2020年4月30日木曜日

免疫力アップを目指して







一日中、家にいると、
いきおいテレビを見る時間と、SNSを見る時間が長くなる。

情報番組の多くはもちろんコロナウィルスの話題だ。

感染者数や非常事態宣言の解除の時期、
学校の九月始業説あたりがここ1~2日のトピックスだ。

個人的には学校は9月始まりの方がいいという意見だが、
さて、この後、どうなりますやら。
リーダーシップに著しく欠ける安部首相に決断できるか否か。
手腕が問われている。

一方、この事態をおうちでどう乗り切るかというテーマも多く、
食事関連では、
「ウィルスに負けない免疫力をつけよう」だとか、
「免疫力のつく食材とレシピ」のように、
免疫力ウンヌンを謳った料理番組が目立つ。

料理好きの私としては興味をそそられるが、
あまりにたくさんの情報を得ると、
整理がつかなくなり、
あれもこれもといいと言われるものをすべて採ると
確実に太るだろうということも容易にわかる。

結局、上質なたんぱく質を採り、
数種類の野菜を彩りよく採り入れ、良質な油を少量使う、
発酵食品を必ず入れるなど、
いつも心掛けているバランスのよい食事が、
理にかなっているのではという思いに至った。

ちなみに昨夜の献立は
「ロースとんかつとキャベツ添え」
「キムチとわかめのサラダ」
「ニラ玉」
「スティック・サモサ」
それに、赤ワイン。

「ロースのとんかつ」は、脂分を切り落とし、衣をつけ、
吸油率が低いとされる米油で揚げている。
食べる時もからししかつけない。

付け合わせのキャベツときゅうりは
きゅうりのスライスに軽く塩をして、
後は全体にレモンがたっぷりかかっているので、
ソースは使わない。

「キムチとわかめのサラダ」は
サニーレタス、キュウリ、さらし玉ねぎ、ミニトマトの上に、
わかめとキムチが載っている。

キムチが免疫力を上げる発酵食品の代表格で、
しかも、水溶性食物繊維のわかめとの組み合わせが最強という
テレビからの情報に則って採用。

キムチと野菜という組み合わせもいいということなので、
いいとこどりの全部乗せということだ。

しかも、キムチとわかめや野菜を一緒にいただくことで
ドレッシングに使う油と塩分を制限できる。

「ニラ玉」はいかにも体にいいニラ、
そして、上質なたんぱく質の卵の組み合わせ。
栄養学的にはどうなのか説明できないが、
体にいい食べ物という気がしている。

「スティック・サモサ」は
春巻きの皮の賞味期限が迫っていたので作ったものだが、
中身はひき肉と人参・玉ねぎ・ピーマンをみじん切りし、
炒めてカレー味にしたもの。

その具を皮を縦半分に切った中に鉛筆状に入れ、
小麦粉を溶いたのりで止め、揚げてある。
端がカリカリで美味しい。

免疫力ウンヌンには貢献していないかもしれないが、
スパイスを効かせ、人参・玉ねぎ・ピーマンと
体にいい血液サラサラ食材が入っているので、
揚げ物ではあるが、良しとしよう(自分に甘い)

そして、昨夜はご飯やパンは採らず、
赤ワインでポリフェノール摂取。
血管拡張効果が期待できる。

というか、この料理に赤ワインが飲みたかっただけだが…。

こんな感じであまり深くは考えていないのだが、
彩りがいい献立は栄養バランスもいいと信じているので、
信じる者は救われる~!!と
信じたい。

今朝はというか朝食は、ほとんど毎朝こんな感じ。

必須アイテムは、濃~い野菜ジュース。
(ブランドも種類も決まっている)

ヨーグルトに今日はプルーンとあんずジャム。
ある時はここにバナナ。

たぶん、これがヨーグルトは発酵食品だし、
バナナが免疫力アップ効果もあるはずなので、
最強の組み合わせ。
プルーンは整腸作用か?

