2017年9月7日木曜日

お茶の世界は秋本番

 

 
8月の下旬から9月の初めにかけ、「文学と版画展」があったため、
1週間に4回も銀座に通ったせいか、
最近、急に心理カウンセリングのご要望を受けるようになって、
9月1日から6日までに5回もカウンセリングのクライアントさんと会ったせいか、
はたまた、
非常勤講師をしている学校のテストの答案用紙が送られて来て、
採点のために3日間、缶詰めになっていたせいか、
とにかく、ここ数日、疲れが溜まっていると感じていた。
 
そんな体にむち打って、
9月最初のお茶のお稽古に北鎌倉まで出掛けた。
 
今月のお点前はどんなお棚かしらと、お茶室に入ると、
床の間には籠の花器に秋のお花が生けられていた。
 
籠の花器はサザエ籠。
お花はすすき、角虎の尾、ほととぎす、金水引、ともうひとつ。
 
先生に教えていただいたが、名前を覚えきることが出来なかった。
 
筆跡が豪快なお軸は「明歴々露堂々」
 
禅語で、すべての存在が明らかに、すべての物事が現れているさまで、
そのままの姿のすべてが真理の表れであるという意味だそうな。
 
分かったような分からないような・・・。
 
しかし、とにかく、毎日、仕事と雑事に追いまくられていた私にとって、
先生が9月に入ったからとしつらえてくださったお茶室の空気が、
「何を毎日、バタバタと過ごしているの。季節は早、秋に移ろっているのよ。
しばし、心を落ち着けて、まあ、一服召し上がれ」といっているようだった。
 
鞄にお茶のお稽古用信玄袋と、カウンセリング用ファイルなどを
ぎゅうぎゅうに埋め込み、
うっかり白いソックス(足袋の代わり)を持ってくるのを忘れた私だというのに、
「たまには後炭をやってみましょう」と、
なじみのないお点前をお稽古させてくださった。
 
日常から離れ、茶室という異空間に身を置いて、
朝から晩まで段取り段取りで動いていた最近の私の胃に、
同胞が点てたお濃茶の甘みと渋みが静かに染み渡る。
 
忙しさを日々の充実と思っていたけど、
「明歴々露堂々」的にはどうよ?
 
しばし疲れた頭を冷やして、じっくり意味を考えたが、
やはり、よく分からない。
 
言えるのは、お抹茶でもいただいて、
心と体を少し休めようと思う今日この頃だということだ。

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