個展の千秋楽から
今日でちょうど1週間。
この7日間は個展の後始末と
後ろに倒してもらっていたカウンセリングに
追われていた。
まずはお求めいただいた作品の梱包と発送、
各所への連絡やお礼のメール、
銀座へは画廊買取り作品4点を収めに行った。
そんな中、実は大相撲9月場所3日目の火曜日、
例の「友風応援団」の一員として
両国に大相撲観戦に行ってきた。
今回は西側の椅子席Aのチケットだったので、
反対側の東側から入場する力士は
正面によく見えた。
個展終了直後で疲れていたし、
雨模様だったので、
いつものような着物では出かけられず
ワンピースにしてしまったけど、
ひさしぶりに『推しの大の里』の雄姿を
この目で見ようと心は浮き立っていた。
『友風』は目下、十両で戦っているので
3時過ぎには出番がくる。
「友風応援団」の友人ご夫婦と私は
午後1時に待ち合わせて
友風の出番を待った。
会場には「友風応援団・川崎組」が
総勢70名も詰めかけ
会場に分散して席を確保し
名前入りのタオルを打ち振って
声を限りに応援した。
残念ながら
『友風』は『翠富士』あっけなく負けてしまい
3時半ごろ、十両の全取り組みが終わった。
私たちは取り組みの一覧表を片手に
間を見て、おしゃべりしたりお昼を食べたり
外に『友風』の出待ちに行ったり
親方と応援団の集合写真を撮ったりした。
(私は出待ちと写真はパスしたが…)
個人的には
今回、マストでしたかったことは
国技館名物のソフトクリームを食べることと
『大の里』の土俵入りをしかとみることだった。
今場所限定のソフトクリームは
紅はるかのソフトクリームで、
私は「いもぶっさし」という
ソフトクリームに紅あずまの大学芋がさしてある
お芋尽くしのものにした。
これがとても美味しく
「日本の秋」はやっぱり芋か栗だなと思った。
さて、肝心の『大の里』
先場所までパッとしない成績の『大の里』には
ちょっとガッカリしていたので
今場所こそメンタルを鍛え直して
横綱相撲を見せてほしい。
相手力士と当たってすぐに引くクセや
土俵際で飛び上がるクセ、
簡単にあきらめて土俵を割るクセなど
いくつか指摘されてる悪いクセを直し、
なんといってもメンタルの脆さを克服して
横綱らしくあって欲しい。
何なら、メンタル強化に
「私が認知行動療法しましょうか」と
いいたい気分の最近の大の里。
さあ、今場所はどんな状態か
横綱は最後の取り組みなので
そこまでの幕内の全取り組みを楽しみながら
今か今かと待っていた。
『大の里』の3日目の対戦相手は
今、注目の若手のひとり『琴栄峰』
土俵でしこを踏む時に大きく足を上げて
その柔軟性と体幹の強さを見せる
パフォーマンスで今、人気沸騰中だ。
そんな人気力士同士の取り組みに
懸賞金がなんと60本もかかった。
1本6万円
×60本で360万円
その半分は協会預けになるけど
半分の180万円を
1回の勝負で手にすることになる。
勝負はあっという間に『大の里』が
『琴栄峰』を突き出して3秒で終わった。
やんややんやの大喝采で会場中がどよめいた。
私はカメラを身構えていたけど
あまりに早い決着で間に合わなかった。
でも、この目で『推しの大の里』の強さを
間近で見ることができ、大いに安心した。
基本、私は強い男が好き。
美しい男が好き。
そのお眼鏡にかなうよう
『大の里』には頑張って欲しいものである。
2026年のの個展は9月12日に
無事閉幕した。
この個展は
自分にとっては5年ぶりの個展だったが、
画廊にとっては
3年前に自社ビルを解体し
更地にしたところから8階建てのビルにした
新装オープンの展覧会だった。
プレオープンは8月17日から2週間行われ、
ビルの6階と7階の展示スペースには
