2015年10月19日月曜日

娘がお茶会デビュー

 
 
一年で一番さわやかでいい季節。
 
家の近くの慰霊堂という県の施設で『戦没者慰霊茶会』が催され、
知り合いの先生がお席を持たれるということで、娘と出かけることになった。
 
実家に戻ってきている時しかキモノを着られない娘のために
黒地に鬼絞りの小紋と麻の葉柄の帯をタンスから引っ張り出した。
 
私はグレー地に線描きのもみじ模様の小紋、
それに合わせた秋の花やもみじの柄の塩瀬の帯。
 
キモノと帯、小物のコーディネイトや年齢による着こなし、
キモノの格とTPOについてなど、
徐々に伝えて教えなければと思っている。
 
お茶会にお客さんで参加するのも初めてなので、
事前にお茶の飲み方や上客に対する挨拶、下座の方への配慮など、
お茶席のマナーの最低限のところを教え、
若いからといっても失礼のないよう、恥ずかしくないようレクチャーした。
 
早めに仕度ができた上に、会場がなんと徒歩圏にあったので
10時少し過ぎには会場に着いて、1回目の席入りの列に間に合った。
 
4席あるお茶席を効率よく廻って午後1時には4席とも入り終わり、
四服のお抹茶とふたつ練り切りの和菓子をいただいて、
満足満足。
食べきれなかったおまんじゅうと干し柿を使った和菓子は
お土産に持ち帰ることにした。
 
4席はそれぞれ趣向をこらし、秋らしいしつらえでお客様をお迎えしているが、
見比べるとお道具の合わせ方、お菓子の選び方、
お抹茶の味や点て方など、それぞれ個性があり、
好みも分かれるところだろう。
 
娘が「お茶会の何を楽しめばいいの?」というから、
お道具の合わせ方、亭主と正客のやりとり、
お点前の人のお点前やお運びさんの所作あたりかしらと答え、
それぞれの席のいいところ、ちょっとなところなどライブで
見所を指南した。
 
大人のおままごともなかなか人のふるまいや言葉に品性が表れてしまうもので、
気取っていればいるほど、馬脚がでちゃうものかもしれない。
 
キモノ好きの娘とはいえ、
お茶を習おうというような食指はまだ動かないようだが、
日本文化の奥行きや美しさ、楽しさに目覚めたら、
ぜひ、この世界に入ってきてもらいたいと思う。
 
期せずして娘と一緒にお茶会に行くことになって、
伝承する責任みたいなものもちょっと感じた秋の1日だった。

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