10月最後のお茶のお稽古。
自分の中の今日のテーマは「錦繍」
一昨日までの北海道の秋の景色に敬意を表して、
着物のコーディネイトを
もみじ尽くしにしてみた。
今日のお茶室のしつらえは
大板に道安風炉
お軸は「心静かに茶味清し」
お花は秋明菊だった。
お茶の世界では11月がお正月で
そこからは炉を切って
冬のしつらえになる。
だから、今日は風炉の最後のお稽古だ。
いつもどおりにまず全員が
お濃茶を点てる稽古をして、
その後、今日は特別に「花月」という
「七事式」のうちのひとつを行った。
これはお茶のゲームのようなものなのだが、
「花月、百篇おぼろ月」という言葉があるように
100回やってもまだわからないという意味で、
なかなかきちんと覚えるのが難しい。
ひと月かふた月に1回、
先生も含めて5人揃わないとできないので、
他の曜日のメンバーをゲストに呼んで行い、
毎回、少しずつ謎が解けたり、
うろ覚えのところを確認したりして、
何とか、少しずつ理解しているところだ。
今日も帰ると、さっそくノートを開き、
前回、よくわからなかった部分が解明したら
書き加えたりして、
少しずつ攻略している。
お茶のお稽古というと
もっと優雅でのんびりした非日常という
感じだと思うと思うが、
なんのなんの奥は深く、
まだまだ修行は続くというのが現実である。
とはいえ、お茶のお稽古は月に3回、
一応、ドレスコードは着物なので、
個人的には季節を体現するつもりで、
「歩く広告塔」ならぬ「歩く秋」として
本日は深まりゆく秋を表現してみた。
着物の柄が季節限定のもみじや萩だと
その季節にしか着られない。
しかし、それは贅沢の極みだともいえるわけで、
日本の女にしか許されていない
民族衣装を身にまとう楽しみであろう。
しかも、今日のもみじの柄の着物は
墨色の地に白抜きのもみじ、
帯はシルバーグレーの地にもみじと萩。
このモノトーン・コーデに
帯揚げだけもみじ色を差し、
帯締めは少しトーンを落とした臙脂色にした。
いかにも紅葉でございといった色は
芸がないし品もない。
当然、本物の紅葉の方が色鮮やかなので、
私はそんなところで張り合ったりはしない。
粋で品よくがモットーなので、
今日はこんな組み合わせにしてみたが
いかがだろう。
お釜のお湯がしゅんしゅんたぎる音を
お茶の世界では「松風」と呼ぶ。
お湯が沸いたよ、
おーい、お茶とは言わないのだ。
急に冷えてきた朝夕、
つるべ落としといって5時には早、陽が陰る。
花月を終えて、帰りの電車の中、
空は茜色に染まり、
明日の晴れを物語る。
帰宅早々、我に返り、キッチンに立ち、
今晩は鯖を焼き、けんちん汁を作った。
かぼちゃと蓮根の甘辛煮は
いかにも秋の深まりを感じさせる。
季節と共に
毎日を丁寧に過ごす、
それは本当に大切なことだと
つくづく思う秋の夕暮れ。
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