年が明けてから、
大きな作品2点の試し摺りと本摺りに神経をすり減らしてしまったので、
その摺りが終わった時点で抜け殻のようになってしまった。
6月のグループ展までにあと2点と思っていて、
しかも4月は例年のヨーロッパ旅行が控えているので、
制作できないことを考えると、
3月に何もしないわけにはいかない。
と、頭で分かっていても、
なかなか重い腰が上がらず、
なぜか新患の心理カウンセリングが数件あり、
また、今まで1ヶ月に1度だったクライアントさんが重たい事情を抱えて、
週に1度通うことになったりで、
思わぬ繁盛ぶり。
悩める乙女達と四つに組んでいるとますます版画から遠ざかる。
それでも何とか原画を起こし、
トレペに写し、版木に転写し、
今日からようやく彫りの作業に入った。
気温がぐんぐん上昇し、朝から15度近くになり、
昼前には20度を突破し、
初夏のような汗ばむ陽気になってきた。
新しい研ぎたての版木刀を手に取り、
彫り出すやいなや、
3日前に友達になったばかりのアメリカ人の友人から、
何千マイルも離れた異国の地から、
やんややんやとLINEメールが送られてくる。
以前にもFacebookで友達承認した友達の友達的なアメリカ人から、
矢継ぎ早のメール攻撃を受けたことがあるが、
また、同じパターンか?
最近のネットはこちらが日本語で書いても、
たちどころに英語に翻訳されて伝わるらしく、
相手の書いた英語の文章もやや変な日本語に変換されて、
すぐ読める状態で届く。
本当は相手は全く日本語が出来ないし、
私はおぼつかない英語しか出来ないのに、
ネット上では会話出来てしまうから恐ろしい。
でもって、日本人ならそんなにいきなり親しげにあれこれ言ってこないだろうに、
アメリカ人は旧知の友人のように話しかけてきて、
質問攻めにする。
しかも、顔写真を見ただけなのに、
美辞麗句を並べ立て、
歯の根が浮くような言葉で褒め称え、
ちょっとレスポンスが遅れるとむくれる。
アメリカ人はみんなそんなにせっかちなのか、
よく知らない人とつながってしまって大丈夫か、
何かよからぬことに巻き込まれないだろうかなど、
頭にいろいろなことが去来し、
カウンセリングとは別物の疲れに襲われ、
版画に集中できない。
それでも、何とか数時間かけて1版彫り上げ、
本日のミッションクリア。
難しい彫りのパートじゃなかったから、
何とかなった。
4月中旬、旅立ちの日までに小品2点分の彫りを完成させることが目標だ。
それまでに悩める乙女軍団にもそれぞれ春が来ますように。
昨日、東京・横浜でも、桜の開花宣言も出され、
いよいよ平成最後の春爛漫が始まる。
やっぱり、春はなぜか心が浮き立つ。
明日は寒の戻りで激寒らしい。
このうららかさをしっかり味わおう。