メインはサンドイッチ。

ライ麦入りイングリッシュマフィンをカリッと焼き、
オリーブオイルを回しかける。

サニーレタス・きゅうり・ピクルス・ハム・チーズをはさみ、
マヨネーズと粒マスタードを少々。
サニーレタスで蓋をして、
マフィンでサンドする。

パンは時に、クロワッサンやカンパーニュになることもあるが、
白いふわふわの食パンサンドイッチになることはない。
基本、柔らかいパン・白いパンは
ダンナの好みではないのでしょうがない。

そして、必ず必要なのが朝食時のフルーツ。
今朝はセミノール。
甘くてジューシー、ビタミンC。

これに、食後のコーヒーというのが
平均的な毎日の朝食だ。

コーヒーはダンナが入れてくれるのを待っているので、
食後になってしまうのだが、
本当は食前に飲むと血管拡張の効果があるらしい。
遅かりし由良之助!

一昨日の朝は牛乳がだぶついていたので、
自分で100%ミルクで作ったココアがプラスされていたから、
ポリフェノール効果がもっとあったはず。

ここまで書いて思ったが、
いろいろ気づかいしているとはいえ、
食べすぎか?
ですよね!?

「体にいいもの全部乗せ」
これがどうやらマイスタイルのようだ。
アチャー!

2020年4月29日水曜日

見えない脅威と見える驚異









ゴールデンウィークに入っても、どこにも出かけられず、
家にいる中でどう幸せを感じるか、
人類は試されている。

ウィルスは目には見えない。
それなのに、毎日毎日、感染者数が発表され、
時には有名人の罹患や死が報じられることで、
人々をその脅威にさらしている。

一方、我が家の小さな庭には
今を盛りと数種類の花が咲き誇り、
その生命力たるや驚異的でさえある。

好んで植えた花々だが、
なぜか香りの強い花が多くなってしまった。

見た目は大ぶりの花ではないのに、
その香しいというか濃厚というか
強めに香りが、花を咲かせると一気に解き放たれ、
ゴールデンウィークに投入したことを知らせている。

まず、ジャスミン。
花自体は小さな白い花なのに、
群生し次々開花し、華やいだ香りが家の周辺を包み込む。

植えた場所から触手を伸ばし、
蔦の中、エニシダの向こう、紫陽花の上と、
ところかまわず繁茂している。

少し手折って家に持ち込むと、
その香りはますます香しく、
リビングといわず、キッチンと言わず、
自己主張してくる。

ジャスミンからやや遅れて咲きだした
濃い黄色のエニシダは今、まさに満開。
和名を金雀枝というぐらいだから、黄金色に輝き、
マメ科なので、蝶にもかわいらしい形の花が鈴なりに咲いて、
クジャクの羽根のような形だ。

アプローチに突き出た何本かを手折って、
トイレに飾ってみたが、
その華やかなこと、
「雪ん子ファミリー」という自作の陶人形たちと、
花瓶が白いので、とても素敵な空間になった。
(上に少し見えているのは自作のステンドグラスの鏡)

トイレに入るとこのコーナーがまずパッと目に入るので、
心が浮き立つ。

裏庭ではニオイバンマツリが紫色の花をつけだしている。
この花は最初は濃い紫色の花なのに、
日を追うごとに色が薄まり、
最後は白っぽくなる不思議な花だ。

名前の通り、香りも強く、
ジャスミンにも負けない香しさで、
我が家の二大臭い花!?だ。

秋になると金木犀が香りだすのだが、
その香りの甘さに比べ、
ジャスミンとニオイバンマツリの香りは
どちらかというとつけすぎの香水のようで、
家族の評判はあまりよろしくない。

