を観に
上野の東京国立博物館に行ってきた。

会期は10月14日から12月6日までと
かなり長い期間ある。
しかし
「百花繚乱展」でも同じことが言えたが
会期の後半になると
とても混み合うことが予想されるので
早めに行った方がいいと判断した。

その判断は正しかったようで
朝10時に東博前に到着したが、
荷物検査のための列が少しあったぐらいで
5分くらいの待ち時間で中に入ることが出来た。

お天気にも恵まれ、
秋の空が高く、空気も爽やかで
絶好の美術館日和だ。

日本の数ある美術館や博物館の中でも
東博は一番といっていいほど渋くてカッコいい。
大英博物館やルーブル美術館に匹敵すると
私は思っている。

「大徳寺」展は平成館が会場なので
本館のような重厚な建物ではないが、
平成館に着くまでの間に観ることのできる
本館や庭園が素晴らしいので
いかにも展覧会を鑑賞するという
高尚な気分になる。

大徳寺は京都にある臨済宗の総本山で
広大な敷地に七堂伽藍と20の塔頭をもつ
とてつもなく巨大な禅寺である。
嘉暦元年(1326年)
後醍醐天皇、花園上皇の帰依を受けた
大燈国師が法堂を建立し
「龍宝山大徳寺」と号したのが始まりとある。

私にとっての大徳寺は
そうした禅寺としての意味合いより
表千家茶道の道の端っこに身を置く者として
多くの茶会が催され、
千利休の時代から
表千家を始めとする三千家との繋がりが
濃いところに興味がある。

したがって
展示物の多くの歴代の代表的なお坊さんの
姿を現した何十枚もあるお軸や書より、
国宝「大井戸茶碗 喜左衛門井戸」という
抹茶椀や
堆朱のお盆や天目茶碗
一休さんの肖像画や
重要文化財指定の「七物通戒謁」と
呼ばれる一休さんの書などの方が
断然、興味深かった。

また、唯一、写真撮影が許されていた
「金毛閣」の内部に安置されている
本物の千利休立像
釈迦如来坐像および両脇の立像
天井画の写しなどは
とてもワクワクした。

なぜなら、数年前
お茶のお社中の友人のお母さまが
大徳寺でお席を持たれた時に
私たちは京都まで行って
お茶席に臨んだことがある。

その時、
大徳寺の上の方のお坊様の計らいで
特別に『金毛閣』の中に入ることができ、
本家本元の『金毛閣』内部で
千利休立像を拝むことが出来たからだ。

その時はこの像の下を秀吉が通ったことが
秀吉の逆鱗に触れ
千利休は切腹を申し渡されたという話を
聴いていたので
「これがその逆鱗に触れた像か」と思うせいか
ちょっと不気味なお顔だと感じた。

しかし、今日、
展覧会場で拝見した「利休像」は
同じ像かと見紛うほど
穏やかで静かなたたずまいだった。

観る場所やシチュエーションで違って見える
のかもしれないなと感じながらも、
展覧会全体の展示物を観終えて
お茶の世界や寺院の格、
僧侶のヒエラルキーなど
神聖な世界のどろどろを垣間見た思いがした。

ついでに本館の方でやっていた
「広重展」も入ってみたが
そちらも東海道五十三次をはじめとする
膨大な数の広重作品が展示されていて
見応え十分だった。

2つの展覧会を観たせいで
結局12000歩歩いたことになり
足は棒のようになった。

先週の「百花繚乱展」の時は
台湾のご飯屋さんだったが、
今日はそのお店の奥にある
韓国のご飯屋さんで
「石焼ビビンバ・ランチセット」を食べた。

同じような値段だったけど
食べ放題のキムチやナムルがついて
お野菜の種類がこちらの方が豊富だったので
なんだかお得感があった。

最近は身障者カードを片手に
ひとりであちこち行きまくっている。
友だちとおしゃべりしたりランチもいいけど
ひとりでサクサク出歩くのも
気軽でいいと思う今日この頃である。



























