次女とふたりで、大井町にあるキャッツシアターに
ミュージカル『CATS』を観に行って来た。
横浜の野っ原にキャッツシアターがあったときには
なぜか行こうという話にならず、
大井町に場所を移してから、
「やっぱり観ておかねば」という気になった。
キャッツシアターはその名のとおり、
『CATS』しか上演しない専門の劇場なので、
小屋の外観からして、猫の目がぎろりとお出迎えしてくれ、
入口へのアプローチの段階から、気分を盛り上げてくれている。
なので、一歩中に入れば、そこはもう猫たちの住み処であり、
私達も自然に猫の街の住人になっていく。
本当は写真撮影禁止だったらしいが、
先ず、中に入った瞬間に撮った1枚だけは許してもらえた。
それが上段最後の写真だ。
中は舞台といわず、通路和脇といわず、
そこら中がゴミ集積場だ。
人間のサイズが猫のサイズなので、
そこに捨ててあるタイヤやトースター、空き瓶、やかん等々、
すべてが現物の5~8倍ぐらいの大きさなので、
逆に自分が小さくなったような不思議な感覚になる。
24匹の猫には名前とキャラクターがはっきりあって、
満員の会場を埋めているお客さんにはリピーターが多い様子で、
たぶん押しメンがそれぞれにいるに違いない。
同じ役をダブルやトリプルで演じる役者さん達がいるので、
当然、誰の時のラム・タム・タガー、
誰の時のグリザベラのようなチケットの取り方をしてると思われる。
しかし、私達は『CATS』初心者なので、
ミュージカルの筋書きも知らないし、
猫たちの名前やキャラクターも分かっていないので、
先ずは、本当に猫が憑依していまったかのように、
しなやかに軽やかに歩き、動き、踊るその姿にビックリ。
さすが劇団四季、
さすが「CATS」祝35周年と
そのゆるぎない人気と実力に度肝を抜かれてしまった。
物語としては
年に一度の祭りの日に、天上に昇り、新しい人生を生きることが
許されるたった1匹のジェリクルキャッツ。
今年は誰が選ばれるのか。
ただ、それだけのシンプルな物語だ。
全編、メンバー紹介のような感じで、
24匹のそれぞれの個性あふれる唄とダンスが繰り広げられる。
時に1匹で朗々と、
時にペアで楽しく、
時に1匹の伊達男にメス達が黄色い声で群がって・・・。
そうこうする内に
「私、あの子が気になるわ」とか、
「断然、あの子がかっこいい」などとファンになっていく。
次女と私の間では
「伊達男、女たらしのラム・タム・タガー」は誰かということが
1番気になったので、帰り道調べたところ、
上川一哉君だということが分かり、顔写真も出てきた。
意外や腰クネクネのセクシー男がベビーフェイスだということが分かった。
他には、やっぱり、元娼婦猫のグリザベラは
圧倒的歌唱力で例の「メモリー」を歌わなければならないので、
誰かということになり、
調べたけど顔写真が出てこず、
金原美喜さんという名前で、
他にもライオンキングの大役をやっていることが分かり、納得。
ビジュアルとしてはとにかく手足が長くて、顔の小さい、
タントミールという短毛の茶色い毛色の猫がいて、
そのしなやかさと体の柔らかさは
もはや猫そのもの。
その人は顔写真付きで杉野早季さんだということが分かり、
手足だけでなく首も長いこと、顔も美しいことが判明した。
こんな風に観た後、ジタバタするのはどうよと思うが、
娘とあ~だこ~だ言いながら調べ物をするのも
楽しい時間だ。
調べれば調べるほどいろいろ出てくる。
世はネット社会。
そのセクシーな踊りと歌声で、雌猫たちを虜にする雄猫
ラム・タム・タガーだけ取っても、
5~6人もの役者さんが演じていて、
ひとりずつ特徴が書いてあり、
中には「時にそのセクシーな動きがR指定すれすれ」とか
「やたら響く上にどこかいっちゃっているくらい飛んだ歌。
気を抜くとたれ流れてくる色気」なんて書かれると、
「じゃあ次は誰のラム・タム・タガーで観ようかな」という気になってくる。
きっと押しメンを決めて何回も通ったり、
グッズを買って身につけたり、集めたりと、
『CATS』に大枚つぎ込んでいるお客さんはたくさんいるんだろうなと
肌で感じつつ、
初『CATS』を堪能した一夜だった。
私がリピーターになるかどうかは未知数だが、
それにしても日本にもこんなにしなやかにダイナミックに
踊り、歌えるエンターテイナーが大勢いると知って、
何だかワクワクする。
「Show must going」
そう言って亡くなったジャニーさんではないが、
『CATS』は
「ショーほど素敵な商売はない」と感じさせてくれた舞台だった。
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