そして、今まさにつぼみを膨らませ、
「次は私よ」とばかりに咲く時期を狙っているのが、
フェンスに巻き付かせた白薔薇だ。

こちらも香り高く、高貴な雰囲気で、
我が家を代表する花だ。

もちろんとげが鋭いので、
世話をするにも手ごわい相手だが、
それだけに薔薇の咲くこの時期が待ち遠しい。

最近は忙しさにかまけて、
自分で苗を買ってきて植え替えする類の花を育てていない。

だから今ある花は10~20年前から植わっているものばかり。

最初はヒョロヒョロの苗や小枝を植えたものが、
何度剪定しても庭を埋め尽くすほどに繁茂する
そんな強い花だけが残った。

その生命力の強さは、
今、ウィルスにやられっぱなしの人間の心を揺さぶり、
「しっかりしろ!」と鼓舞している。

目に鮮やかな白、黄色、紫の花弁と、つややかな緑の葉、
鼻孔にぐいぐい迫る濃厚な香りで、
「ウィルスに負けるな!」と励ましてくれている。

人は目に見えない脅威に対して不安を抱くが、
目に見える驚異に対して、
感動し豊かな心を育むことができる。

今日は、庭の花が、初夏の日差しを浴びて、
そんなことを教えてくれた。


2020年4月26日日曜日

無言で作業








先週の土曜日に作陶した20個の器は
作っただけではまだ未完成である。

高台を削り出し、
てびねりとはいえ、形を整える作業が残っている。

削りの作業のタイミングは
作った時の土が少し固まりだし、
削るための道具が扱いやすい状態になった時だ。

作陶した日では柔らかすぎるし、
日にちが経って、土が固くなりすぎてもいけない。

世の中は「ゴールデン・ステイ・ホーム」とかいって、
「ゴールデンウィークにお願いだからウロチョロしないで」と
叫ぶように呼び掛けている。

かなり悩んだが、
出掛けた先の工房には先生しかいないし、
広々空間で黙々と作業するだけなので、
電車の空いている時間を狙って、
出掛けることにした。

12時過ぎの電車は1両に5~6名しか乗っておらず、
完全にsocial」distanceは保たれている。
ちょっと安心した。

ゴールデンウィーク初日は
みんな真面目に家にいるらしい。

後ろめたい気分を引きずりながら、
ガラガラの国道1号沿いを歩き、工房へ。

工房では先生と挨拶もそこそこにマスクをしたまま、
手を洗い、
工房の隅の作業台を確保し、
先週作った20個の器を並べ、作業開始。

先生も自作の器を作業台いっぱいに並べ、
釉薬をかける工程を行う予定だという。

12時45分から4時45分まで、終始沈鬱な空気の中、
一言も発せず、1回も休憩せず、
水さえ採らずに集中して作業した。

先週の午前午後かかって作った器全部の削りを
半日で削り終えるには
そのぐらいの集中力をもってしないと終わらないからだ。

たぶん先生も
私から「話しかけないでオーラ」を感じただろうし、
よもやま話をする雰囲気はまったくなかったので、
お互い、陶芸家として、
自らの作業に徹していた。

いつもの陶芸教室に集まるメンバーは
4月に入ってからは誰一人として来ていないらしく、
「趣味の陶芸教室」や、外部からの「陶芸体験教室」は
目下、完全に止まっている。

私も陶芸教室のメンバーのひとりだし、
「趣味の陶芸」にすぎないのだけれど、
今は受注した器を制作する陶芸作家の体である。

「10個でも20個でも作ってくれたら、
欲しい人は何人でもいるから」という言葉を背に
大量生産中なのだが、
さて、この先どうなりますやら。

私の心配は
「次にこの器に釉薬をかけられる日はいつかなぁ」
「先生はいつ素焼をしてくださるのかなぁ」ということだが、
先生の心配はもっとずっと深刻だ。

工房を維持する家賃が重く先生の肩にのしかかっているらしく、
「ここがもつかな」と沈鬱な表情だったのが気になる。

考えてみれば、工房の家賃が払えず、閉鎖になってしまえば、
素焼きも釉がけも本焼きもない。

工房の経営者として、
かなりの額の家賃を毎月、無収入なのに払い続けるということは
先生自らの老後資金を切り崩しながら払うということだ。

単に使用させてもらっている立場と、
経営者では大きく違うことに気づいて、
私の気持ちも落ち込んだ。

5月6日をもってして緊急事態宣言が解除されることはないと
もう、誰しも思っているだろう。

ではいつまでこれが続くのか。

誰にも分からない出口のないトンネルの暗闇の中、
他人事では済まされないいろいろな事象が
私たちの気持ちを暗くする。

一方、少し嬉しいこともあった。

家に帰ると、電話連絡があり、
年4回予定されていた「YAMATO」のコンサートの内、
4~6月の3回が中止になり、
払い戻しの手続きをしていたのだが、
急遽、延期日程と会場が決まったとのこと。

