3か月に1度の釉がけの日がやってきた。
前回の釉薬は8月下旬にかけた。
その時は9月半ばの陶芸工房の展示会に向け、
最後の釉がけのつもりだったから、
気合の入りようもハンパなかった。
しかし、
その最後の釉がけから作品が出来上がったか、
まだかぐらいのタイミングで、
9月の展示会を中止にすることが決まった。
2年間かけて創り溜めた作品群、
最後の作品の出来もふまえて、
会場ではどんなレイアウトにしようかなどと
考えていたのに…。
そのがっかりした気持ちを立て直し、
ゆっくり再始動させ、創ったものが
今回の新しいシリーズの器たちだ。
まず、創ったのは
トロの赤が器に映えそうな
さしみやお寿司用の角皿。
韓国キンパもいけると思う。
釉薬は黒と白、
油滴天目という黒と失透という白。
同じ釉薬で小皿も2枚。
後の20点ほどの大小の器は
すべて半分が緑、半分が白で
和モダンを狙った作品群だ。
色は織部という緑と失透の白。
先に器の半分に織部をかけ、
次に全体に失透を全体にかけることで、
緑は白の下にかかることになるので、
ミントグリーンのような発色になる。
わざと半分半分にかけ分けることで、
ちょっと民芸の器のような感じを狙っている。
作りも板づくりからヘリを起こし
高台は無しで、
麻の布目を押し付け、肌に風合いを出しているので、
純然たる和の器というより、
『和モダン』という路線のつもりだ。
考えてみたら陶芸工房に通い出して約11年。
初心者の域はとうに越え、
いつのまにかファンもできて
相当数の器がよそ様のダイニングテーブルに
並ぶようになった。
すでに器に個性はできつつあると思うが、
新シリーズをシーズンごとに発表し、
スキルを安定させ受注生産にも耐えられることが
求められている。
いったん中止になった展示会は
来年の5月下旬にリセットされたので、
そこで発表したものは
自分のオリジナルのシリーズとして
認知されるようなものであってほしい。
趣味の陶芸なことは今も変わりないが、
お遊びの11年ではないことを証明したい、
そんな心境でいる2021年晩秋である。
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