2021年11月3日水曜日

千客万来の文化祭

 














11月3日文化の日。
晴れの特異日の面目躍如といった感じの
ピカピカの晴れ。
むしろ汗ばむような陽気。

毎年、この日に
非常勤講師として教えている
パティシエや和菓子職人の専門学校の文化祭がある。

教えているのは2年生だけで、
科目は『就職対策講座』

期間は前期だけなので、
4月の終わりから9月の終わりまで。

その間に就職が決まる学生もいるが、
決まらない学生もいるというのが
毎年の状況だ。

今年はコロナ禍ということもあって
就職はそんなに簡単ではなかったが、
去年よりは内定率は上がったようで、
9月の最後の授業までに内定が採れた学生は
半数ぐらいはいたと思う。

それから丸1か月。
久しぶりに会う学生たちが
コックコートやスーツに身を包み、
それぞれの持ち場に立って、
文化祭を切り盛りしていた。

10時開始の10時少し前に校門の前で、
同じ非常勤仲間の友人Tさんと待ち合わせた。

行ってみると学校側も驚くような人数の人が
校門から何10メートル奥までの長蛇の列。

入館時にひとりずつ記帳をお願いした上に
エスカレーターは4人までと人数制限して、
階段で上ることは禁止(下りのみ)なので、
10時になったからといって
全く前に進まない。

列の途中で合流した別の非常勤の先生ふたりと
合計4人は一計を講じ、
いきなり1階のレストランで食事をすることにした。

時間はまだ11時前だったが、
これが大正解。

きっと7階から順番に見学したのち
レストランに入ろうと思っても
絶対入店出来なかっただろう。

私たちは全員、魚のコースを選んだが、
(白身魚とエビのムース、アメリケーヌソース)
写真のように美しい盛り付けの
ランチコースだった。

お味も大変美味で、
とにかくレストランに直行した作戦が
功を奏して、初めて文化祭でランチコースを
首尾よく頂くことが出来た。

この専門学校は
パティシエ・パン職人・和菓子職人を
育成する学校なので、
文化祭は日頃の成果をお披露目する場だ。

レストランもカフェも甘味処も
提供される料理やお菓子は
すべて学生が作ったものだから、
いつもは座学なので教室でしか接していない彼らが
どんなものを作っているのか、
是非とも食べてみたいというのが
講師の思いだ。

しかも、とびきり安い値段設定。
写真のランチは1000円だし、
食後の珈琲は100円とあったが、
先生ばかりのテーブルだったので、
結局、ご馳走になってしまったのは本日の得点。

食後は上の方の階から順番に降りていきながら、
それぞれの専門コースに課された課題作品を
見学。

作品の脇にはタイトルと作者名があり、
顔と名前が思い出せる子とそうでない子といる。

いい作品には
いろいろな賞が贈られ、
盾が飾られているものもある。

総じて「これは」と思う作品の作者は
名前を覚えている学生のことが多く、
就職対策講座のテストの成績もよかったのではと
記憶している。

作品をひとつひとつ見て回りながら、
授業であった会話のやり取りがよみがえり、
彼らがその後、
無事に内定を取れたか少し気がかりだ。

彼らの方で私を覚えてくれているケースもあり、
「先生、私、石垣島のANA、決まりました」と
嬉しい報告をしてくれたりもした。

腰掛のつもりの
なんちゃって就職対策講師だと思っていたが、
たぶん15年以上は教えているだろう。

こうして教えた学生が次世代の担い手として
来春には巣立っていくと思うと、
なかなか感慨深い。

さて、人ごみから帰宅。
早速、お抹茶でも点てて、
持ち帰った半生菓子をいただこうか。

4つ入って300円!
安!!

どの学生がこれを手びねりしたのか、
和菓子コースの学生の顔を思い出しながら、
一服するとしよう。















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