ゴールデンウィークのまっただ中ではあるが、
雨が降るというので急遽、昨日、版画の本摺りを決行した。
6月の紫陽花展というグループ展に向け、新作を3点創らなくてはならず
3月末の個展が終わってから、かなり猛烈に作業をして
この本摺りにこぎつけた。
いつもなら2月に入れば、この作業、(つまり、グループ展用の作品を創る)に
取りかかっているものを、2ヶ月間は個展準備に追われ手つかずになってしまった。
4月始め、温めていた木のリースを使った作品案2点分を原画に興し
更にトレッシングペーパーに写し、版木に転写し
1ヶ月間、黙々と彫りの作業を行ってきた。
4月中に2点分の彫りを仕上げることを自分に課し、
何とか間に合わせることができたゴールデンウィーク突入直前、
月末に低気圧が停滞して3日間ぐらいは雨になるという天気予報が出された。
それが行き過ぎるとあとは一気に気温が上昇し、毎日晴れが続くという・・・。
それを見て、私はいささか焦った。
ピーカンの晴れになってから摺りをするのと
今ここで頑張って雨の日に摺りをするのと、どちらがいいのか。
結局、四の五の言っている間に試し摺りを取り、
うまくいけば続けて本摺りをすればいいと判断し、早速、摺りの作業に取りかかった。
家人が休みでまったりしているとか、
ゴールデンウィーク後半には娘達も実家に戻ってくるとか
そういうことには目をつぶり、すべてに版画の摺りを優先することにしたのだ。
しかし、一日中雨が降っていた水曜日に試し摺りは出来たが、
3日間は続くと言われていた雨は次の日の朝には止んで
みるみる初夏の陽気になってしまい、
雨の湿気の中で本摺りをするというもくろみは見事にはずれてしまった。
それでも、昨日の木曜日、夜明け過ぎには起きだし、
雨が止んでからは日が差し込まないようにアトリエの窓のシャッターを下ろし
なんとか本摺りはつつがなく終了した。
折しも我が家のジャスミンは満開。
玄関アプローチに漂う香しい香りは、
何枝か手折って活けたリビングにもたちのぼっている。
4月の始めに小枝のリースにからめる形で原画に配したジャスミンは
牡丹色のつぼみのまま、作品になった。
タイトルも「ジャスミン」にするつもりだ。
作品のリースには
牡丹色のリボンとゴールドのリボンがかけられている。
人生の赤の時代が終わって、
実りのゴールドの時代へと変わったことを表したつもりだ。
実り多き後半生がジャスミンのように香り高いものでありますようにと
そんな祈りを込めて・・・。
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