2019年の9月以来
実に4年ぶりに「天然忌」を行うことができた。
天然忌は
表千家では第6代家元如心斎天然宗左居士を偲んで
家元では毎年9月13日に営まれる。
如心斎は表千家「中興の祖」と呼ばれており、
天然忌では家元の残月亭の床に
円相のお軸が飾られ、
その手前には三田青磁の花瓶に
白い芙蓉の花が1輪活けられる。
我がお茶の先生は家元に倣って
お道具組を整えられるのが常なので、
今回も円相の軸、
三田青磁の花瓶に見事な白い芙蓉の花が
飾られた。
お花は本当に生ものなので、
今年のような猛暑では思うに任せなかったと
思うが、
数日前から先生のお庭の芙蓉が咲き始め
今朝一番に切った芙蓉が
正に天然忌のために咲いたかのような
凛とした姿ですっくと立っている。
芙蓉は1日花なので、
お昼ごろには萎みかかる。
それまでのちょっとした時間に
内緒で撮った写真が上のものである。
(デカシタ!!)
会は4部構成で
まずは「お茶とう」といって
如心斎を偲んでのお献茶、
次に「且座」
お昼を挟んで
「一二三」「花月」と続いた。
お社中は8名のお弟子と先生という人数で
今回はあみだくじで役割を決め、
私は「お茶とうの正客」と
「一二三の末客」が割り振られた。
いずれも普段のお稽古ではできないような
お茶のゲームとでもいうようなものなので、
それぞれ割り振られた役の予習をして
会に臨むことになる。
幸い私の役はお客さんの役ばかりだったので
予習もさほど難しくはなく、
むしろ参加していない「且座」と「花月」の
当日の他のメンバーの所作を見学することが
本日の主なるミッションだった。
それにしても9月末だというのに
暑さはいっこうに収まる気配もなく、
単衣ものとはいえ、着物を着て出歩くと
途端に汗が噴き出してきた。
9時半過ぎには北鎌倉の先生のお宅に着き、
10時には会が始まった。
そこから途中お昼をいただく間も含め
お座敷に直接正座すること4時間半。
やはり茶道は常に勉強と修行である。
お社中がこうして全員集合して
速やか、かつ、つつがなくお稽古ができることは
お茶をたしなむ者として
とても楽しく有意義な時間で、
足のしびれなど些末なことだと思うのだから
非日常もいいところだ。
本当にコロナ禍になって
何もかも変わってしまい、
みんなで集うことさえかなわなかったことを
思えば、
同好の士が集まってわいわいするのが
いかに幸せなことか分かるというものだ。
さて、帰宅して
早々に洗えるものは洗濯機に放り込み
単衣の着物はクーラーの風向口の真向かいに干し
気持ちを明日からの本摺りへと
切り替えた。
これが私の現実だ。
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