今まで画廊と関わりのあった作家65名の
作品が展示された。
その期間、
5階のギャラリーは空いているのでと
私の個展作品を展示させてもらうことになった。
そして、本来なら1週間の会期を
9月1日は火曜日で中途半端なのでと
おまけで2週目もどうぞということになり
結局、4週間の個展期間と相成った。
9月1日からが本来の新装オープンで
6階は平常の画廊の事務所と作品販売、
7階は企画展示が始まり
トップバッターは「海老塚耕一展」だった。
養清堂画廊の”こけら落とし”の展覧会は
こうして始まり
私の個展は、無事に閉幕した。
”こけら落とし”というのは
よく歌舞伎で使われる言葉だが
その劇場が新しく建ったり
建て替えられたりした時に
最初にかかる演目のことを指している。
それは一度きりしかないことなので
その演目に関わることのできた役者は
とても誇りに思うだろうし、
主役ならなおさらだ。
銀座のど真ん中にある老舗画廊が
自社ビルを建て替えるにあたり、
このご時世に相当なご苦労があり
2代目の女性社長さんは
本当に大変だったと思う。
たまたま次回の展覧会をと考えて
声をかけた3年前、
私は建て替えのことを知らされ、
その場で出来た時の”こけら落とし”をと
お誘いを受けた。
企画展示でもないのに
おこがましいことだけれど、
大学院の卒業時から
東京での個展はずっと養清堂でやってきた。
初代社長さんには
結婚式にも来ていただき祝辞を賜った。
そんなこんなの思いが詰まった養清堂の
”こけら落とし”
勝手に意気に感じて
がんばらなければ!と思ってやってきた。
展覧会が無事に終わり、
撤収作業の終盤、2代目さんが
「こけら落としにふさわしいいい作家さんを
お選びになりましたねと言われました」と
報告してくれた。
その言葉は何よりのご褒美だと感じた。
ここまで勝手に意気に感じ、
出来る限りの友人知人にDNを配り
私らしいしつらえにと会場を整え
もちろん作品制作にも注力した。
その甲斐があったなと思う。
毎日、銀座の女のメッキがはがれないよう
精一杯おしゃれして
笑顔でお客様をお迎えし
作品解説に努めた日々。
連日、5階の会場には再会の出会いと
笑い声が響いた。
何人もの同業の作家たちから
「凄いパワーだよね。
この作品を
本バレンで摺っているなんて信じられない。
これほど作家と作品のイメージが
ぴったり重なる人もいない」などの
コメントをいただいたのは
私の勲章である。
これからの作家人生、
今回の展覧会でいただいた感想や意見が
心の糧になるだろう。
まずは温泉にでもいって
美味しいものをたくさん食べて
身体の糧を補充しようと思う。
個展に来てくださった皆さま、
各方面で支えてくださった皆様に
深く深く御礼申し上げます!!
9月1日から12日までの個展の会期中には
本当に多くのお客様にご来場いただいた。
連日、雨か小雨か曇りかだった割には
足元の悪い中、
皆さん、遠方から来ていただき感謝感激である。
「晴れたら行こうと思ったけど…」と
お天気を理由にいらっしゃらなかったのは
おひとりだけだ。
むろん、大雨に見舞われた地区に
お住いの方はそれどころの騒ぎではないのは
想像に難くない。
9月1日、1週目の火曜日が初日で、
5日の土曜日までと
2週目の月曜日から土曜日までが会期だった。
「私は11日(金)以外は会場におります」と
添え書きをして案内状をお出しした。
すると面白い現象が起きた。
なぜか申し合わせたように
同じグループが同じ日に「重なった」のだ。
同じグループというのは
大学の同級生、
娘が中高一貫校に通っていた時のママ友、
最初に香港に住んでいた時の海外在住組、
趣味のお茶でかつてご一緒だったメンバーなど。
大学の同級生は
