次女と映画を観に行った。
「竜とそばかすの姫」
すでに次女は1回、観に行っていたが、
「音楽と映像がいいから映画館で観た方がいいよ」と
いうので、もう1回つきあってくれることになった。
休みの日、
映画をテレビで観ればそれでいいという人もいるが、
私はいい映画は絶対、映画館で観る派だ。
もちろん今上映されている映画を
テレビで観るという選択肢はないのだが、
いずれビデオになったら借りて観るという人も多いが
それは違うと思っている。
特に音楽がいい時は
あの会場全体を包み込むように聞こえるサウンドは
その場にいなければ体験できないし、
映像が美しい場合も
大画面で観てこその迫力は
映画館でしか味わえない。
「竜とそばかすの姫」は
細田守氏が監督と脚本を手掛けた
日本のアニメだが、
ディズニーとも提携していて、
明らかな「美女と野獣」のオマージュ作品だ。
主人公の高校生「鈴」が
仮想空間で変身するAsは名前が「Belle」になるので、
名前が「ベル」という点でも
美女と野獣の主人公ベルと同じだ。
キャラクターデザインにも
ディズニーが関わっているとかで、
そうしてみるとBelleのぷくっとした唇や鼻の形、
衣装のテイストなどもディズニーチームの影響が
色濃くうかがえる。
お話は本当に近未来の世界を描いていて、
パソコンの中の「U」という仮想空間に
自分をスキャンして自分の分身Asを誕生させる。
そのAs(アズ)は
アバターのように自分でパーツを選ぶ余地はなく、
入力された元の自分のデータから
自動的に作り出されてしまう。
田舎に住むおとなしい娘・内藤鈴は
ある日、自分をスキャンし
仮想空間に分身のBelleが誕生する。
鈴は幼いころに事故で母親を失って以来、
心を閉ざしがちだった。
好きな歌も人前で歌うことはできず、
引っ込み思案な高校生だ。
しかし、
そんな鈴のAsである「Belle」は自分を開放し、
その歌声は世界中を魅了した。
莫大な数のフォロワーが彼女を追い求め、
彼女の歌を切望するようになる。
映画の中のその仮想空間の描写が
めくるめく美しさで、
そこに大きなくじらにのった歌姫Belleが
悠然と空に浮かぶように現れる。
私はこのシーンが一番好きだ。
真っ暗な映画館に
非現実の世界が浮かび上がり、
切なくも透明な歌声が響き、
会場中を包み込む。
物語の中盤、竜が登場するのだが、
「竜とそばかすの姫」は
まさに「美女と野獣」のオマージュだ。
物語の展開は書くのを差し控えるので、
実際に映画館で確かめていただきたい。
今やすぐそこまで迫っている仮想空間とAIの世界と、
現実の高知県の片田舎の風景、
東京の多摩川駅近くの高級住宅街など、
自分の知っている世界と知らない世界が交錯し、
幻惑される。
もちろんそれぞれのキャラクターには
声優や俳優たちが声を吹き込んでいるわけだし、
歌姫の歌もあまり知らないとはいえ
中村佳穂という日本人歌手が歌っている。
お話の筋も辻褄の合わないところや、
ちょっとうまくいきすぎなところもある。
しかし、それを外野がガヤガヤいうのは
映画の楽しみ方としていかがなものか。
私は純粋に日本のアニメの美しさに惚れ惚れし、
一時、その非現実の世界にハマって、
心地よい時を過ごすのが正解だと思う。
最近、Facebookでよく見るのは
母国に帰れなくなったロシア人のその理由とか、
日本に来て驚いたことベスト5みたいな
外人から見た日本の凄いところみたいな動画だ。
その中でよく見かけるのは
日本への興味の発端が
日本のアニメだったという人がとても多いということと、
来て驚いたのが、
日本の美しさ、日本食の美味しさ、
日本人の優しさを挙げる人が多いということだ。
そうした意味でも
この映画は日本のいいところがぎっしり詰まっていて、
日本の良さを誇れる作品だと思った。
今は感染予防のため席はひとつおきだし、
館内での飲食も控えめ、
映画館は換気もよく考えられた構造らしいので、
安全な場所で、
美しい映像と歌声に包まれひと時を過ごすのは
いい過ごし方だと思うので、
是非、おススメする。
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