2014年12月25日木曜日

クリスマスはゴスペルで

 
 
今年のクリスマスは、ひとり暮らしゆえの通常通りでは寂しいので、
ニューヨークから来日している『グローリー・ゴスペル・シンガーズ』のコンサート
チケットを入手し、次女を誘ってよこすか芸術劇場まで行って来た。
 
10月にニューヨークにいった時にはゴスペルはおろか
ジャズも聴きにいくことが出来ず、
本場もんを見聞きすることが出来なかった。
 
1ヶ月ほどまえ、生協のチケット販売のチラシでこのグループのコンサートを知り、
どんな人達か全く知らなかったが
クリスマスソング中心の曲目構成らしかったので、
イヴの夜にぴったりだと思って申し込んでみた。
 
会場は以前、小曽根真のジャズコンサートの時に行って
想定外に大きくてきれいな会場だと思った『よこすか芸術劇場』だ。
 
こんな知名度の低い人達でこんな大きな会場が埋まるのか
ちょっと心配だったが、2~5階の壁面座席はパラパラだったけど
平面の客席はほぼほぼ埋まって、
クリスマス・イヴをふたりで過ごそうという中年のご夫婦もかなりいる。
 
みんな案外ロマンティックなんだなと感心した。
 
コンサートは10名ほどの黒人ミュージシャンによって
なじみのあるスタンダードナンバーからクリスマスソング、
今年流行した『アナ雪のLet 's it go』まで幅広い曲目を次々歌い上げていく。
 
その1曲目から会場のお客さんは立つように促され、
手拍子をとったり、呼応するように歌わされたりして、
全編、完全に参加型のコンサートだ。
 
しかし、奥さんに誘われて来た風の70代のご夫婦の中には
いきなり立ての歌えのと言われても、乗り切れない様子のダンナさんも多く、
目の前に座っているおじさんは座っていては何も見えないと思うのだが
遂に1回も立つことなく、手拍子も打たず、前の席の人の後ろ姿ごしに
舞台を見続けていた。
 
更に私の隣の女子高校生もまったく乗り気じゃないみたいで
やはり1回も立つことも、手拍子をとることもなく、
「やばいよ、授業と同じで眠くてさあ」と一緒に来ていた向こう隣の友達に話しながら
最後までしらけきっていた。
 
私たち親子は1曲目から立たされて、大音量の歌声に圧倒されながらも
「そうか、このコンサートはこういうことね」と即、理解し、
どうせやるなりゃ踊りゃな損損とばかり、手拍子をたたき続けたが、
こういう時、乗り切れない人は案外辛いだろうなぁなどと思って見ていた。
 
そんなことはお構いなく、森久美子ばりに太った面々が全員会場の中に降りてきて、
その体を活かした大迫力の歌声を間近に聞くことが出来、
アメリカ人というか黒人のパワーの凄さをびんびん感じた。
 
「ニューヨークっていつでも最初からテンションマックスだね、思い出したわ」と
娘と10月のNYでの出来事を思い浮かべながら、
根本的にアメリカ人とは流れている血が違うんだと実感する。
 
早2ヶ月以上前になってしまったニューヨークを振り返りつつ
そこから先、今は我が家族がそれぞれの道に分かれ
新しい年を迎えようとしていることに感慨を覚える。
 
「1年が短い」と会う人ごとに挨拶のように言い合うのがこの時期だが、
そんないくつもの1年の繰り返しの中で
案外、今年は思い出深いクリスマスになったのかもと感じた。
 
私たち、来年は「ありのままに」生きるのよ!
そんな気分だ。
 
それにしても、毎日、寒い。
現実は歌詞のようにはいかないのだ。
 


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