今回のオランダ・ベルギー旅行の最大の特徴は
美術館に数多く行く旅程が組まれていたことだ。
先ず、アムステルダムで、ゴッホ美術館と国立美術館、
ハーグで、マウリッツハイス美術館、
オッテルローで、クレラーミュラー美術館。
中には個人旅行や8日間のコースでは絶対入らない
地方都市のマウリッツハイス美術館や
クレラーミュラー美術館が入っていたので、
それがよくてこの10日間のコースを選んだという人もいたぐらい。
お陰で、ゴッホ、レンブラント、フェルメールといった
日本に1点来ただけで長蛇の列をなすような名画を、
極間近に見ることが出来た。
間近に見ただけではなく、
一緒に映り込んで写真を撮ることも可能なので、驚きだ。
ゴッホの「跳ね橋」は実際にオランダではよく見る橋で、
今でも現役で運河の船の運航に必要な橋だから、
あの作品はゴッホの日常だったと分かる。
「夜のカフェテリア」「4つのひまわり」「自画像」など、
画集の常連さんが、あっちこっちに無造作にかけてあった。
フェルメールの作品は、どれも実際には4号ぐらいしかない小さな作品で、
日本に来た時はあまりの人混みの中、
遠くにあってよく見えなかったらしいが、
「真珠の耳飾りの少女」「ミルクを注ぐ女」「青衣の女」など、
日本人のよく知る代表作を
息がかかるほどの距離からまじまじと見ることが出来た。
レンブラントの作品は、多数の自画像を初め、
「夜警」「テュルプ博士の解剖学講義」などの大作の前には
子ども達が陣取り、座り込んで、
学校の課外授業の形で、先生が子ども達に教えている光景を目にした。
こうした授業風景は他の国でもよく見られるが、
日本ではなかなか許されないことなので、
子ども達への情操教育として羨ましいなと思う。
レンブラントに関しては
2日目の自由時間に、「レンブラントの家」と呼ばれる
レンブラントの工房、兼、お弟子さん達のアトリエなど、
一棟丸ごとレンブラントが使っていたというビルを見学出来たので、
版画家の私としては、銅版画家としてのレンブラントの工房見学は
とても興味深く勉強にもなった。
ゴッホは生きている間には全く絵も売れず、
若くして、耳をそぎ落とし、精神を病んで、若くして死んでいる。
一方、レンブラントは政治的手腕にも長けていたようで、
存命中から学生を何人も絵描きに育て、
自身の作品もよく売れ、
羽振りもよかったというからゴッホとは対照的だ。
作品を見れば、その人となりも分かるというもので、
解説を聞きながら、
自分はどうやらゴッホ組かなどと考えていた。
まあ、精神を病むほど、制作に煮詰まることはないかもしれないが・・・。
他にも私のお気に入り、
オデュロン・ルドン、ジェームズ・アンソール、ゴーギャンなど、
ゴッホと時代と共にした他の作家のものも充実していたので、
絵画好きにはたまらない旅程だったと言えよう。
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