2023年6月19日月曜日

釉がけは体力勝負

 








18日の日曜日、
無事に今年の紫陽花展が終了した。

今回はけっこう精力的にDMを郵送したり、
手渡ししたので、
かなり多くのお客様に来ていただいた。

中でもトピックスは
もちろん56年ぶりに実家の番頭さんが
川越から訪ねて来てくれたことに尽きる。

その他のお客様は、
コロナを境に親交が途絶えたママ友関係や
絵画教室関連の方々がいらっしゃらなくなり、
そんな中でも関係のあった方、
パティシエ学校やお茶のお稽古、
陶芸工房の皆さんなど、
目下、お目にかかる機会のある方にとって代わって
きているということは言えるだろう。

人生は「袖振り合うも他生の縁」というが
本当に他生の縁があった方だけが
残るのであって
大概はお目にかからなくなると
ご縁も途絶えてしまうようだ。

そう考えると56年ぶりの再会は
一体どんなご縁だったのか。
大切にしなければいけないご縁かもという気が
今更ながらしてくる。

さて、昨日は長女ファミリーが例年通り
にぎやかにやってきて、
紫陽花展のメンバーも温かく迎えてくださった。

現在4件目のギャラリー、画廊・楽に
移った年に孫1号が生まれたから
ここでの開催は早6回目ということになる。

約四半世紀続いたグループだが
最長老のKさんが今回で卒業ということだ。
私も最古参のひとりなので、
寂しい限りだが、
御年83歳というから、
そろそろ引き際と考えるのもむべなるかな。

ともあれ、ゆるゆるとメンバーチェンジが
ありつつもひとつのグループ展が
ここまで長く続いていることに感謝したい。

さて、一晩寝て、
今日は先週の土曜日にするはずだった
陶芸工房の釉がけの日だ。

土曜日は展覧会場に詰めていたので、
今日は振り替えてもらった作陶日だ。

月曜の午後のメンバーは
会ったことのない若い女性ひとりと、
やはり振り替えたという同じ年恰好の女性だった。

若い女性の方は
入会して間がないらしく、
釉薬をかけるのはこれが2回目。
もうひとりは今回は釉がけの作品はなく、
削りの作業のために来たという。

今回、私は数を数えるのももどかしいほど
大量の素焼作品が焼きあがっている。
しかも釉薬の色数も5色を予定している。

これはとてもひとりで攪拌して
釉がけして3時間半で終えられる量ではない。

2回に分けるのもやむを得ないと覚悟して、
まずは
月曜日の午後にお邪魔することにした。

先生に嫌味を言われるのが分かっていたが
午後クラススタートの13時半より30分早く
工房入りし、
案の定、先生が何か言ったが聞こえないふり。

とにかく一刻も早く作業に取り掛からねばと
机の前に器を広げた。

通常、4人で作業する机がひとりの作品で
いっぱいになってしまうほどだったから、
いつもの土曜日にお店を広げなくて正解
だっかもしれない。

定刻にやってきたその若い女性は
まだ何色の釉薬にするか決めてないというが
幸い私が予定していた5色の釉薬の内、
2色を選んでかけると言ってくれたので、
攪拌をお願いすることができた。

もちろん残る3色は自分で攪拌するわけで
それだけで1色20分、3色で計1時間、
釉薬の入った大きなバケツの前で
思い撹拌機を持ってじっとしていなければ
ならない。

釉がけの作業は
まずは器の余分なチリや細かい粘土を落とし、
スポンジで水洗いし、
撥水剤を高台など、釉薬がついて欲しくないところに
塗ってはじくようにする。

それから床に新聞紙を敷き詰め、
釉薬を攪拌し、
じゅうぶん滑らかになったら、
釉薬を器にかけ、乾くのをまって
撥水剤を塗った部分についた釉薬を落とす。

若い女性が今回釉薬をかけるのは
たったの3つの湯飲み。

ちなみにもう一人の女性は
削りの作業の器がふたつだけ。

なのに私は一目では数えきれないほどの数が
大小、箸置きの12個も含めると
30個以上ある。

しかも、その内ふたつは蓋の付く箱ものなので、
釉薬が流れ出して、身と蓋がくっつかないよう
細心の注意が必要だ。

先週、画廊に来てくれたいつもの同じ曜日の
メンバーたちが
口々に「あの量は1回じゃ無理よ」というので
無理はしないと誓ったものの
心の片隅では30分早くいって何とか
5時までに全部釉がけしてしまいたいと
思っていた。

結果的には
2色、新人さんが攪拌をしてくれたので
自分は3色で済んだので、
何とか全部にかけ終え、
高台を拭く作業、道具の後片付け、
工房の掃除まで終えることができた。

その間、水を1滴も飲まなかったことに気づき、
ちょっとまずいなとは思ったが、
体力と気力の限りを尽くして
すべての器に釉薬をかけ終えたので、
自分との内なる勝負に勝ったことになる。

きっと次女は無茶する母を叱責するだろうが、
詰まった予定の中で
もう1日釉がけのために出かけてくるのは
大変なので、
やり終えて正解だ。

帰宅後は
当然のごとく夕飯が出てくると思っている
ダンナには文句を言わせないだけの
ものは作り、
今夜のスプリングバレーのビールは
ひときわ五臓六腑に染みわたった。













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