2週目の火曜日と
私がいない日狙い?で金曜日。
だれも約束していないのになぜかかち合った。
いない日狙いの同級生は
最終日に画廊で芳名帳を見たら
何人も同級生の名前を見つけ驚いたというわけ。
2週目火曜日は
ひとりの大学の同級生が見えて
会場で話しているうちに次のメンバーがきて、
またひとり、またひとりと
5人が次々に来てくれた。
私がいない金曜日の重なりぶりは
その日しか空いていなかったのか、
わざと外したのかは今だに謎である。
娘が中学や高校の時のママ友は
約30年ぶりの再会になると思うが、
キャストに入ってもらっていた友人と再会をはたし
会場でキャーキャー大騒ぎ。
もちろん私はずっと繋がっていた友人達だけど
偶然にもお手伝いをお願いした日に
来て頂け、昔話に大輪の花が咲いた。
また、最初の転勤先・香港で
ご一緒したメンバーが
何組もかち合ったのが2週目の木曜日。
次の日は私のいない日だし
その次の日は最終日だったせいか、
なぜかひしめき合うようにお客様の多い日だった。
そこで「もしかして?」
「〇〇さんよ、ご存じでしょ」てな具合で
何組もの友人達が繋がった。
不思議な日だった。
遠くは約40年ぶりの再会だ。
かち合ったわけではないけど
最も会っていないお久しぶりの人は
小学生の時の同級生の男の子。
ずっと繋がっていた同級生の女の子が
「△△君てあなたが初恋の人だったのよ」と
約60年ぶりに連れて来てくれたのだ。
おまけに彼女は当時の遠足の写真まで
スマホに保存していて見せてくれた。
どれが自分か見つけられないほど
大昔の写真で
みんなで大笑いした。
約60年ぶりの再会は
おぼろげに面影は残っているものの
流れた歳月を如実に物語っており
だれもが現実に抗って生きていると知った。
別れ際におぼつかない手つきで
それぞれLINE交換し
再会を約束した。
1週目の終わりの土曜日には
長女がキャストに来てくれたので
午後には婿が孫1号孫2号を連れて合流した。
毎年、どこかの展覧会には来てくれる孫たちも
9歳と6歳になったのだから
そりゃ、オーママも年取るわけだ。
今回のお客様の最年長は88歳。
大きな作品「雨の音色」をお求めくださった
ダンディなおじ(い)様。
最年少は2歳半。
長年、お世話になっているHP制作会社の
担当さんのお子さんだ。
生れた話は聞いていたけど
まだ見ぬうちに2歳児に。
お久しぶりの最長不倒距離は約60年ぶり。
いわずもがなの小学校の同級生。
男の子だったはずがおじいちゃんに。
私が初恋だったと言われましても…。
こうして私が版画制作を続けて
時折、個展を開催していることで
続くご縁があることは
本当に嬉しいことだ。
ブログが長くなるが、
「重なる」と言えば今回の個展は他にも
いろいろなことが重なった。
会期後半は『文学と版画展』と
丸被り。
同じ銀座のギャラリーだったので、
後半初めの月曜日には
オープニングパーティにも顔を出し、
お客様も作家も両方観ていただくよう
ご案内した。
また、パティシエ学校の
自分の授業のテストの採点も重なった。
1週目の半ばには解答用紙が自宅に送られてきて
真ん中の日曜日は缶詰め状態で採点した。
いずれも今年はパス!ができないものばかり。
体がひとつしかないことが
じれったい重なり具合だった。
しかし、そんなこんなを乗り越え、
2週間を無事に乗り切った。
今は次の個展のことなどまるで考えられないし、
作品の今後の構想も全く浮かんでいない。
それでも、どのグループからも
「また、個展のお知らせくださいね」
と言われると
なけなしの知恵を絞って
もう少し頑張ろうかという気になる。
さあさあ、この出会いや再会にパワーを得て
次のテーマが降りてきますように!!