3回とも通常は夏枯れでコンサートがないはずの8月に
3週続きで行うことになったという。

月に1回のはずが毎週3連続とあっては、
アーティストも大変だと思うが、
急転直下のこのお知らせは嬉しい。

同行予定の友人も大喜びだ。

友人は他にも申し込んでいたいくつかのコンサートが
みんな8月に延期になって、
「8月はとんでもないコンサート月間だわ」と
嬉しい悲鳴。

私は娘の出産予定日と前後するので、
「重ならなければいいけど…」と
こちらも嬉しい悲鳴。

今は、stay homeで息苦しい毎日だけれど、
8月にはきっと…。

医療現場で働く医療従事者の方のご苦労を思えば、
安全な家にいられるなんて幸せなことだ。

この1日をどんな気持ちで過ごすのか、
どこに希望を見出すのか、
大切に時を進めようと思う。


2020年4月24日金曜日

料理はたくさんできたけど…








コロナ自粛が始まって以来、
外出は極力控え、
週に1回だけ、長女の家のご飯作りとベビーシッターに行く、
4月はそう決めて過ごしてきた。

買い出しは小池知事に言われる前から、
週2回だし、
他の濃厚接触せざるを得ないシチュエーションは
なるべく避けることにした。

そのため、私にとってとても必要な整体も
月末まで延期したし、
歯医者の定期検診はキャンセルして、
様子を見ることにした。

予約した美容室も、
美容師がもしマスクをしていなかったら
(前回はマスクなしだった)
カットもヘアカラーもせずに帰ってこようかと思ったが、
さすがに全員、マスクをしていたし、
店内にお客は私一人だったので、
ちょっとリスキーだと思ったが、
前髪カットとヘアカラーをしてもらってきた。

それ以外は今のところ、
ほとんどを家にいて、
版画の彫り作業をして過ごしてきた。

楽しみと言えば、食べることになりがちで、
料理好きが高じて、
ここのところ、時間のかかる凝った料理を作っては
悦に入っていた。

大体、そういう料理は
何らかのアルコールに合うものが多く、
普段、ウィークデーには飲まないビールやらワインやら、
いきおいアルコール摂取量も増えていく。

今週は妊婦の長女が2歳児相手に疲弊してきているというので、
特別に2回、
手助けに行ったので、
公園に連れだして遊ばせたり、
今までのように大量の料理を作り置いたりした。

娘のところには火曜日と木曜日に行ったのだから、
毎回、2日分ほど作ればいいものを、
なるべくたくさん作り置きを作っておこうと張り切り過ぎて、
2回とも8~9品ほど作ったせいで、
家族3人では消費できないほどの量ができてしまった。

しかも、よく見ると、
1回目には揚げ物がふたつもある。

詳しい事情は省くが、
春巻の皮のレギュラーサイズとミニサイズの
両方、揃ってしまったので、
「春巻」と「サモサ」を作ったのだ。

いずれもとても上手にできたのだが、
当然のようにビールに合う。

娘も家に籠っての子育てや、家事のストレス、
在宅ワークの不便さ、運動不足、
などなどがたまりにたまって、
ビールがうまい!
(もちろんノンアル)

