4月17日、個展が無事に終了した。
6日間、毎日銀座に出かけ、
大勢のお客様をお迎えした。
このコロナ禍に
入場者数約250名。
画廊の方も驚く多さだったようだ。
確かに手元にはかなりの数の
「コロナで諦めます」という
メールやハガキが届いていたし、
そぞろ歩きや画廊の顧客、
評論家や作家といった方が激減した中、
この数は大健闘だったのではないだろうか。
つまり、お越しいただいたのは
昔の友人、今の友人、
今、お世話になっている方、
ビジネスでつながりのある方など、
いずれも熱意をもって会いに来てくださった方々だ。
本当に感謝しかない。
2日目には画廊のインスタでライヴを行い、
15分ほど自分の作品のコンセプトや
今回作った写真アルバムの紹介の動画を撮った。
コロナで来られなかった友人が
偶然、画廊を検索して動画を見つけたと
興奮して長いメールをくれ、
他の友人にもお知らせしたといってきて
嬉しかった。
学生時代の友人数名が観にきて、
個展会場の写真を撮って
Facebookで
「応援している」と書いて拡散してくれたのも
今どきらしいなと思った。
また、自分の書いたFacebookの記事を見て
来てくださった方もいたし、
会ったこともない方が
Facebookの記事にコメントをくださったりして
世の中は変わったなと実感した。
それにしても、結局、なんだかんだで
一番ウケたのは、
フォトグラファーH氏によるプロフィール写真と
制作風景を1冊に収めたアルバムだった気がする。
初日に「こんなの載せんじゃないわよ」と
プロフィール写真について作家女史に怒られたけど、
それ以外は概ね好評で、
部屋の片隅に置いたはずが、
テーブルまで持ってきて
皆さん、楽しそうにご覧になっていた。
個人的には
たとえ青筋立っていても制作風景の写真は
撮ってもらってよかったと思うし、
玉三郎に似ていると何人かに言われ、
内心、すごく嬉しかった。
(自分でもそう思っていたが、
おこがましくて言うのははばかられた)
プロフィール写真の方も
メークや表情、コスチュームやポーズなど
皆さんに褒めていただき、
それがお世辞であったとしても、
研究の甲斐があったというものだ。
でもって、個展の成果、
売り上げとしては計10点。
小ぶりのものが多かったが、
このコロナ禍で購買意欲がそがれている今、
なかなか健闘したのではないかと思っている。
中でも一番驚いたのは、
毎年、一緒に海外旅行に行っていたKさんが
2日目、会場に来るなり、
「私、青い鳥のあの作品をいただくわ」と
縦1m×横1mもある「旅路」という作品を
買ってくれたこと。
その作品は今回の個展には出品しておらず、
前回の個展の時に出したものだが、
5年間、どうしても欲しいと温めていたという。
大きさが大きすぎて、
普通のおうちの壁にかかるようなサイズではないが
ダンナさんが
「そんなにその絵が欲しいならリビングを改装すればいい」
と言ってくれたとか。
涙が出るような素敵なお話だ。
最終日の最後には
今回の作品テーマになっていた世代交代のモデル
孫1号と孫2号も会場にやってきて、
おーママと共に作品の前で
記念写真を撮った。
3歳児が初めて書いてプレゼントしてくれた
「おおまま おめでとう」の文字と絵は
これまたお涙ちょうだいものだ。
いろいろなことが凝縮して一度に起こったような
濃い6日間が終わった。
15~16の時から知っている友人達が
マスクをしていては誰か分からないくらい
おばあさんになっていた。
時は流れ、
本当にみんな歳をとったなと思うけど、
誰もかれもが銀座まで足を運び、
私に会いに来てくれたのかと思うと
目頭が熱くなる。
版画を創り続けていたからこその
再会の機会。
古い友人、新しい友人、家族、
人とのつながり以上に大切なことはないと思えた
1週間がこうして終わった。
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