神頼みのきみちゃんである。
2週間に渡る個展の会期中には
本当に多くのお客様に来場いただいた。
あらかじめ300枚以上のDM(案内状)を
お送りし、
画廊側からも300枚出ているが
実際に会場に足を運んでいただけるのは
その一部にすぎない。
自分自身、銀座は本当に遠くなって
以前のように気軽にいく場所ではなくなっている。
それは他の友人知人にとっても同じこと。
まして連日の雨模様では尚更である。
そんな中、銀座まで足を運んでくださったのは
いつもの生活で仲良くしている方、
お世話になっている方、
昔、どこかのタイミングで同級生だった方、
長年の知り合いで個展には必ず来てくださる方、
この度、初めて声をかけて来てくださった方など。
言ってみれば
絵を見るのが楽しみ・萩原の絵が好きという方と
久しぶりに萩原に会いたい方という気がする。
どちらかというと後者の理由で
銀座までお運びいただけていると思うからこそ
毎日、会場に出向くのが作家の務めと心得、
私は毎日綺麗にして「銀座の女」を
相務めた。
そして、個展であるから販売もしているわけだが、
お客様には
「よし、今回は気に入った作品があったら是非1枚」
と思っている方と
そんな気はさらさらない方とに分かれる。
何が「気にいった作品」になるのかは
人それぞれだけど、
作品からご自分の信条や生活につなげて
物語を紡げた時が
「気に入った」時だという気がする。
通常、展覧会には作家はいないので
絵を見ていろいろなことを想像したりして
絵を鑑賞することがほとんどだと思う。
しかし、個展の場合は作家が会場にいて
その作品にどんな思いを込めたとか
どんなコンセプトで制作したかなど
作品の背景をお話しすることができる。
私の場合はとりわけ具体的なモチーフが
出てくるので
なぜ白鷺か、なぜシマエナガか、
なぜ紫陽花か、なぜ蓮か、なぜむくげなのかなど
それぞれの作品の前で説明することが出来た。
多かった質問は
大きな作品の背景に使われている楽譜は
「何の曲ですか」というもので
「ショパンの雨だれです」と答えると
大抵の方は「ほほぉ」という反応を示した。
(どんな「ほほぉ」かは存じませぬが…)
今回のDMに使った『凛として』は
「白鷺立つ」という小説の表紙のために
創り下ろした作品で
「比叡山延暦寺の僧侶が千日修行に出る時の
白い衣と蓮の葉を象った被り物をかぶっているが
それがまるで白鷺のようだというところから…」
といった説明をした。
その話が亡くなった旦那様の生い立ちとつながり
タイトルの込めた思いに共感してという具合で
その作品に入り込まれたりする。
お求めくださった方々は
それぞれ共鳴する思いがあって
作品を選んでくださっている様子だ。
もちろん中には
「長いお付き合いだから、そろそろ1枚」
といった方もいらっしゃるけど、
それでもこの1枚と思って選ぶときには
大きさや値段だけの判断基準ではなく
何かその作品にかけた思いがあるのだと思う。
今回、お求めいただいた作品の中で
一番大きな作品は「雨の音色」だ。
正面のメインの壁に1枚だけ飾った作品だ。
ちょっとやそっとのおうちでは
飾り切れない大きさだと思うが、
以前から私のことを可愛がってくださっている
ご夫婦がさらりと決めてくださった。
聞けば、三男さんが山梨の大学教授になられ
おうちを新築なさったのでそのお祝いにとのこと。
「本当はしばらくご自宅に飾ってからと思ったけど
まあ、お祝いだから送ってくだい」
ということだった。
どんな豪邸なのかしらと少し心配だけど
この作品を気にいってくださってと
心が弾んだ。
どうか贈られた三男さんと奥さんの
お気に召しますようにと願うばかりだ。
そんな風に毎日、どなたかが作品に
赤丸印(お買い上げ予約)をつけてくださる度に
その作品を選んだ理由を話してくださるのが
個展における望外の喜びだ。
この作品はまだ見ぬお宅のどこに飾られ
その方の人生に寄り添うことができるのか。
お求めいただいた作品は
いつでも娘を「お嫁に出すような親心」で
真心を込め梱包し、配送手続きをする。
「どの子も元気でいてね。
可愛がってもらうんだよ」
の気持ちを込めて。
12人の娘達、
行ってらっしゃい!!