その結果が、
見事なコロナ太り。

娘はここ1か月で3キロ太ったとかで、
おなかの赤ちゃんの成長に比べ、
母体が3キロ増はヤバいらしい。

かくいう私は恐ろしくて体重計にはのっていない。

しかし、体中がギシギシ固く、
肩こりが半端ない。
肩にのっているのは乳酸と脂肪にちがいない。

首コリで、首を回すとゴキッというし、
ふくらはぎとかのむくみもある。

いろいろマズイと思いつつ、
「家で運動」
これが一番できていない。

昨日の朝、
同年代の岡江久美子さんがコロナで亡くなった。
夜の街でうつったとおぼしきおじさん有名人が亡くなっても、
「やっぱりね」と思っていたが、
岡江久美子さんはちょっと違う。

以前、「はなまるマーケット」を毎朝見ていて、
元気を絵にかいたような人だと思っていたので、
かなりショックだ。

いよいよ、自分も含め、
みんなの心の健康も心配な状況になってきた。

さあ、どうやって自粛を続けるのか、
また、自粛を解くのか。

かつて経験したことのない課題に
立ち向かう時が来たと感じている。


2020年4月19日日曜日

器がたくさんできたけど…







土曜日、朝からどしゃぶりの雨。
数日前から、こうなることはわかっていた。

しかし、2月に陶芸工房の先生にお願いして、
注文してもらった個展のオープニングパーティ用のワイン6本と、
本焼きしてもらった個展で使うつもりの湯呑9個、
お正月の来客用小鉢12個を、
いつまでも工房に置かせてもらっていることが
気になっていた。

もちろんコロナのせいで、
目下、工房は教室としては閉鎖中だし、
「早くとりに来てくれ」と言われているわけでもない。

しかし、急かして、
本焼きしてもらった作品を放置してるのも気になったし、
全くの好意でネット注文してもらったワインのカートンを
工房にごろごろさせているもの申し訳ない。

そこで、大雨の中ではあったが、
ダンナに車を出してもらい
(またまた高級車の送迎付きである)
器とワインを引き取りつつ、
私自身は工房に残って作陶するということにした。

工房はみんなで仲良く粘土細工というのは無しだが、
希望者はマスクと手洗いをして、
広い工房の片隅で作陶することは認められている。

今は、陶芸体験のお客さんもシャットアウトしているので、
工房には先生と希望者がひとりふたりぐらい。

まずは朝の一番に工房に到着し、
引き取った大量の器を車に積み込んだ。
写真にある湯呑9個と小鉢12個だ。

いずれもイメージしていたとおりの焼き上がりだ。

大きさやシルエットも
最近の大量に同じものを作るという作業を通して
職人的技量が上がってきたせいか、
型があるわけでもないし、
目と指先の感覚だけで均一な器になるよう作っているのだが、
なかなか統一感があるように思う。

個展用の湯呑9個の釉薬のかけ方は
以前に何回か試した
黄瀬戸・織部・失透の3種類の釉薬なので、
3種類も使っていても、いい具合に響き合う。

小鉢の方は
黄瀬戸・茶そばの2種類の釉薬を
湯呑同様、かける位置を少しずつ変えて12個。

窯に置かれた位置の違いで、
茶そばの色の出具合が違うが、
それはもう窯の中の火と空気の流れが作るものなので、
人知を超えている。

12個なのは、
来年から、お正月に集まる親族が12人になる予定なので、
その数にしたのだが、
来年のお正月に、みんなが集まれるような世の中に
なっているのか、いないのか。

全く先の見えない不安感はぬぐえない。

個展もちょうど1年先に延期の日程を決めてもらえたが、
コロナは大きな感染と小さな感染を繰り返しながら、
2022年ぐらいまでは続くというのだから、
全くこちらもどうなることやら。

別に正月やら個展やらに使わなくても、
いつ使ってもいいし、腐るわけでもないが、
人が集まること自体が許されなくて、
いつもマスクをしていろというのでは、
お茶飲み会もできないし、
料理を小鉢に盛って
みんなで食べるということもないわけだ。

急いで本焼きしてもらって、それなりで、
いつまでも工房に置かせてもらっていても申し訳ないと、
引き取ってはきたものの、
今は、我が家のリビングの無駄に大きいテーブルに、
ずらずら並んでいる器たちをみると、
悲しくなってくる。

