病気になった後、いつもの自分を取り戻すのに必要なのは『気力』である。
例えば、風邪をひいたなと思っても、すぐ薬を飲んで、温かくして寝る、
そして、一晩で風邪を抜くなんてことが出来れば、
気力が萎えるいとまもない。
しかし、「風邪をひいても、年をとると長引くのよ」などといって、
1ヶ月もぐずぐずするとか、
風邪だと思っていたら、どんどん悪くなって肺炎までいってしまったなどということに
なると、気力も一気にダウンする。
気力が落ちてしまうと、体が治っても、なかなか今まで通りの生活にならない。
今の私がまさにそんな感じだ。
1月2日夕方に、左脇の下に刺すような痛みを感じ、
5日に帯状疱疹の発疹を発見。
6日朝から治療に取りかかり、強い薬も服用したし、
5回の往診を含め、6回、お灸治療も施してもらった。
また、副作用が懸念される神経痛に良く効く鎮痛剤も、幸い副作用なく服用。
そうして、
夜中に声を出し悶絶する痛みの続いた最初の数日をMax10の痛みとすると、
月末の今日あたりは1か2ぐらいの痛みまで軽減した。
今は左脇からバストにかけ、ピリピリした痛みが少しあり、
肋骨の場所が重だるい程度。
よくぞ、ここまできたと思うのだが、
まだまだだと思うのが『気力』である。
幸い、無気力でいられるほど、時間に余裕がなく、
月10本程度の心理カウンセリングや展覧会のメンバーとの会合、絵画教室など、
外せない予定はこなさなければならない。
不思議とメイクをして、外に出て、人と会うと、元気な時と変わらない自分で
話すことが出来る。
社会的責任と元々人と話すことが好きという性格のせいか、
口はいつもどおり達者に動く。
しかし、それをこなして家に帰ると、昼だろうが夕方だろうが、
まだ、お布団に倒れ込んでしまう自分がいる。
ガス欠である。
わずかな気力を奮い立たせても、すぐ、エネルギーが尽きてしまう。
とりわけ、
1月は版画の彫り作業を延々としなければいけない予定だったが、
彫りの作業には本当にエネルギーがたくさんいると実感。
いつもは難なく彫り進めていた版木が硬くて硬くて、刀が進まない。
通常、60㎝×90㎝の版木を彫って『1面クリア』とカレンダーに書き込むのが
日課になっていたのだが、
この非力では1日で1面クリアどころか0,3面クリアが精一杯。
しかも、0,3面クリアの後に、後先構わずグーグー寝ないとやっていけない。
こりゃ、年を取って、指に力が入らないとか、他の病気になったら、
木版画は無理だなと予感させる。
病はお医者さんや鍼灸師さんなど、医療関係の皆さんが一生懸命治してくださるが、
自分が「元気にならなくちゃ」「今まで通り、頑張らなくちゃ」と思える
『気力』は自分で取り戻すしかない。
一度、ぺこんぺこんに凹んだ気力をもう一度膨らますのは大変。
この元気印の私がそう感じるのだから、間違いない。
12月末に亡くなる人が多いのは「今年中に終わりにしたい」と思う人が多いからと
ブログに書いたが、
きっと年の瀬に、病との戦いに気力が尽きたのだろう。
私は食欲も落ちていないし、発疹の傷も治っているし、
神経の痛みも相当、軽くなっている。
あとは体の真ん中に力を込めて、しゃんと立ち、
元気をみなぎらせて動くこと。
まだ、年の初めの1月なんだから、2017年をこれで終わらせてたまるか!
そう、書くことで、自分を鼓舞し、
気力を奮い立たせようとしている今日この頃だ。