2014年6月25日水曜日

夏の遙かなるキモノ道

 

 
6月の『なでしこの会』は夏を迎えてキモノの着付け教室だった。
1回目はゆかたの着付けで、ゆかたに半幅帯を結ぶというスタイル。
2回目の今日は夏物のキモノに夏物の名古屋帯を結ぶことにした。
 
ゆかたに半幅帯というのは、独特の工夫が必要だが
夏物のキモノに夏帯を名古屋に結ぶのは
基本的には冬の小紋に名古屋帯を結ぶ着付けと同じである。
 
このなでしこの会で着付けをしたのは2月だったので、
生徒さん達がキモノを着るのは半年ぶりということになる。
しかし、真面目な生徒さん達はここ数日、イメージトレーニングをしたり
キモノの準備しながら手順を思い出してくれていたので楽勝だ。
と、思ったら、想定外の悪戦苦闘。
 
半年間で着付けが忘却のかなたに去ってしまったということもあるが
夏物のキモノ特有の質感が案外扱いにくいらしい。
 
それは、何より、キモノを着てみんなを待っていた私でさえ
夏にキモノを着るのが、いかにしんどいことかを実感していた。
 
今日は気温がそんなに高いわけでもなかったが、やはり湿度は相当なものなので
設定温度をかなり下げてクーラーをかけてはいたが
キモノを着るという作業は何しろ重労働。
着付けただけで大汗をかき、胸苦しさでため息が出る。
 
キモノを着たり帯を結んだりほどいたり、
また、いったん脱いで着たり結んだりと、繰り返すのも2度がせいぜいで
よりきれいにとか、もっときりっとスマートにだとかまでは思いが至らず
その気力が振り絞れない様子だ。
 
夏にササッとキモノを着付けて、
涼しい顔で出掛けられたらかっこいいとは思うけど、
なかなか高温多湿の日本にあって
日本の夏のキモノ美人への道は遙かに遠い。
 
こんなに大変では日本のキモノ文化の行く末が案じられるが
英語を日常的に話すことがない私たちが英語がしゃべれるようにならないのと同じで
キモノを着て出歩く機会がないのに着られるようになることはないので
ちょっと無理をしても
花火大会やホタル狩り、食事会などにキモノを着てもらえればなと思う。
 
さて、かく言う私も
次回のお茶のお稽古はキモノで行こう・・・などと思いながら
とりあえずは帯をほどくと心の底からホッとするというのが現実である。
ヤレヤレ。
 


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