2026年10月18日日曜日

卒業した陶芸工房の展覧会

 









毎日、清々しい秋の晴天が続いている。
1年で一番気持ちのいい季節。

自分はもう辞めてしまった陶芸工房の
会員による定例の陶芸展が開かれていたので
同じく辞めてしまった友人と誘い合わせて
観に行ってきた。
(私もこの展覧会には6回出品したことがある)

今回の会期は水曜日から始まっていたが
今日は私の個展に来てくださった2人が
陶芸展の受付当番だったので、
お当番の後にお茶しようということになり
この日に伺うことにした。

その前に友人とは川崎駅近くでランチをし
お互いの近況報告をすることになり
友人ご推奨のイタリアンで待ち合わせた。

ここのランチがホテル経営にも関わらず
リーズナブルだということで
私は迷わず名物メニューの
「ロテスリーチキン」のランチセットを注文した。

ふっくらしっとりローストされた鶏肉と
鳥だしで炊いたライスが
優しいお味でとても美味だった。

友人とは
対面で会うのは1か月と少しぶりだったけど
9月の個展のキャストで来てもらっていて
あまりプライベートな話をしなかったせいか
なんだか話がたくさん積もっていた。

私自身は個展があって後片付けがあって
10月はいつもの日常が戻ってきたという
感覚だったが、
友人のところはこの間家族や周辺の大事な人に
いろいろあって大変だったようだ。

男の人は
自分の身辺に何かあっても
友だちと会っておしゃべりすることはないが、
女性同志は近況報告しながら
一緒にご飯食べるのが常なので、
この日もレストランは女性客で満席だ。

私たちは1時間半の制限時間いっぱいまで
おしゃべりし、
隣の駅の陶芸展会場に向かった。

陶芸展「卓」は2年に1度の間隔で開催される。
私は去年の「工房30周年記念展」に参加したのを
最後に夏に工房を退会した。
友人はもひとつ前に退会しているので
ふたりとも
この陶芸工房の卒業生ということになる。

会場につくとお当番のふたりが迎えてくれた。
そのふたりは
同じ高校の先輩後輩にあたり
陶芸工房の主宰者Y先生の教え子でもある。

工房に所属している会員はだいぶ入れ替わり
その数も減ってしまったということだけれど
今回は15名の参加者が思い思いの「卓」を
展開していた。

自分がいた時にも会員だった人は
粛々と自分の世界を展開していて
ひと目で誰かが分かる作品を出していて
思わず笑みがこぼれる。

お当番をしていたふたりも
自分の世界観を大切にしながら
新しい釉薬や作陶に挑戦していた。

全く知らない数名も
自分の「卓」自分の「器」を目指し
作陶しているようだ。

趣味で陶芸をしているということは
お店では売っていないものを作ることに
作陶の楽しみがあると思うので
それぞれの目指す「器」に向かって
がんばって欲しいなと思う。

しかし、作りたいものを作るには
それに伴うスキルも必要なので
そのあたりが主宰者から教えを乞えなければ
「ここにいても叶えられない」と
辞めてしまうことになる。

そんなあたりをお当番が終わったふたりと
友人とでひとしきりおしゃべりした。

帰り道、
ふいに自分の人生に
「何か一区切りがあったな」という思いが
湧いてきた。

思えば、10数年続けていた陶芸を辞め
2年立て続けに夏に入院手術を経験した。
そして、
9月に5年ぶりの個展も無事に終わった。

いつもの日常が戻ったと思っていたが
気づけば
手放したもの・卒業したものもあった。

人生はずっと同じに続くわけじゃない。
「無常」
という言葉が私は好きだ。
「常なるものは何も無い」という意味だ。

暑い夏が終わり
延々と降り続いた9月の雨も止み、
10月、秋の高い空が澄み切っている。

季節が変わるように
時間が経てば
人の営みにも変化が訪れる。

ひとひとりが背負える荷物には限りがある。
年相応・環境相応・体力相応
あまり無茶をしないで
手にしているものを慈しんでいこうと思った。