「春に3日の晴れ無し」
というわけで、今日はひな祭りだというのに、
冷たい雨が降っている。
しかも、私は何年かぶりに風邪をひき、
数日前からえぐい状態に・・・。
それでも、この映画は絶対面白いと狙いを定め、
公開日の3月1日を待っていた。
アメリカのアカデミー賞では、「ボヘンミアン・ラプソディ」を抑えて、
なんと作品賞を受賞した。
他にもマハーシャラ・アリが助演男優賞だった。
アカデミー賞の主演男優賞は「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックだったから、
今年はこの2作品が優劣つけがたいということだったのかもしれない。
もちろん個人的には「ボヘミアン・ラプソディ」最高!と思っているが、
別の視点で「グリーンブック」もとても良かった。
別の視点というのは、私が大好きな映画に
4~5年前の「最強のふたり」があるのだが、
それと「グリーンブック」はとてもよく似ている。
「最強のふたり」は下半身不随になった大金持ちの紳士のところに雇われた
黒人のドライバー兼雑用係が
徐々に心を通じ合わせ、人生の諦めていた挑戦に次々挑むお話。
人種差別ではないけど、障害者という社会にハンディを負った状態を
ふたりで乗り越えていく。
「グリーンブック」は人種差別甚だしい時代のアメリカで、
黒人ピアニストとして活躍するDr。シャーリーが
運転手兼用心棒として雇った粗野でがさつなイタリア人トニーと
いろいろな差別や迫害に彼ららしく立ち向かい、
最後はお互いに心を開いていくというお話。
日本にいてはあからさまな人種差別や偏見はないと思われているけど、
人種の別ではなくても、
国別であったり、居住地による差別や偏見はあると思う。
本当に40~50年前のアメリカ南部がそうだったのか、
事実とは違うという映画評もあるようだが、
そうした脚色なのか事実なのかを置いといても、
人の心に根付いている人種差別や偏見について、
考えさせるところは大きいし、
物語として秀逸である。
だから、作品賞受賞ということなんだろう。
ピアニストのDr。シャーリーを演じたマハーシャラ・アリのピアノ演奏は
彼の生真面目さと高潔な精神を表現しているし、
十分、日本人の私の黒人のイメージをくつがえして
本当に素晴らしかった。
十分、主演に匹敵する役どころでの
助演男優賞は「当たり前でしょ」という感じ。
主演のトニーは、イタリア人移民の粗野で粗暴でおしゃべりなところ、
そして、家族愛にあふれているところなど、
アメリカ人が感じているイタリア人のステレオタイプなんだと思うけど、
私が感じているイタリア人像とも重なっている。
「最強のふたり」も「グリーンブック」も実話に基づいて作られており、
映画のエンドロールには
実在のふたりの写真がでてくる。
自分とは全くかけ離れた氏素性をもっているふたりが出逢い、
化学反応を起こすと、
それは愉快で、心に届く温かい物語が生まれるという作品だった。
本年度、オススメの1本です!
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