11月24日は前日からテレビで大騒ぎしたとおり、
関東地方は明け方から雨が雪に変わり、
(山下達郎の歌詞か?)
そのまま、ずんずん夕方まで降り続いた。
本当なら、24日の午前中は絵画教室で、カレンダーの文字を摺る予定だったが、
雪が降っていたのでは、車でいくことができない。
電車でいくには荷物が多すぎ、途中で転んだりしては危ないので、
あらかじめ生徒さん達に連絡して、25日に延期してもらっていた。
というわけで、フリーになった昨日は大作の上半分の本摺りをすべく、
朝から和紙を湿し、重しをかけて、均一に湿されるのを待って、
午後には本摺りを開始した。
下半分の絵には花の部分が全部入るので、版の図柄が込み入っており、
その分、版数も多く、摺るのに時間がかかった。
しかし、上半分は花はひとつも入らず、シンプルな絵柄なので、
同じ版の大きさがあっても、摺る時間は短くて済む。
上下繋がる部分にきている葉っぱの色や藁の色など、
気を遣うところはあるものの、
全体としては、版木に直接、鉛筆書きで指示を出してある注意を守って、
丁寧に摺り進めることが肝要だ。
そうやって、上半分の5枚も、日付が変わる頃、無事、摺り終わった。
上半分の5枚をベニヤに水張りして乾かし、
完全に乾いたところでテープを剥がし、
試しにギリギリのところでカットしてから、
下半分の上に絵柄が繋がるように乗せてみた。
バックの色が多少、濃さに差が出てしまったが、
メインモチーフである中央の藁や葉っぱはうまく色も形も繋がった。
接合部分の糊付けは専門家に託すしかないので、
今はただ上に乗せ、真上から写真に撮ることしかできない。
それでも、つなぎ合わせて、額縁に入れたところはたやすく想像でき、
今年1番の大きな作品が完成したことの感動がこみあげてくる。
版画はここから先、摺った作品に手を入れることは一切できないので、
こうして一瞬見た後は、半透明の紙に包んで、マップケースにしまってしまう。
来年半ば、展覧会が近づいた頃、真ん中を接ぎに出し、
額縁に入って戻ってくるまで、もう、見ることはない。
本摺りを終えると、私の場合は作品を前に感傷に浸ることはなく、
気持ちは「ハイ、次!」と切り替わってしまう。
来年6月初め、額縁屋さんから直接、展覧会場に搬入された『縁』を見る時には、
『縁』のモデルである長女夫婦にはベビーが誕生しているかもしれない。
次から次へとおめでた騒ぎが続くが、
母としてしみじみと感慨にふけって、
その気持ちを作品に落とし込むのが間に合わないほどだ。
ともあれ、11月中に2枚接ぎの作品『縁』の本摺りまで出来たこと。
これは想定以上の段取りの良さで、「自分にご褒美もの」に違いない。
来週火曜日、整体の予約はすでに入っているので、
U先生とおしゃべりしながら、ゆっくりしっかり体中の凝りをほぐしてもらうこと、
それがまずは最大の自分へのご褒美である。
楽しみ~♪