9月下旬と10月初旬に何回か着物を着る予定がある。
着物の世界では、9月と10月では全く季節が違うという考え方で、
昔から決まりごとがある。
関東に住んでいると、その辺の認識はかなり甘く、
暑いものは暑いんだから、
気温やお天気に合わせてきればいいという風潮だ。
しかし、京都やお茶の世界では、9月と10月でははっきり線引きがあり、
9月は単衣の着物に秋物の帯や小物、
しかも、きちんとしたお茶席なら、9月は無地か訪問着の単衣に袋帯。
10月は袷の着物(合わせのきもの)に秋冬物の帯ということになる。
ちょうど9月最後のお茶のお稽古が、明日、26日。
9月30日には「天然忌」のお茶事。
翌10月1日には、版画展のオープニングパーティと、
微妙に決まりごとが関係する日程で、着物を着ることになっている。
そんなわけで、今日は外は雨だし、
時間も出来たので、
ゆっくりタンスからあれこれ出して、
着物のコーディネートを楽しむことにした。
まず、明日のお茶のお稽古。
雨の予報で、気温も低いらしいが、
ベージュ色の小紋の単衣に、格子柄の名古屋帯。
名古屋帯は着物ではカジュアルだが、
お稽古とお茶事の雰囲気を変えるために、
名古屋帯でしかも格子柄をチョイス。
小物に色味を効かせて、パキッとした印象に。
次に30日日曜日『天然忌』のお茶事。
鳩羽グレーの単衣の無地の着物に、水紋柄の袋帯。
この時期の袋帯はあまり重たくなっては着物とのバランスが取れないというので、
ややソフトな生地に水紋という爽やかな柄ゆきだ。
もちろん袋帯だから、二重太鼓に締める格上の装いになる。
その分、着る側も胸が苦しいし、重たいが、仕方ない。
さて、問題はその次の10月1日、展覧会のオープニングパーティ。
版17版画展の初日で、夕方から、画廊でギャラリートークが行われる。
お茶事ではないから、着物の約束事みたいなしばりはないが、
画家のおじさん達とお客様の前で、
版17にまつわる自分史のようなものを語るにあたって、
ふさわしい装いとは・・・。
先取りで、白地に乱菊の柄の塩瀬の帯をどうしても身につけたい。
初おろしの金銀線描き模様の菊の柄を生かす着物はどれ?
そう考えながらタンスを物色すること15分。
結局、小豆色にホタル絞りが飛んでいる小紋か、
渋いグリーンの濃淡の立てぼかしの小紋かに絞られた。
お天気や気温、その日の気分にもよるので、
しばし、温めて考えることにした。
着物のコーディネートを考えるのは大好きな時間だけど、
9月と10月の狭間はいろいろ約束事があって難しい。
でもって、台風の進路によっては、
まだまだ予断を許さないらしいから、
天気予報とも相談ということで。
進路によっては着物なんてとんでもない・・・ということになるかも。
女心と秋の空。
臨機応変な対応力と、お茶の決めごとに翻弄される
平成昔乙女なのでした。
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