2014年6月7日土曜日

揃いの湯飲み

 
 
 
 
 
久しぶりに陶芸工房で作った器が15個も焼き上がってきた。
3月の釉がけの時に個展と重なり、1回パスしてしまったので
2月から作り溜めたものを一挙に仕上げた形だ。
 
今回は気ままに作った1点ものというより、
お客様の時や個展の時などに使う揃いの湯呑みをメインに手がけたつもりが
焼き上がってみると想像以上に小さくなっていて(通常10~15%の縮み)
てびねりならではのすこし分厚くて大きめの湯呑みというイメージより
普通のサイズに出来上がってしまった。
 
家に持ち帰って、実際に日本茶を煎れ飲んでみたが
生地の分厚さばかりがちょっとくちびるにあたって
入っているお茶の量と器の重さのバランスが悪い。
 
以前だったら、出来上がった器に対し、想像と違ったなら違ったで面白いと思えたが
最近は陶芸のそうしたサプライズ感にも素直に喜べなくなっている。
 
それだけ、目指すところが明確になってきたということかも知れないが
時間と手間がかかる割りには答えが出るのに間があり
すこしまどろっこしい感じだ。
 
揃いの湯呑みは合計10個は作ろうと思っているので
今回の5個をカウントしないとしたら、またまた長い時間が必要ということになり
長期戦の構えだが
焦らず気長に作ろうと決め
今日はもうひとまわり大きく、薄めに成形したものを4つ新たに作った。
 
これが素焼きを経て、釉薬がかけられ、最終の形になるのにはまた2ヶ月はかかる。
その時、イメージにかなったものが出来るかは何の保証もないが
ここが陶芸歴2年半の正念場。
 
偶然を面白がる時期は過ぎ、
どこまで狙いどおりに作れるかという段階にきたということだろう。
 
講評会では先生に器としての面白みを褒めていただいたが
周りのみんなが作っている、どこかで売っているような
真面目だけど一般的で没個性的な器に比べれば
確かに面白いとは思うのだが
個性的で、尚かつ、使い勝手がよい器への道はまだまだだと感じた。
 
ここで
単なる素人臭い重いだけのぼってりした湯呑みで終わるのか
魯山人の湯呑みなのか
探求の日々は続く。
 


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