2018年10月6日土曜日

石田イズム満載 『石田組』コンサート

 
 
 
夏のような陽気の三連休初日。
 
みなとみらい大ホールに『石田組』を聴きに行った。
 
石田組とはヴァイオリニスト石田泰尚氏をリーダーとする
13人の弦楽アンサンブルである。
 
構成はヴォイオリンが石田様を含め6名。
ヴィオラ3名、チェロ3名、コントラバス1名の総勢13名の弦楽器奏者ばかり。
 
どのメンバーもそれぞれソロで優秀な経歴を持ち、
各分野で活躍している面々だが、
ひとくちでいうと石田さんのお誘いで集まってきた石田信奉者ということになる。
 
最初は石田組は「硬派弦楽アンサンブル」と称しているように、
男ばかりの集団で、主にクラシック曲を演奏し、
弦楽器の魅力を発信しようとするグループだったと思う。
 
それが、いつのまにか、どんどん石田様のやりたい放題、
「弦楽器でこんな曲もこなせます」
「弦楽器にはこんな奏法もあります」
「編曲で弦楽器の魅力を最大限にお聴かせします」
みたいなグループになっていた。
 
まず、ビジュアルは大事ということで、
1回のコンサート中にお着替えが3回。
 
最初のドレスコードは、全員、黒いスーツに黒いシャツ、
細めのネクタイの色や柄は自由。
 
休憩を挟んで
後半最初のドレスコードは黒いズボンに白黒のボーダーTシャツ。
縞の幅が細い、中ぐらい、太い、極太まであって、
どういう風に決めたか、メンバー各自違う幅の縞々のTシャツだ。
 
さっきまで黒ずくめだったメンバーが大きなボーダーシャツを着て、
舞台に登場したときは、
そのあまりに奇抜な衣装に会場中、失笑の渦。
 
特に組長石田様はダボダボの白黒太縞シャツだったので、
どうみても監修された犯人という印象だ。
 
でもって、演奏した曲が、前半はクラシックだったのに、
急にディープ・パープルだ、キング・クリムゾンだのと、
クラシックから離れたものだから、
その幅の広さ、編曲の素晴らしさ、演奏の秀逸さにビックリ。
 
しかも、ディープ・パープルの「スピード・キング」の後に
一度、全員舞台袖に引っ込んだかと思ったら、
次は胸に大きく金色の文字で「石田組」とプリントした黒いTシャツを着て、
再登場。
 
もはや、観客は石田様とその子分達の遊び心にウキウキ、ワクワク。
大喜びだ。
 
更に最後にはどこで買ったか仕立てたか、
そんな派手なブラウス見たことないというような柄物のロングブラウスを
石田様だけが羽織って、再々登場し、
観客の大喜びもピークに。
 
もちろん、ビジュアルだけでなく、演奏内容も多岐にわたり、 
ピチカート奏法だけの曲、
もしくは、ピチカートだけの演奏に編曲されたのかもしれない曲や、
「津軽海峡冬景色」弦楽器バージョンなど、
男どもが背中を丸めてぴちぴちピチカートをする様や、
演歌をどうどうクラシック調で奏であげる様を、
私達は驚きをもって堪能した。
 
みなとみらい大ホールを埋め尽くした観客を大いに沸かせ、
弦楽器の魅力に酔わせ、
コンサートは幕を閉じた。
 
つい先日も関内のライブハウスで、目の前で観たばかりの石田様が、
今日は遠くにいて、ひときわ大きく輝いて見えた。
 
組頭・石田泰尚、ここにあり。
 
ヴァイオリン1本で組を仕切る男。
 
その細身の体と強面の顔で何をやらかすのか、
今後も目が離せない魅力的な人である。

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