2023年10月2日月曜日

連作の本摺り

 


















10月に入ったので、
満を持して、連作で創った作品の本摺りを決行した。

10月を待っていたのは他でもない
気温が下がって、本摺りに適した状況になると
踏んだからだ。

9月半ば、
連作の1点目の本摺りをしたが、
少しでも涼しい時間帯にと
老体にムチ打ち、真夜中に行ったにも関わらず
30℃を超えてしまい
暑さとの戦いで本当に大変だった。

さすがに10月ともなれば、
多少は涼しくなると思って
カレンダーを睨み、ここにセットしたが、
気温は思うほどに下がらなかった。

しかも、前後の日にカウンセリングが
立て続けに入ってしまい、
お茶のお稽古の「天然忌」もあったので、
今回もまた、やむなく半徹夜での
作業となった。

カレンダーには
10月1日(日)午前中にカウンセリング、
午後から和紙を湿し、絵具を調合するとある。
できれば、夜には摺りを少しでも始めるという
予定であった。

大方の摺り作業は翌10月2日(月)に行い、
夕方には摺り終えて水張りできるという
算段である。

ところが、
いきなり新患のカウンセリング予約が
10月2日希望で飛び込んできた。
うっかり、予約サイトの10月2日を
受付不可にするのを忘れていたのだ。

選りによってこんな日に…と思ったが、
新患相手に言い訳はきかない。
何とか、第3希望の午後の時間帯に部屋をとり、
それまでに本摺りを終えることにした。

カウンセリングは
基本、日曜日には受け付けていないが
中には土日しか来られない人もいる。

この土曜日は天然忌で朝から出かけたので、
しかたなく日曜日の午前中に
門戸を開くことになってしまった。

土曜日、天然忌の会が思いも他早く終わり、
帰宅するとまだ夕方4時半だった。

少しでも前倒しに出来ることはないか
帰りの電車の中で考え、
帰宅早々、着物を脱ぐのももどかしく
和紙の湿しと、絵具の調合に取り掛かった。

私のことをよく知っている友人知人は
「全く、いつもこれだよ」と呆れると思うが、
こんな感じで
明日する予定のものでも今日できるのであれば
前に倒して今日の内にやってしまうというのが
私の困った性格だ。

お陰で日曜日のカウンセリングを終え、
帰宅してからは
すぐに本摺り作業に取り掛かることができた。
これで半日稼げたことになる。

結局、夕飯後も少し作業し、
11時半にはベッドに入ったが眠れない。
次の摺りのことが頭に浮かんで
興奮状態になっているのかもしれない。

そういう時はどうするか。
やおら真夜中の2時に
やっぱり、摺ろうと決心し、
ベッドを抜け出すというどうしようもない奴。

結局、明け方5時まで作業して、
少しだけ寝ることにした。
最後の最後に一番難題の葉っぱの摺りを残し、
2時間半だけ眠りについた。

こうして午前中にはすべて終えられ、
水張りと写真撮影もした。
次に小品を創る時の構図の参考になるよう
部分部分でカットした写真も撮り、
今回の本摺り作業はつつがなく終わった。

2点連作で紫陽花と雨しか出てこない作品だが
ブルーアンダートーン(ブルべ)と
イエローアンダートーン(イエベ)に
分かれているので、
見た方の好みは割れるかもしれないなと思いつつ
2点ともなかなかいい感じに出来たので、
並べて飾る日がとても楽しみな作品になった。

とにかく、そんなに生き急いで
どこに行くんだというような毎日だが、
迷える子羊を救ったり、
おべべを着てお勉強にいそしんだりしながらも
版画とだけは真摯に向き合いたいと思う
今日この頃である。

































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