私は神奈川芸術協会の会員なので、
毎月、近く開催予定の協会主催の
コンサートのフライヤーがドサッと送られてくる。
会場は神奈川県の会場のことがほとんどだが、
(みなとみらいとかミューザ川崎とか)
開催予定のコンサート内容を見て、
年に数回、先行予約の申し込みをして、
コンサートチケットを入手することがある。
この回に入会していると
一般に売り出されるより少し前に
申し込むことができる(先行予約)ことに加え、
ここの申し込み方法が昔ながらのFAXによる
受付であることが
私は何より気に入っている。
なにしろ最近はスマホからネット予約するという
パターンがほとんどになってきて、
機械的に席を割り振られてしまうので、
希望の席を電話口で相談しながら取るといった
ことが出来なくなってしまった。
もちろん電話予約の電話がいつまでたっても
繋がらないという不便や、
繋がったと思ったら、
いい席はすでに売れていたということもある。
しかし、ここの旧態然としたFAXによる申込書には
行きたいコンサートに枚数など記入した他に
「席の希望」を書く欄が設けられている。
ここに皆さんはどんな書き方で希望を出すのか
知らないが、FAXが送信されてきて、
この欄を見たチケット売り場の担当者が
なるべく希望に沿う形で
チケットを用意してくれるのだ。
FAXは受付締め切り日があって、
そこまでは席は取れず、
締切日後に一斉に受付係が取って
それぞれに確定した席番号が書面に印字され、
郵送で知らされる。
(試験の結果発表みたいにドキドキする)
機械的に割り振る式のチケットの売り方に比べ、
人のぬくもりと心が感じられる方法なので、
希望を出す側の品格と常識が図られていると
私は個人的に感じている。
つまり、もし、私がチケットを割り振る側だったら、
その「席の希望」の書き方に、
好感度が高かったり、低かったりが
あるだろうと思うのだ。
去年あたりから
私が神奈川芸術協会で入手した席は
ほほ~っと思うようななかなかいい席が続いていた。
極め付きは今年の5月から始まる
『熱狂の夜~石田泰尚スペシャル~』
5夜連続の石田様のコンサートチケット
(5回分は全く同じ席になる)に
前から2列目舞台中央より少し左手、つまり、
石田様の真ん前の席のチケットがきたことだ。
これに狂喜した私は
その時も一言添えて希望を出したことを思い出し、
今回の
『フジコ・ヘミング スペシャルコンサート』も
「いつもいいお席をありがとうございます!!」
「1Cブロック 前寄り10~20番だと嬉しいです」
「4枚は2枚ずつ離れてもかまいません」と
添え書き付きで希望をだした。
そして、遂に席が決定した書面が
チケット代の請求書と共に送られてきた。
1Cブロック 1列16番17番
1Cブロック 3列17番18番
計4枚
望んだ以上に素晴らしい
正にかぶりつきの席である。
このチケットのことを早速
同行予定の友人に知らせると
「いつかフジコ・ヘミングのカンパネラを
聴きたいと思っていたけど、
こんな素晴らしいお席なんて夢のようです」と
返信が来た。
4人のチケット入手係としては
今回はいい仕事ができたと嬉しかったし、
私自身も着物でも着て、
カンパネラを聴きにいくかという気になった。
NET社会に順応せざるを得ない昨今だが、
こうした人と人の関わりに触れると、
やはり生身で触れ合うコミュニケーションは
いいものだと思う。
CDでは味わえない生の演奏がいいと
思うのと同様、
「一期一会」の出会いに似て、
このチケット入手方法は
私に温かいものを届けてくれるのだ。
チケット売り場のおばちゃん、
(おじちゃんかもしれないが)
本当にありがとうございます!!