2020年7月11日土曜日

KIMONO展と韻松亭








上野の東京国立博物館(通称・東博)で行われた
「KIMONO」展に行ってきた。

4月中旬から開催予定だったものが、
コロナで延期になっており、
6月30日から、ネット予約のみの受付で、
厳戒態勢の中、ようやく開催にこぎつけた形だ。

今までなら、東博で行われた日本画展など、
有名どころの展覧会は長蛇の列、
1時間待ちなど当たり前という状態だった。

しかし、その主たるお客様の高齢女性にとって、
ネット予約はハードルが高かったらしく、
会場は40~50代の女性が中心だ。
しかも、人数制限をしているせいで、
程よい人数しかおらず、とても観やすかった。

私の友人も自分ではネット予約はできなかったからと、
誘いに喜んでのってくれ、
朝10時の回に申し込んで会場入りした。

KIMONO展の概要は
鎌倉時代から現代にかけてのKIMONOの変遷を
実物の着物を展示することで見せている。

時代ごとの柄いきの特徴や
その時代の流行などがよくわかり、
時代の空気を表すツールとして、
とても興味深く、面白かった。

また、天皇に嫁いだ徳川秀忠の娘・和子のきものは
贅を尽くし、趣向をこらし、
大胆かつユニークな柄いきで、
いかにも金に糸目をつけず、当時の職人技を結集したといえる
作品で印象的だった。

昔は今のような帯結びではなく、
細めの帯を巻いただけのしどけない着方だったので、
逆にきものは後ろから見て一服の絵になるよう
図案ができており、
その大胆な構図と図柄の個性に驚かされる。

会場内の撮影がまったくできないので、
お見せできないのが残念だが、
現代の無地場の多いきものに比べ、
びっくりぽんな図柄ばかりだった。

また、会場には着物姿の人も多く、
真夏のこの時期の着物を自分で着てこられる着物好きが
参集していて、ひそかに競い合っている様が見てとれ、
自分は雨を気にして洋服にしてしまったが、
目を楽しませてもらった。

最後にミュージアムショップで
天然石を用いた根付をみつけ、
着物の帯にワンポイントでつけるために購入した。

どうやら縁起物らしく、
私が選んだものは
「如意」金運・財運が向上し、すべてが
順調に思い通りになる。
とある。

まあ、一種のお守りだと思うので、
大切に身に着けよう。

KIMONO展の後は、
上野といえば「韻松亭」なのではと思い、
こちらも事前予約をした。

桜並木のメインストリート沿い、上野精養軒の手前にあり、
相当古い日本料理のお店だ。

自分が上野のお山に通っていた当時は
料理の種類からいっても若者向けではなかったので、
一度も行ったことがなかったが、
ここ10年ほどで、いいなと思えるようになったお店だ。

借景に桜の古木を臨み、
今の時期の緑の世界を愛でながら、
籠に詰められた数々の日本料理が、
目にも舌にも楽しいコースだった。

ここの一押しは
朝からそれ専用に練る職人さんがいると聞く
ゴマ豆腐で、
揚げだしになっていたり、竹筒に入っていたり、
茶碗蒸しに沈めてあったりして、
美味である。

最後の甘味も自家製の麩まんじゅうで、
こしの強いよもぎ麩にこしあんが入っていて、
とにかく美味しかったので、
ついお土産に5つ入りを買ってしまった。

お菓子屋さんで麩まんじゅうを作っているところはあるが、
ここは料理屋さんなので、
どこかのデパートやお店で買うことはできないので、
より価値があるように思う。

家に持ち帰り、
相変わらず、ひと口でポイッと食べてしまうダンナに
あきれつつ、
私は5つのうち3つをいただき、
余韻を楽しんだ。

こんな展覧会鑑賞や外食自体が
難しい世の中になってしまったのが悲しいが、
少しずつ回りだした経済活動の一端に参加して、
時折、心とおなかを潤したいと思う。



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