2024年4月12日金曜日

年に一度の作品撮影

 









今日は年に一度の
作品撮影が行われた。

フォトグラファーのHさんは
約束の日になると
埼玉県から車に機材を積んで
駆けつけてくれる。

Hさんは
今月末に大きな仕事を抱えているらしく
(神奈川のとある美術館所有の魯山人の器
120個以上の撮影を任されているとか)
空いている日が限られていて
偶然、私の誕生日に撮影日が決まり、
しきりに恐縮してくれた。

しかし、
現実はダンナもゴルフでいないし、
取り立てて豪華なご飯を作るでもないので
撮影が入ってちょうどいいくらいのものだ。

それでもFacebookつながりの友人たちが
次から次へとタイムラインに
メッセージを送ってくれ、
賑やかな午前中だった。

例年通り、午後の1時にHさんはやってきて
いつもの通りに車から機材を下ろし、
和室で組み立ててスタジオ仕様にする。

私の役目は撮影助手だが、
許可を得て、
撮影中の写真も撮らせてもらう。
Hさんは
「顔が出ても構いませんよ」と言ってくれる。

私が大きな作品から順番に手渡しし、
Hさんが作品に傷がつかないよう
細長く丸めたテープを四隅に貼り
パネルに止めていく。

毎年思うが、神経を使った
丁寧な作業は所作が美しく、
信頼感がもてる。

1時間半ほどで一連の作業が終われば、
Hさんが機材の撤収を行っている間に
私はお茶の準備をし、
おしゃべりしながら楽しいひとときを
過ごす。

今年は陶芸の展示会が迫っていて
カップボードにしまいきれない新作の器が
リビングのテーブルの上にゴロゴロしてたので、
いきおい陶芸に関する話題になった。

お茶とお菓子も陶芸作品の器で出したので
お茶を飲みつつ
湯飲みをを眺めたり、
クッキー皿をひっくり返したり。

木版の作品とはまた違う持ち味の
陶芸作品だと思われたらしく、
Hさんはいくつか手に取って
「こういう作業、楽しそうですね~」と
自由奔放な私の陶芸作品を見てそう言った。

1年分の版画作品を出してきて
写真撮影すると
自分でも1点ずつしか創っていないので、
新鮮な感じがするし、
2年分の陶芸作品を並べてみると
それはそれで版画作品とは違う塊になる。

自分でも版画家としての自分の色に気づけるし
陶芸家(というほどでもないが)としての
自分の色も解る。

ひとつの区切りとして、
年に一度の作品撮影は
意味があると感じた。















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