いよいよ個展が目前に迫り、昨日は作品の搬入と飾り付けが行われた。
朝9時、美術搬送のいつもの業者さんがトラックで我が家に作品を取りに来てくれ、
22点の大小の額縁と3組のオブジェ作品、
お茶出し用の陶器(自作)やオープニングパーティに使うパーティグッズ、
ビールやワイン、ペットボトルなどを積み込んだ。
本当ならば作品以外のものは頼めないのが美術搬送だけれど、
何度もお願いしているよしみで、
お茶出しやパーティに必要なものまで運んでくれるのは大助かりだ。
朝、家中の作品が出払ってさっぱりしたところで、
オープニングパーティ用の料理の下ごしらえをいくつか済ませ、
夕方、銀座に出向き、業者さんと次女と合流し、
5時半過ぎ、いよいよ搬入と飾り付け開始。
まずはすべての作品を箱から取りだし、
自分が考えてきたとおりに作品を並べてみる。
1番正面のメインの壁に3組のオブジェを並べ、
もう1面の広い壁に今回案内状に使った赤と青の大きな作品を置いた。
大物をどこに置くかまず決め、小ぶりの作品はその後にバランスや写りを考え
配置するというのが定石だ。
しかし、ざっとひと並べしたところで、画廊のオーナーの女性から「待った」の声。
「オブジェはボリュームがあるので、一緒に並べなくてもコーナー、コーナーにおいて、
とてもインパクトがあるDM作品を正面の壁に置くというのはどうでしょうか」と。
いつもは腰が低く、控えめな女性だと思っていた若社長は
いつのまにかしっかりした2代目社長さんに成長していて、
ご自身の考えを表明しながら、
画廊という空間をひとつの作品としてどう創るか提案できる人になっていた。
それは私にとっては嬉しい誤算で、
その新しい意見はとても新鮮で、おもしろいと感じられた。
今まで同じ画廊で何回か展示をした時は
作家である私が決めた展示位置が、そのままほぼ決定だったから、
メインの作品群の位置さえくつがえるなどという大胆なチェンジは初めてだ。
そういうことを言われるとカチンとくる作家もいるかもしれないが、
私はその点、軟弱というか柔軟というか・・・。
「じゃあ、試しにやってみましょう」と
会場のあちこちにズルズルオブジェを移動させ、脇にくる額作品を並べ、
しばし眺めては
社長とデザイナーの次女と私で感想を述べ合う作業はとても楽しいものだった。
結局、会場のレイアウトは当初考えてきたものとは全くの別物になり、
正面の壁には赤と青の作品がドドーンと並び、
オブジェはしきりのあるコーナー3箇所に分散。
まるで、家具のショールームのように雰囲気の違うコーナーがいくつも出現し、
楽しい展覧会場が出来上がった。
作者としてはそれぞれの作品の制作年がわかっているだけに
大体順番に並べた方がいいのではという思い込みがあったが、
そういうことにはこだわらず作品の相乗効果と
とにかく「メインの作品だけをメインの壁に飾りたい」という社長の思いが
予想もしない展示を生み、
結果、いい展覧会場になったのではと思う。
すべて飾り付け終わった会場を眺めて
社長が「ふふ、楽しい!」と言ったので
「私も来週1週間、楽しませていただきます」と答えた。
1枚1枚の作品が集合して、個展会場という大きな作品になった瞬間である。
どうぞ1週間の期間限定作品を
たくさんの方に観ていただけますように!!
萩原季満野展
4月20日(月)~25日(土)
11:00~19:00
(最終日は17:00まで)
養清堂画廊
中央区銀座5-5-15
03(3571)1312
萩原季満野、1分1秒も外には出ず、ずっと会場にて皆様をお待ちしております。
よろしくね~!
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