毎日、寒い。
そのせいか鼻水が出るし、詰まっている。
たぶん、花粉症の鼻水と相まって出ていると思われるので、案外、重篤だ。
鼻が詰まっているので、寝ている時に脳に十分な酸素が送り込まれていないことが
自分でよく分かるから、
低酸素脳症とか、脳梗塞とかになった気分。
そんな体調の中、みなとみらいの小ホールに
「音楽革命 パブロ・シーグレル&藤原道山」というコンサートに行って来た。
いつもの石田様でも最近のお気に入り三浦一馬でもなく、
渋いメンバー。
パブロ・シーグレルはアルゼンチンタンゴ界の巨匠。
作曲家であり、ピアニスト。
作曲家であり、ピアニスト。
藤原道山は今、注目の若き尺八奏者。作曲もする。
そのふたりが「音楽革命」などと大層なタイトルをぶち上げて
どんな演奏をするのか、興味が湧いて、覗いてみることにしたのだ。
会場は藤原道山目当てなのか、いつものように70代前後の男女が多く、
あまりタンゴでノリノリという雰囲気ではない。
満席ではある。
プログラムは1部がお琴と尺八の現代曲から始まり、4曲続いた。
最後の「東風」になるまで、パブロは姿を現さないので、
こりゃいつかと同じ、有名どころを呼んで、ふたりジョイントさせといて、
実際は2曲ぐらいしか一緒には演奏しないというパターンかなと思った。
しかし、1部の最後の曲にパブロが登場してからは
2部、そして、アンコールまで
2部、そして、アンコールまで
私の予想を大きくくつがえして、素晴らしい演奏になった。
まさに音楽は世界共通の言語だとも言うべきセッションが繰り広げられ、
洋楽器であること、和楽器であることを、楽々飛び越え、一体になった。
ビジュアル的には中央にグランドピアノがあって、パブロが座り、
左半分には洋楽器のヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、パーカッション。
右半分には尺八、お琴、バンドネオン、鼓、太鼓などがくる。
演奏者は和楽器担当は紋付き袴なので、思いっきり和なのだが、
セッションが始まると、尺八はフルートのようであり、ピッコロのようでもある。
(藤原道山だけは1部は紋付き袴で、2部はソフト・スーツ姿)
(藤原道山だけは1部は紋付き袴で、2部はソフト・スーツ姿)
お琴はれっきとした弦楽器だということを証明してくれており、
そこに鼓の音や和太鼓、鈴なども違和感なく加わって、
黒門付きのお姉さんがノリノリで鼓を打っている。
コンサートは、説明も司会進行もなく、淡々と始まり、
徐々に会場全体も温まっていくと、
もの珍しげに集まった会場の初老の男女が段々ノってくるのが分かる。
最後はリベルタンゴのセッションで
パブロのピアノに誘われて、バンドネオン、尺八、チェロがひとりずつ演奏し、
アルゼンチンだの日本だのの国を飛び越え、
洋楽器も和楽器もなく、ジャズのセッションのようになっていった。
最近は出掛けるコンサートが、好きなアーティストや作曲家など、
決め打ちしすぎていた感があるが、
「もっと音楽は楽しいものだよ」とパブロの「リベル・タンゴ=自由なタンゴ」は
教えてくれた気がする。