夏中かかって彫っていた2枚接ぎの新作の本摺りに夕べから取り組んでいる。
娘の結婚式の前後でストップしていた版画家業を一気に取り戻している恰好だ。
11月中に新作1点の試摺りと本摺り、
2枚接ぎの新作の試摺りまでを、自分に課していたのだが、
2枚接ぎの本摺りまでやり終えられれば、こんなに嬉しいことは無い。
年間7~8点の大小合わせた作品を生み出すことを自分へのノルマにしているが、
中でも2枚接ぎの大きな作品を創ることには莫大なエネルギーを必要とするので、
ここをどうクリアするかが毎年の悩みなのである。
2016年は作品テーマという意味では
長女が結婚するという大事件があったので、思う事柄には事欠かず、
『縁』という題名もすぐに浮かんだ。
しかし、結婚式の準備やらウェルカムコーナーの作成に加え、
案外、心理カウンセラー業も忙しくなってきて、
月10本ほどはそのために出掛けることがあって、
版画家業、とりわけ、摺り作業が後手に回っている感は否めない。
なので、先週、久々に新作の試摺り、本摺りを終え、勘を取り戻したばかりなのに、
引き続き、2枚接ぎの作品に取りかかるのは、体力的にもつかどうか
心配な面もあったが、気持ちの方が勝ってしまっている。
週末から試摺りを取りだし、例によってお天気とも相談しながら、
結局、22日の夜には2枚接ぎの内の下半分の本摺りに着手。
23日、『勤労感謝の日』の今日は、元気に版画が摺れることに感謝しつつ、
夕べから引き続いて摺り、5時間の睡眠時間を含むものの24時間がかりで、
5枚、摺り上げることが出来た。
いつもならここで、ビールでも飲んで「お疲れ~!」といいたいところだが、
部屋中に作品が水張りされているにも関わらず、
これで、まだ、作品の下半分が出来上がったにすぎない。
明日か、あさってか、その次か、
まだ決定していないが、
下半分と繋がるように、上半分も引き続き摺らなければならない。
そのために絵の具は上下すべてを摺りおおせるだけの分量を作ってある。
濃度も均一に保たないと、上下で色が微妙に変わってしまうので、
体力の回復を観ながら、即、上半分に取りかかる必要がある。
そんな私にとっての関ヶ原の戦いみたいな日だというのに、
この間の真夜中の電話に引き続いて、
昨日は10回ぐらい同じ人から迷惑メールが送られて来た。
「東山さんからメールアドレス聞いたんだけど、俺に話があるんだって?」
てな、調子で1本目が始まった。
名前は『潤』
ニックネームは『まっつん』とある。
「振り付けを考えてくれ」みたいな、わけのわからない内容が3本ぐらい続いたので、
「あなたに心当たりがありません。人違いじゃありませんか」と返してみた。
すると勢いづいて、
「アッ、ごめんなさい。人違いでした」
「でも、せっかくのご縁だから、お友達になってもらえませんか?」
「俺は潤とだけ、名乗らせてください。グループやピンでテレビとかにちょくちょく
でているんだけど、一般の人と知り合うことがないので、嬉しくて・・・」
などと10本ぐらい、しつこく送り続けてくる。
とまあ、これまたいたずら電話ならぬ、いたずらメールである。
どうやら松潤の成りすましという形か・・・。
もちろん、途中からは無視するのが一番だと思い、
放っておいたら、夜には送ってこなくなった。
こっちは『縁』というタイトルの大作と戦っているんだ。
「お前とのご縁なんかに関わり合っているいとまは1ミリもないわ!」と
心の中で毒づきながら、
最近、急に多くなってきた怪しい男の影に、
ネット社会の恐さを感じた。
明日は11月としては54年ぶりの雪が東京や横浜にも降るという。
湿度命の本摺り作業、
早く休んで、エネルギーを満タンにして、明日も頑張るぞ!
イエーイ!!
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