今年初めて観る展覧会として
上野の国立科学博物館で行われている
「ミイラ展」に行ってきた。
年の始めから
何も人のご遺体を観に行かなくてもと思うが、
先週、この「ミイラ展」の特集番組を見て、
これは観に行かなければと思い立った。
実は次に行く海外旅行は
モロッコかエジプトがいいと考えていたが、
この調子ではいつ海外旅行に行けるか
全く見通しが立たない。
今回の「ミイラ6体」は
イギリスの大英博物館から来ている。
イギリス旅行の折に
大英博物館にも入ってはおり、
ミイラは何体か観たことは観たが、
あまりに大量に観たので、
案外、子細には覚えていないものだ。
そして、何より近年のCTスキャンと
3Dプリンターの技術革新のおかげで
すごく事細かなことまで
分かるようになり、
それが今回、ミイラや美しい棺と共に
映像として紹介されていると知り、
「観に行こう」と思い立ったというわけだ。
しかも、本日12日が東京展の最終日、
友人を半ば強引に誘って
とにかくチャンスは今日しかないと
駆けつけた。
ネット予約で人数制限をしているにも関わらず、
館内は人でごった返し、
全体には若い人が多く、
皆一様に、
スキャンで解明されたミイラの死因やら
生きていた当時の職業やらの説明を
食い入るように見学していた。
折しも今日は3日間限定の
パンダの
シャオシャオとレイレイの公開日。
きっと上野動物園は博物館よりもっと
熱い視線を注ぐファンであふれていたと思うが、
なんのなんのミイラファンも
大勢いることが分かった。
久しぶり(何十年ぶり)に入館した博物館の後は
「韻松亭」にて新年ランチ。
博物館も歴史ある建造物だが、
こちらも江戸時代からあるのかと思わせる
由緒正しき料亭だ。
私は韻松亭に敬意を表して着物を着た。
帯に正倉院柄の龍村の帯を締め、
自分なりに歴史を体現してみた。
会席料理は
安定のお味の胡麻豆腐や汲み上げ湯葉、
籠に入った色とりどりの煮物や焼き物を堪能。
お豆ごはんと赤だしのお椀も秀逸だった。
最後に麩饅頭と
シャンパンゼリーをお腹に収めて大満足。
紀元前500年とかに生きていた
エジプトの高貴な人がミイラになって、
西暦2022年の東京で
日本人の視線の集中砲火を浴びながら
静かに横たわっている。
死因の多くは動脈硬化と歯槽膿漏だとか。
そんなことまで分かるのかと驚愕しながら、
自分の動脈硬化も何とかしなければと思った。
時空を超えて、
同じ空間に存在するミイラと私達。
不思議な感覚にとらわれた初春の1日。
さて、どんな1年になりますやら。
まずはプラークの溜まらないような食事に
気をつけなければ。
0 件のコメント:
コメントを投稿