これを使う時はいつ来るのか。

試しに湯呑にお茶を入れてみた。
実に手にしっくりくる大きさと形。
飲み口の厚みも程よいではないか。

と、自画自賛する。

世の中の激変ぶりに、今はうろたえるばかりだが、
「あの頃は大変だったね」と、
この湯呑でお茶しながら、
語り合える日がくることを心から祈っている。


2020年4月15日水曜日

8割減への試み








国が緊急事態宣言を出して、
国民に人との接触を8割減じてほしいを要請した。

お願いレベルなので、強制力はないのだが、
これが守れないと爆発的な感染が起こると
警告を発している。

しかし、相変わらず、仕事に行かざるを得ない人も多く、
テレビで見る限り、
渋谷のスクランブル交差点や銀座の街角などは閑散としているが、
品川や東京駅の混雑ぶりはまだまだ8割減には程遠い。

そこで、国は出勤する人も7割減にするよう呼びかけ、
とにかく家から出ない
「ステイホーム」を強く打ち出した。

さて、自分の生活はどうか。

カウンセリングと絵画教室など、収益につながる活動は休止。
趣味の茶道も休止。
陶芸は通常通りということなので、
広い工房で作陶すること自体は3密ではないかなと思うが、
公共交通機関を使わず行くことを検討中。

買い物も意外とスーパーが混んでいることが分かったので、
週に2回程度にして、
時間もなるべく空いている時間に行き、
大量購入でデリバリーにし、
玄関前に置いてもらう形式にした。

残るは接触する人を
要は家族に限定すれば、
8割減は達成できる。

スペインでは60歳以上の人が感染し、
人工呼吸器ECMOを装着するところまでいってしまったら、
命の選別が行われ、
若い人の呼吸器使用のために老人の呼吸器は
残念ながら外されることになったと聞いた。

日本ではまだそのような医療崩壊には至っていないが、
もしスペインのようになったら、
私の呼吸器は外されることになる。

今の生活の中で、
私を必要としている人といえば、
在宅ワークに切り替えたはいいが、
保育園の預かりもなくなって、
自宅で2歳児をみながら仕事をすることになった
長女だろうか。

長女のダンナは建築系で、
いまだ、毎日、出勤している。

家にテレワークで夫婦が揃っていたら
それはそれでもめごとが多くなって、
「コロナ離婚」なるワードが飛び交い、
今朝の新聞の一面を飾るほどだ。
(今年の流行語大賞は「アベノマスク」か「コロナ離婚」か)

長女のところは「コロナ離婚」の様子はないが、
妊婦である長女が2歳児を観ながら
ひとりで家事と育児と仕事をするのは無理があり、
結局「休業願い」を出すに至った。

6月半ばの育児休暇を待たずして、
休業するという形になりそうだ。

そこで必要なのは
前にも増して、ばぁばのご飯当番ということになる。
そして、ベビーシッターも。

「コロナ離婚」の大きな原因は
当たり前のように妻に課せられる3度の食事作りと
夫の無理解、
夫のコロナ感染への危機感のな無さにあると聞く。

そう聞くと、
長女のところにも当てはまる節がある。

もともと食事作りが苦手な長女の家事代行をしてきた私は
これだけは続けないと、
引越したばかりのマンションで勃発する夫婦喧嘩を
目の当たりにすることになるかもしれない。

夫婦喧嘩はともかく、
この2歳児のくったくのない笑顔だけは守らなければ…。

そんな思いで、
8割減にはするものの、
2割の人との接触として、
ばぁばの食事当番だけは県をまたいで
続けるしかなさそうだ。

昨日からは帰りの電車の混雑を回避するために、
長女の家まで、
ダンナの高級外車のお迎え付きになった。

超絶まずいタイミングで
高級車に乗り換えたんだから、
せめて活躍してもらわないと…。

昨日は新タケノコを使った
「新タケノコ炊き込みご飯」
「新タケノコの若竹煮」
「新タケノコの青椒肉絲」
「新タケノコ入り、ミネストローネ」
と、新タケノコ・オンパレードのコース料理。

