8月の下旬から9月の初めにかけ、「文学と版画展」があったため、
1週間に4回も銀座に通ったせいか、
最近、急に心理カウンセリングのご要望を受けるようになって、
9月1日から6日までに5回もカウンセリングのクライアントさんと会ったせいか、
はたまた、
非常勤講師をしている学校のテストの答案用紙が送られて来て、
採点のために3日間、缶詰めになっていたせいか、
とにかく、ここ数日、疲れが溜まっていると感じていた。
そんな体にむち打って、
9月最初のお茶のお稽古に北鎌倉まで出掛けた。
今月のお点前はどんなお棚かしらと、お茶室に入ると、
床の間には籠の花器に秋のお花が生けられていた。
籠の花器はサザエ籠。
お花はすすき、角虎の尾、ほととぎす、金水引、ともうひとつ。
先生に教えていただいたが、名前を覚えきることが出来なかった。
筆跡が豪快なお軸は「明歴々露堂々」
禅語で、すべての存在が明らかに、すべての物事が現れているさまで、
そのままの姿のすべてが真理の表れであるという意味だそうな。
分かったような分からないような・・・。
しかし、とにかく、毎日、仕事と雑事に追いまくられていた私にとって、
先生が9月に入ったからとしつらえてくださったお茶室の空気が、
「何を毎日、バタバタと過ごしているの。季節は早、秋に移ろっているのよ。
しばし、心を落ち着けて、まあ、一服召し上がれ」といっているようだった。
鞄にお茶のお稽古用信玄袋と、カウンセリング用ファイルなどを
ぎゅうぎゅうに埋め込み、
うっかり白いソックス(足袋の代わり)を持ってくるのを忘れた私だというのに、
「たまには後炭をやってみましょう」と、
なじみのないお点前をお稽古させてくださった。
日常から離れ、茶室という異空間に身を置いて、
朝から晩まで段取り段取りで動いていた最近の私の胃に、
同胞が点てたお濃茶の甘みと渋みが静かに染み渡る。
忙しさを日々の充実と思っていたけど、
「明歴々露堂々」的にはどうよ?
しばし疲れた頭を冷やして、じっくり意味を考えたが、
やはり、よく分からない。
言えるのは、お抹茶でもいただいて、
心と体を少し休めようと思う今日この頃だということだ。
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