カマキンとは鎌倉近代美術館の略である。
1951年に開館した、鎌倉八幡宮の境内入ってすぐの左脇、
周囲を池に囲まれた静謐なたたずまいの美術館だ。
そのカマキンが65年の歴史に幕をおろし、3月に完全閉館する。
現在は代表的な収蔵作品を展示する最後の展覧会が行われており、
今日1月16日夕方にクロージング・パーティが開催された。
一昨日の版17新年会の折にその話が出て、
上野遒さんに誘われ、私もレセプションパーティに出席させてもらうことになった。
私にとって、思い出に残るカマキンでの展覧会は
ルドン展とムンク展であるが、
会場にはそれぞれ展覧会やカマキンの建物やロケーションなど、
思い入れのある人々が大勢集まってきていて、ごった返していた。
まずはふたりで少し離れた別館の方の展示を観、
次に水辺に建つ本館の展示を見て回った。
日本を代表する作家の油絵や陶芸などのコレクションを観ながら、
その収集の目、好みなどに、カマキンらしさを見出しながら、
今更ながらにここがなくなるという寂しさがこみ上げてくる。
会場でであった何人かの作家とそれぞれのカマキン思い出話を聞きながら、
その会場の雰囲気に惹かれている人は多く、
私も含め、カメラに収めようと、会場の人垣を縫って、
撮影する姿があちこちで見られた。
レセプションの最後には中庭の御影石の壁に
過去の展覧会の時の様子を映像にしたものが映し出され、
会場を埋め尽くしていた人々は皆見あげて、懐かしい場面を目に焼き付けた。
この後は鎌倉八幡宮に返還されるという話だが、
3万人の反対の署名が集まって、
建物は何とか取り壊さずに残ることが決まったらしい。
耐震問題とか、集客問題など、諸般の事情と政治が絡んで、
ただ単にいい物は残して欲しいというような単純な話では済まされないみたいだが、
少し展示の形を変えてでも、ここに美術館を残して欲しい。
少し展示の形を変えてでも、ここに美術館を残して欲しい。
あらためて見て、やっぱり、鎌倉にカマキンがある意味は大きいと思うので、
そこはひとつ踏ん張ってほしいと思っているのは私だけではないだろう。
展覧会としては1月31日で終わってしまい、
その後は美術館の中に一般の人は入れないそうだから、
時間のある方はお別れにいって欲しいと思う。
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