個展のことでわちゃわちゃしている内に
季節はどんどん進んで
すっかり初夏の空気になっている。
今年は3月の気温も例年より高くて、
桜が相当早く咲いてしまったが、
何も早く咲いているのは桜ばかりではない。
我が家の花たちも
一斉にほぼ1か月近く早くに咲きだして、
ジャスミンの花はすでに見る影もない。
昨日から、3度目の緊急事態宣言が
東京に出されたせいで、
神奈川県民の心も同様に沈んで、
ゴールデンウィークに娘も帰ってきそうにない。
先々週に個展が無事に終わったのは
もはや奇跡かというほど、
なんだか遠いことのように思えてきた。
個展の時にお嫁にいった子たちの
お届けも済んだし、
お礼状やお礼の品も出し終わったので、
今日は移ろう季節に
慌ててセーター類の洗濯をした。
朝起きて、
脱いではポイ、
着てはポイと積み上げてあった
脚立の上のセーターを両手いっぱいに持って、
階下の洗面台まで下りて行った。
セーター類は手洗いでしまい洗いをすることにしている。
ぬるま湯に溶いたアクロンの香り。
いかにもセーターを優しく洗うという感触。
季節の節目だなと感じるひとときだ。
1月、コロナに明け、
今だコロナの渦中の4月の終わり。
ヒタヒタとセーターを押し洗いしながら、
モヘアのセーターを着たあの日、
ヴィヴィッドな青のセーターはあの時、
ニットワンピで出かけた個展最終日など、
手に取るセーターごとに思い出がよみがえる。
幸い今のところ、
自分も含め知り合いにコロナ罹患者はいない。
けれど、どこかで不安はぬぐえないし、
大手を振って出かけられない鬱屈もある。
このセーター達を
ゴールデンウィークのどこかで衣替えし、
ジュラルミンのケースにしまうことになるけど、
ふたたびケースから出す頃に
コロナ事情はどう変わっているだろう。
1年前、
2020年4月初めの個展が1年延期になって、
今年の4月中旬になった時、
余裕で迎えられると思ったけど、
このありさまだ。
幸い、個展は緊急事態宣言下を免れ、
それどころか画廊さんが驚くほどの来客人数で
成功裡に終えることが出来た。
でもそこから10日ほどで
この不穏な感じはどうしたものだろう。
6月のグループ展をどうするか、
今はそんな心配が頭をもたげている。
すっかり初夏のキラキラした日差しが温かく、
降水確率0%だけど、
北風が強くて、ちょっと肌寒い。
干したセーターを飛ばされないよう
ピンチでしっかり止めておかなければ。
なんだか、今の私の気持ちのようだ。
「ゴールデンウィーク」
何をもって、
どんな風に過ごせば、
その名にふさわしくなるのか、
それぞれの気持ち次第なのかもしれない。