本日6月12日(月)より
関内の画廊・楽にて
第23回の紫陽花展が始まった。
展示は昨日の夕方5時からで
今回はなんだかんだ少し位置が決まるのに
時間を要し、
作業半ばでメンバーの記念写真だけ撮って
7時過ぎに解散になった。
というのも、
今回の展示で「卒業式」を迎える最長老のKさん、
新入会のOさん、
そして他のメンバー全員が揃うのは
搬入の時か搬出の時ぐらい。
写真を撮るなら、
搬出は意外とバタバタ片づけて
あっという間に散ってしまうので、
搬入の時の方がいいということになった。
第1回から参加のKさんは
約四半世紀の長きにわたり、
展覧会を盛り立ててくださった。
80代半ばに差し掛かり、
遂に卒業。
仕方ないとも思うし、
もうあと少しご一緒にとも思う。
長いこと続くグループ展には
こうした
メンバーチェンジは時折あることだが、
いつも切ない思いがする。
今回、私の作品は大小合わせて8点。
内6点を1列に横並びに並べたかったので、
長い壁が欲しくて、
玄関入ってすぐ左手の壁に飾ることになった。
この位置は今までで初めての位置である。
画廊の中の位置としてはいい位置とは言えないが
小ぶりの作品を6点ぎゅう詰めにして
更にあと2点も一列に並べたかったので
しかたあるまい。
この6点は実験的試みで
2点分の版木の計18版の内、
いかに少ない版で1点の作品として成り立つか。
創った版を全部摺るのが当たり前だった
自分の摺りのルールを打ち破り、
摺らない版をあえてつくるという
初めての作品群である。
決して摺りの途中経過を示すものではないので
それぞれに独立したタイトルもついている。
つまり「シンプルな昔ながらのラーメン」と
「具を全部のせにしたラーメン」と
「その真ん中あたりのラーメン」と
あなたはどれがお好みですかみたいな
問いかけである。
初日の今日は遠方からきてくださった友人と
早めの予約でイタリアンのランチを採り、
13時からの開始と同時に会場入りした。
まずはひとり目のお客様である友人が
「私はこれが好き」と
ポストの作品の「昔ながらのラーメン」に
1票を投じ、赤丸印をつけてくれた。
その後も夕方まで
引きも切らず友人が訪ねてきてくれたが
総じて「シンプルな昔ながらのラーメン」の方が
「こってり全部のせ系ラーメン」より好評で、
「何なのよ、私の苦労は…」という
結果になった。
版画家生活40数年間、
色数も版数も多くて
彫るのも摺るもの大変なものを良しとする
感覚に「喝!」を入れられたような気分だ。
これからあと6日。
皆皆様の意見に謙虚に耳を傾け
今後の制作に生かそうと思う。
今回の大きな2点の全部のせ版画への反応も
注視しながら
終了後の新作の構想を練るつもり。
なかなか版画制作のマンネリ化を打破できずに
いたけれど、
今回の実験的試みには
本当に多くのご意見ご感想をいただけそうなので
残りの会期が楽しみである。
いつのまにかあれこれ着飾りすぎた自分の
版画制作スタイルにも
「断捨離」の時が来たのかもしれない。
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