毎年この時期、といっても2年目だが、
ゴールデンウィークの手前で
松山のみかん農家さんから送られて来た「弓削瓢柑」の
ショコラ・オランジェ作りをすることにした。
マーマレードと一部オランジェットは
次女とゴールデンウィークに作り終えたが、
その後もキッチンの隅には段ボール箱の中に
10個の弓削瓢柑があり、
「いつ作ってくれるの?」と言わんばかりに転がっていた。
とにかく砂糖をたくさん使う上に
作るのがとてもめんどくさいので、
1日延ばしにしており、
作ったものを消費するタイミングも計っていた。
自分だけで消費していたのでは大変な糖分摂取になってしまうので、
一番いいのは6月の「紫陽花展」の時の
お客様のお茶請けやオープニングパーティの持ち寄り料理の一品として
持っていくのが絶好のチャンス。
そう考えて、
カレンダーと相談の結果、
昨日・今日で作るのがいいということになった。
今回は次女はいないので、
ひとりで競馬を観、大相撲の千秋楽を観、
トランプさん達を観ながらのオランジェ作りとなった。
昨日も今日も外は30度越えの暑さなので、
砂糖を大量に作って、大鍋で何時間も煮るという作業は
なかなかに辛いものがあったが、
今年初めてのクーラーをつけての台所仕事になった。
最後はチョコレートをからめて仕上げるという行程があるので、
チョコレートが溶けない温度ということになると、
クーラーは必須アイテムである。
こちらも安倍首相とトランプ大統領の日米共同会見のニュースを横目に、
湯煎した熱いチョコレートに甘く煮た弓削瓢柑をくぐらせ、
無事、大量のショコラ・オランジェが出来上がった。
次女と作った時は煮上がった弓削瓢柑の皮が
いつまでもベタベタ・グニャグニャして
市販のものとは違う出来あがりになって苦労した。
しかし、今回は飴の煮詰め方をしっかりして、
ゴールデンウィークに作った時の問題点を解決できたので、
なかなかの及第点が取れたのではと自画自賛している。
更に先週の土曜日には
今年の紫陽花展に出品する作品を引っ張り出してきて、
額縁をどうするか検討し、
結果、新しく3本の額を注文することにしたので、
これで作品発表のメドとおもてなしのメドが建った形だ。
何しろ10月に消費税が10%に上がってからではまずいので、
結局、作らなければならないなら、今のうちという考えのもと、
額縁屋に行ってきたというわけだ。
今は、来年4月の個展に向け、
徐々に煮詰めていく段階なのだが、
そんな折り、
今朝、中高の時の友人が先週末に亡くなったという一斉メールが
学年の幹事さんから届いた。
親友というほどではないが、
当時、かなり親しくしていた友人のひとりだったので、
かなりのショックを受けた。
5夜連続で観ていた白い巨塔の財前五郎も
夕べ、若くして亡くなってしまったし・・・。
一緒にしてははなはだ失礼なのは承知の上だが、
砂糖の甘い香りに包まれて過ごした週末の最後に、
苦い薬を飲んだような気分になった。
驚くような大量の砂糖で煮詰めるお菓子、
コーヒーによく合うショコラ・オランジェは、
幸せが凝縮したような味わいだ。
本当はこんなに大量に作って、大量に消費するものじゃない。
そっと1枚、もしくは1~2本、
こっそり味わうものだ。
人の死は案外、突然に訪れ、
そして周囲のものに予想外の展開をもたらす。
なんだかとりとめもないが、
極端に違う味わいの出来事が、
私の心をざわつかせた昨日・今日であった。