遂にダンナが明日の朝、マレーシアに向け出発する。
最後の週末ということで、家族4人揃ってのディナーに出掛けた。
長女が仕切って、土曜日の夜に
以前1回行ってとても美味しかった『シェ・フルール横濱』を予約した。
ダンナはやっぱり娘が何かしてくれるのは無条件に嬉しいらしく、
ニューヨークでも見せなかったようなご機嫌な表情で写真に収まっている。
上機嫌ついでに、食前酒に続いて、2本もワインを開け、
久しぶりに美味しい料理と楽しい会話に時を忘れた。
これで、明日からは4人が4人ともバラバラにひとり暮らしかと思うとちょっと切ないが
これも我が家の大きな岐路なんだと考えている。
人は出逢いと別れを繰り返し、人生を進んでいく。
今はちょうど新しい形態を模索してバラバラになるけれど
それぞれの置かれた場所で一生懸命生きることで
新たな出逢いもあるだろうし、
新たな道が拓けると信じたい。
冗談抜きで最近はダンナの笑顔の写真がなくて、
いざという時どうすりゃいいんだと思っていたが
「お父さん、いってらっしゃい」とチョコレートで書かれたプレートを前に
少し照れたような笑顔を見せていたので、
私はなんだか安心した。
4人4様、来年は新しい人生をと模索中。
「でも、核になっているのは家族でしょ」とばかりに
今度は次女の発案で幾枚かの写真が一度に飾れる写真立てを購入し
とれたてのファミリー写真やニューヨークの記念写真などを盛り込み
プレゼントした。
スーツケースの真ん中にそれを偲ばせ、
クアラルンプールについたら、自室の机に飾ってくれることだろう。
18年前、ダンナだけが大阪に転勤になり、
女性軍はシンガポールに残ることになった時も、
同じプレゼントをしたことがある。
その時は私が写真立てを作り、引越荷物の布団の間に偲ばせ、荷物を出した。
こんな風に思い出作りも子どもの代に受け継がれ、
時は流れていく。
明日、成田空港にダンナを送り届けたら、
木版を彫ったり摺ったりの折々に、
今日の写真立てのことやディナーの時の笑顔を思い出すだろう。
私は父譲りの無類の写真好きなのだが、
写真は紙に焼いて写真立てに入れたり、アルバムにまとめてこそ、
思い出として定着するような気がしてならないのだ。
さて、しかし、その前に段ボール大箱2つ、大スーツケース1個
ゴルフバッグ、機内持ち込み手荷物限界のバッグ1個
こいつをダンナと共に成田まで運ぶという大仕事が明日、待っている。
やれやれ・・・。