版17展が始まって、数日たったのだが、
20日に初めて当番として会場入りし、
展示の様子を見ることができた。
今回は会場係以外の人は搬入・搬出に立ち会うことができず、
どこに誰の作品をかけるかは
会場係に一任されていた。
自分の作品がどこにどんな風にかけられているかは
誰しも気になるところだが、
私の作品2点は
入口から入って会場を見渡した時、
左手の大きな壁の右寄りにかけられていた。
隣はデジタルの作品で静かなグレートーンの作品で、
大きな壁に私たちふたりの計4点だけがかけられ、
スペース的にも位置としても
広々して見やすい場所だった。
午後に陶芸で仲良くなった友人が
ダンナさんと共に着物で来てくださるというので、
それじゃあ、私も着物でお出迎えしなければと、
朝から単衣の着物を着て、会場に向かった。
20日は昼頃から雨という予報で
朝から怪しげな空模様だったが、
結局、帰宅するまで1回も傘は開かず、
何とかこらえてくれたので、助かった。
友人夫妻は朝から着付けをし、
中華街でランチを楽しみ、
二人揃って着物姿で山の手散歩して画廊にみえたわけだから、
道行く人の目にはさぞ、優雅でおしゃれに映ったことだろう。
二人とも、学校の先生なので、
初めて会ったダンナさんも、私に気さくに話しかけ、
かつ、豊富な知識で質問などいただき、
着物の話や版画の話で盛り上がった。
奥さんの方は、いつもは陶芸工房の先輩・後輩だけど、
まったく違うシチュエーションは目にも楽しく、
新しい交友関係ができたようでうれしい。
今回は画廊が、ミュージアムと名乗っているせいで、
予約が必要なせいか、
とにかくお客さんの入りが悪い。
私も案内状を送った友人から、
「まだ、公共交通機関には乗っていないから」とか
「横浜が遠すぎて、出かける気力がない」とか、
コロナ由来のお断りをかなり受けた。
ショックだったけど、
この会場の閑散ぶりと、予約の少なさをみれば、
世の中はまだまだこんな感じなんだなと実感する。
そんな中、ご夫婦で着物を着て、
絵を見に来てくださるなんて、
なんと嬉しい!
去年まで、当たり前だった日常がいかに幸せなことだったか、
しみじみ会場の作品を見渡しながら思った。
午後からのお当番さんが
会場に誰もいないのをいいことに
たくさんの写真を撮ってくれた。
彼女ももちろん同じ作家仲間なので、
アングルを変え、面白がって大量にシャッターを切り、
スマホの画面を見ながら、
一緒に撮れた写真の寸評をして楽しい時間を過ごした。
版17は今回で解散する。
絵描き仲間と年に1回展覧会をする、
準備や打ち上げと称して飲み会をする、
そんな時間はもうないのかと思うと、
急に切ない気持ちがこみあげてくる。
いきなり始まったコロナ禍のせいで、
思いもかけない幕切れを迎えた版17。
解散は2年前に決まっていたけど、
こんな風に人知れず幕切れになるなんて…。
会期終了までに、まだ、来てくださる予定の友人達を
精一杯お迎えしなければと思った次第である。
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