驚くべき嬉しい器の注文が入った。
以前から、
私の作った器を購入いただいていたSさん。
11月中旬にご主人の七回忌があるので、
その返礼品として
5組の器が欲しいという。
5組は全部同じではなく、
小皿や小鉢なら5枚で1組、
中皿なら2枚、大皿や大鉢なら1枚みたいに
アイテムはバラバラでいいという。
本当なら9月中旬に
私の陶芸工房の展示会が催されるはずで、
お誘いしていたのだが、
コロナで延期になってしまったせいで、
最近、お目にかかるきっかけがなかった。
そんな折、
もうひとりの私の器のファンのFさんが、
お引越をしたのを機に
お披露目のお茶会をしてくださることになった。
(SさんとFさんは大の仲良し)
今までたくさんの器をお求めいただいたおふたりに
この機にお礼の品として
何か器をプレゼントしようと
思い立った。
その旨を伝えるFさんの電話口に
Sさんが出てきて
「展示会を見せてもらってからと思っていたけど、
売れ残りでもいいから、5組、
何かありませんか」という
お申し出があった。
展示会がなくなったと聞いて、
デパートで求めようかとも思ったけど、
まずは私に声をかけてみようと思ったという。
私は陶芸家でもないし、
趣味の延長にすぎない器造りなのだが、
やけにお気に召しているご様子。
その嬉しい注文に、
どんな器が手元にあるか探してみると、
5客組で出せる器が何種類かと、
結婚したてのお孫ちゃん夫婦2組に
よさそうな若向けの器、
もしくは1点物の大皿や大鉢なども
ゾロゾロ出てきた。
ここ2年間の新作もあれば、
それこそ売れ残りの旧作もあるが、
総勢50ピースほどの中から
選んでいただけるぐらいの器はあった。
こういう時、選びようのない5組を
押し付けるのはよくないので、
いろいろな器から選べるぐらいでないと
陶芸家とはいえまい。
(陶芸家とは思っていないのだが…)
長女に注文がきたことを言ったら
「え~、普通の器だけどね。
何がそんなに気に入ってるのかしらね」と
薄い反応が返ってきた。
確かに若向けの器でもないし、
意外と扱いをぞんざいにすると
土物の器だから欠けるし、
型物じゃないから
きれいに重ならなくて収納もめんどくさい。
手作りの温かみだけが取り柄の
オリジナルの器なのだが…。
Sさんの一族郎党にお配りして、
本当に大丈夫か、
ちょっと心配だが、
その熱いご要望にはお応えしたいものだ。
まずは今週、
プレゼントの器をお持ちして、
私の器がどんな感じか思い出してもらい、
「こんなんですけど、大丈夫?」と
反応を見てみようと思う。
個展の時以外、版画家稼業はさっぱりだけど、
陶芸家路線が妙に活気づいている
今日この頃である。
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