茶道の世界では季節ごとのに茶事がいろいろ行われているのだが、
1月から通っている北鎌倉の先生のところでは、
3月は利休忌(3月28日没)に合わせて、他のお茶事もしてくださる。
いつもは他の曜日にお稽古にいらしている方も含めて、先生のお宅に参集し、
朝からお茶事が行われた。
まずは利休忌の茶事。
茶道の開祖である利休さんに供えるお茶を点てて、奉納する。
床の間には利休さんのお姿が描かれた掛け軸がかけられ、
菜の花が活けられている。
そこに薄茶のお点前の1服目として、お白湯にお抹茶を振り入れたお茶を点て、
点てられたお茶をお正客が床の間に飾る。
これをお献茶と呼ぶ。
続いて、人数分薄茶を点てて、お客はまず一服薄茶をいただく。
その後は、炭点前。
振られた方が炭籠をもって進み出て、お炭点前を行う。
あくまでもお稽古なので、担当するお点前の細かい注意を先生から受けながら、
それぞれ振られた役柄をこなしていく感じだ。
今日の私はその次に行われた『回り花』というお点前の亭主役だったので、
花台にいろいろな種類の茶花を乗せ、床の間まで進み出た。
床柱に掛けられた3箇所花を入れる場所がある竹の花器に、
お正客から順に花を活けていく。
今日はお客様役は5名なので、私も含めて2巡したところで、
最後は亭主である私が全体のバランスを考えて手直しをするというお遊び。
2巡する間には人の活けたお花を一度は抜いて、別の花に差し替える作業があり、
どの段のお花を抜くのか、
なかなかお仲間の活けたものを抜くのにためらいがあったりして、
お遊びとはいえ、美的センスと心理の綾を問われているようで、
ドキドキものである。
そこまででお昼時になったので、一度、休憩し、
お弁当をいただき、午後の部へ。
午後は『茶カブキ』という表千家七事式のひとつ。
『上林』と『竹田』というおなつめに入れた2種類のお濃茶をまずいただき、
続けて点てた3服のお濃茶のどれが『上林』と『竹田』なのか、
はたまた、いずれとも違うのか当てるというお遊び。
亭主に選ばれた人は
同じ濃さで、同じ錬り加減で5服の濃茶を点てなければならない。
飲み手は今回は4名で、私は正客だったので、
なるべくすばやく同じ条件で4名が飲みきるよう、
お茶を次客に回さなければならない。
記録を執っている役の人のところへ、
本茶を1服飲んだらすぐにこれと思うお茶名を書いた札を手元の箱にいれ回す。
3服とも飲んでから、先の2服とどれが同じか当てるわけではないので、
そのあたりが難しく、
結局、3服とも当てたのは、まだ、お茶を初めて間もない新人さんひとりだった。
ことほど左様にお茶のお遊びはなかなかに奥が深い。
華道の素養もなければならないし、
お茶の味わいや香りなどにも敏感でなければならない。
しかも、畳に5時間の正座である。
朝からキモノを着て、雨の中、北鎌倉まで出掛け、
楽しくお勉強させていただいたけど、
茶道の道は修行の道。
単なる「茶~でも、しばきますか」とは、ちょっと違う。
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