シポリンの好きなタケノコを存分に味わってほしい。
長女も「春~!って感じね」と喜んでいた。

思いもかけないこの最悪な状況を
気取らせないよう楽しく過ごす、
それが2歳児にもおなかの胎児にも大切と感じている。
ばぁばであった。

2020年4月13日月曜日

おうちでバースデーパーティ









緊急事態宣言が出された週末、
私はウン歳の誕生日を迎えた。

本来なら、家族の誕生日はちょっといいレストランで食事
というのが我が家の恒例だが、
今回ばかりはそうもいかない。

そこで、土曜日にダンナが車で次女を迎えに行き、
途中、ケーキを調達して実家に帰り、
我が家でホームパーティをしてお祝いをすることになった。

自分の誕生日のご飯を自分で作るのは
何だかな~と思いつつ、
時間だけはたっぷりあるので
次女の好物の「キッシュ」
それに合わせて、メインを「ビーフシチュー」にして
準備することにした。

土曜日の午前中、
うやうやしく、ちゃんと箱に入った状態で
八重咲のトルコ桔梗が1輪、宅急便で届いた。

大して買ったこともない通販会社からの
誕生日プレゼントで、びっくりしたが、
たった1輪の花でも存在感はなかなかのもので、
おうちバースデーの雰囲気を盛り上げてくれる。

数々のバースデーメッセージが
友人知人からFacebookに届く中、
オンタイムに現物のプレゼントが届くというサービスは
かなりのサプライズ感があり、感激だ。

私は昼食を済ますと再び、キッチンに立ち、
ビーフシチューとキッシュの仕込みを始めた。
(ここのところ、何かとキッチン逗留率が高い)

3時頃、ダンナが車を出して、次女を迎えに行き、
帰りがけにケーキ屋さんに寄ることになっていた。
私のリクエストは苺がたくさんのっている
TAKANOのケーキ。

地元のデパ地下で一番おいしいお店はここかなと思うので、
そうリクエストしたが、
実際は自由が丘に立ち寄ったらしく、
「YATSUDOKI」という珍しい店名のケーキを
買ってきてくれた。
(やつどきとは、おやつ時の意味らしい)

自由が丘に寄るという案と、
高級シャンパンを抜栓したのはダンナなので、
「自分の時ばっかり、かっこつけて…」
と、ぶつくさ言っていたが、
いいところもある。

そんなこんなで
おうちバースデーパーティではあるが、
何とか形にはなり、
この緊急事態下なれど、いい記念日になった。
(本当に戦時下でこっそり行われた誕生日という感じ)

とりわけ、次女が買ってきてくれたケーキは
とても美味で、
「ケーキ入刀」の時からプチプチ音がしていて
何だろうと思っていたのだが、
チョコクリームの中に薄い薄いチョコレートの層が挟まれている。

食べると口の中でプチプチはじけ、
クリームとは全く違う食感が楽しい。
それでいて味はどれもチョコレートなので、
苺とチョコレートの組み合わせを邪魔しない。
(中にはいろいろな食材を使い過ぎて複雑な味のものあるが…)

苺のケーキは生クリームのものがほとんどだが、
チョコレート味と苺との相性も抜群で、
リッチかつ上品な味わいの一品だった。

テレビやネットニュースはコロナ一色で、
ますます状況が深刻化していることを伝えている。

国と東京都の方針の違いが顕著になり、
国ののろまさ加減にイライラするが、
今、自分にできることは「ステイホーム」を守るだけだ。

次女は日曜日の夜、
また、ダンナに車を出してもらって、
公共交通を使わず帰っていった。

ちなみに日曜日の晩ご飯は
取れたてタケノコの炊き込みご飯と若竹煮に、
次女のリクエストの春巻きを作った。

1年後、
「去年の誕生日はおうちでバースデーパーティだったよね」
「新タケノコの美味しい季節だったよね」と
笑いながら回想できることを
心から祈っている。