<木彫り> 月光
<木彫り> 歩歯
<刺繍> 王国
<木彫> 柿
<金工> 真鍮製爪楊枝
<金工> 老犬独歩
<木彫> 菊
<ガラス> あなたに続く森
三連休は次女が実家に遊びに来ている。
中日にどこかに行こうということになり、
日本橋にある
三井記念美術館で開催中の
「超絶技巧、未来へ!」という展覧会を
観に行ってきた。
よく意味のわからないタイトルだが、
要は明治から現代まで、
日本人ならではの執着力と器用さと繊細さで、
考えられないような細かくて驚くべき手法で
できている工芸展ということになろうか。
ジャンルは
木彫・金工・漆工・陶磁・ガラス・刺繍などだが、
いずれもその常識を覆す表現だ。
ポスターにもなっている
大竹亮峯氏の木彫・月光は
月下美人の花を立体的に欅と鹿角で彫ってあるが、
その薄さと滑らかさは
木や鹿の角から掘り出したとは
到底、信じられない。
しかも、花瓶状の箱の中の水を吸い上げて
徐々に花弁が開くしかけになっている。
大竹亮峯氏は1989年生まれの34歳。
まだまだ本当に若い現在作家だ。
他にも
これは本当に木で創ってあるのかと思う、
革製にしか見えないグローブだとか
柿だとか、さくらんぼだとか…。
銀と真鍮で出来ている爪楊枝の束とか、
銀で出来ているプチプチ(梱包材)とか、
銅でできている紙袋だとか、ゴミ箱とか…。
これをどうやって作陶し焼成するのか
全くわからないが、磁土でできている
米粒みたいに小さい鎖が布状に織り上げられている
陶磁の作品とか…。
通常12本撚りの刺繍糸をほどいて1本ずつにし
細い細い細かい刺繍をほどこした
刺繍絵とか…。
鉄で出来ている無数の葉っぱを
身にまとった老いた犬が
歩いている姿とか…。
もちろん犬そのものも鉄でできているのだが
実に滑らかでしなやかな肌の質感だ。
そんな調子でどの作品も
度を越した細かさやら質感やら
元の素材からは想像もできないような
表現にたどり着いているのが共通している点だ。
それが明治時代の作家はともかく、
現代の30代ぐらいの若者が
アトリエに籠って、きっと1日中一言も発せず
こうした作品をのめり込むように創っているかと
想像するだけでゾワゾワしてくる。
次女はグラフィックデザイナー、
私は木版画家だが、
会場で作品を観ながら
「自分の子供がこういう仕事をしたいと言ったら
やめときなさいと反対するわ」と
意見の一致をみた。
なかなかというか呆れた充実ぶりで
十分見ごたえのある展覧会だった。
展覧会の後は、COREDO室町の4棟の中の
テラス棟の台湾料理屋さんでランチをし、
お上りさんよろしく
日本橋の麒麟象のところで記念写真を1枚。
澄んだ青い空(異様に蒸し暑い)を背に
近代的なビルが立ち並び、
道にはチリひとつ落ちていない風景を見て
インバウンドの人たちは日本の美しさに
驚くだろうなと感じた。
その日本橋界隈の近代的な建物と、
三井記念美術館の重厚かつ格式ある建物は
とても対照的なので、
現代生活と観てきた工芸品とのギャップが
ますます若き日本人作家と今の日本人の若者との
差に通じてしまい、
なんだか微妙な心理になってしまった。
私には到底できない所業だけど、
お金にもならず、時間ばかり異様にかかるけど
その技術と発想は唯一無二なんだから
「頑張れ!!」とエールを贈りたくなった。
京急に乗って1時間経つうちに
現実はちゃんと戻ってきて
夕方には、もれなくご飯作りの時間が
やってきた。
帰りがけに成城石井に寄り
ランチで食べた青いザーサイ(季節限定)と
生のバジルを買った。
夕飯は、最近、特に上手に焼くコツを覚えた
次女の好物の餃子をメインに、
カプレーゼと青梗菜ときくらげの炒め物、
わかめの中華スープなどを作った。
私の餃子は次女の思うおふくろの味
BEST3に入っている。
そこらへんの餃子の名店には負けないという
自負を胸に
本日も我が家の餃子はテッパンの美味しさに
焼きあがった。
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