「春のばぁばご飯」と銘打ってはいるが、
特段、
春の食材がふんだんに使われているわけではない。
春らしい食材と言えば、
春キャベツと新じゃがぐらいのもので、
要は春巻きをメインに献立を考えたというだけ。
春巻きは名前に春がついているからといって
春ならではの献立ではないし、
むしろ、娘のファミリーにとって
時折、無性に食べたくなるばぁばの味。
今、スーパーや八百屋さんでは
採れたての筍が出回っているが、
そんなに手間のかかる食材を買ってくるはずもなく
すでに水煮になっている筍を
春巻き以外にどう使い切るかが
献立立案係の娘の頭を去来したにすぎない。
だから、春巻きのリクエストの時は
決まって抱き合わせの献立として
青椒肉絲が登場する。
他の献立のリクエストは
孫1号と孫2号の好みを反映している。
例によって、
魚派の孫1号のリクエストは
「タラのチーズ風味フライ」と「けんちん汁」
肉派の孫2号の方は
「鶏モモのネギ塩のせ」と「卵の巾着袋」
孫2号の方は長ネギや玉ねぎなど
2歳児には抵抗がありそうなものも
平気で食べられるから驚きだ。
しかも、食べることが好きなせいで
食に関する語彙の量が半端ない。
食材の名称はもちろん
料理名もよくわかっていて舌を巻く。
かくして、本日のメニューは
「春巻き」
「青椒肉絲」
「タラのチーズ風味フライ」
「鶏モモのネギ塩のせ」
「卵の巾着袋」
「春キャベツのコールスロー」
「新じゃがの煮っころがし」
「銀だらの西京漬け」
「小松菜と舞茸のナムル」
「けんちん汁」
以上10品
こうしてみると野菜類とタンパク質のバランスは
なかなかよく考えられている。
しかし、いざ孫たちに食べさせてみると
孫1号は肉類には手を付けないし
(春巻きは肉が肉肉しくないから大丈夫)
孫2号は鶏モモ、卵、新じゃが
タラのフライと
高たんぱくの揚げ物が中心で
太る要素ばかりだ。
(コールスローとナムルも食べはしたが)
2歳児で16キロは太りすぎなので、
春巻きは母親から「ダメ」が出て、
食べさせてもらえない。
自分は美味しいからと2本も食べたくせに
2歳児には食べたがっているのに
あげないなんて可哀そうに…。
卵の巾着袋も「お替り」は
許してもらえなかった。
それにしても2人ともニコニコと
実に美味しそうに、
しかもこぎれいに
しっかり口元を閉じて食べていく。
人が嬉しそうに美味しそうに
ものを食べている光景は幸せな光景だ。
ばぁばは、つい「いいじゃない、
食べたがっているんだから食べさせれば」と
甘やかしたくなる。
食が細かったり、偏食で悩む親が多い中、
何でも食べ過ぎて困るなんて
贅沢な悩みだ。
孫1号が再びお肉が食べられるようになって
ぐんぐん背が伸びますように。
孫2号の
色白で肉まんみたいなムチムチの腿が
ある日、にょきにょきと縦に伸びますように。
そんな呑気な願い事を念じながら
今宵の娘宅の食卓は
美味しい笑顔に包まれていた。
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