私のもうひとつの顔に、
パティシエ養成学校の非常勤講師がある。
そこの学校で秋の文化祭があり、
招待状を受け取ったので、
『ラッピング』を教えているT先生と誘い合わせて、
見に行くことにした。
通常は私の担当は『就職対策講座』なので、
パティシエとして、パン職人として、
また、和菓子職人としての学生達の
実力は全く知ることができない。
文化祭では彼らの作品のコンペティションもあるし、
彼らの手になる製品の販売もある。
待ち合わせの時間よりT先生は早く着いて、
「5階のパン売場に並んでいます」とメールが来たので、
とりあえず5階に向かった。
エレベーターを降りると、すぐそこまで人が溢れ、
4列に並んで人垣が出来ていた。
その中にT先生を見つけ、
ちょっと横入り。
まずは学生達の販売員ぶりを楽しみながら、
パンの説明を聞いた。
1組が買える個数には制限がかかっていたので、
T先生と相談して、重ならないようパンの種類を選び、
夜のシチューに合わせてバゲット、
他にいくつか白玉入りあんパンやティーブレッドなどを
買い求めた。
他にも和菓子職人を目指す学生のブースで、
練り切りとティラミス風味のおまんじゅうなど、
持ち帰り用のパックをふたつ買い、
お昼はそこで栗おこわとけんちん汁のセットをいただいた。
いつもはコックコートを着て
机に向かっている学生しか見たことがなかったので、
販売員姿だったり、
スーツ姿で案内やビラ配りしている様は新鮮で、
もう半年もすれば彼らも社会人になるんだと
感慨深いものがあった。
4階3階とパティシエの卵達の
マジパンの作品やチョコレートの作品には、
金賞・銀賞・校長賞など、
いい作品には賞が与えられ、
作品の脇に立て札が立っている。
「就職対策講座」の講義中に
印象に残った学生の名前を
作品のプレートに見つけると、
「あ~、やっぱり優秀だなと思った学生は
作品の評価も高いのね」と納得する。
前期で早々と就職先が決まった学生は、
作品の出来もいい。
和菓子職人希望の学生の中で、
とても優秀と噂の学生の作品は、
噂に違わず「校長賞」や「横浜市長賞」など
いくつもの賞を手にしていた。
T先生と
「仕事が丁寧な作品がやっぱりきちんとしていて、
商品としても通用するし、作品としてもいいわね」と
感想が一致した。
まだまだ、創ることに精一杯の彼らが、
社会人になって、
自分の創ったものを商品として売る。
求めたお客様が、その商品を美味しいと感じ、
笑顔になり、
もう一度食べたいとリピートする。
それが彼らの目標だと思うが、
この文化祭の作品から、
ひとりでも多くの学生が初心をかなえて
一人前の職人になってくれるよう、
心から願っている。
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