今年初の文化活動、『石田泰尚&清塚信也のデュオコンサート』に行って来た。
石田様にはまって追っかけている友人が昨年手に入れた2枚のチケットを
1枚譲ってもらうという形だったので、清塚信也のピアノを聴くのは初めてだった。
いつもはバイオリニスト石田泰尚が招集かけて一緒に演奏する3人組、
Beeやトリオリベルタなどのコンサートに行くことが多いのだが、
今回はそれぞれ個人でも根強いファンをもっているふたりのデュオコンサート。
というわけで、それぞれがソロで演奏する曲目が何曲かずつあって、
ふたりで演奏する曲が数曲あるという演目で、
一緒に仲良く弾きましょうというコンサートではなく、
全くキャラクターも楽器の演奏スタイルも違うふたりの火花散る戦いといった
感は否めない。
トークも石田様は遂に全編通して「明けましておめでとうございます」のひと言しか
言葉を発しなかったのに対し、
清塚信也の方は正に立て板に水、ユーモアもあるし、回転の速いマシンガントーク。
ビジュアル的にもそれぞれ相当なこだわりがあるようで、
石田様はまずコート姿で1曲弾き、その後はどう見てもどこかの組長にしかみえない
黒いスーツ、黒いシャツ、白黒のネクタイ、真っ赤な絹のポケットチーフといういでたち。
清塚さんはどこでそんな派手なストライプの生地をみつけたのかというような
茶系のスーツに、すんごく襟の高い宝塚で見るような白いシャツ。
2部は白いジャケット、丈の短い細身のズボンに、素足で白いスリッポン。
「お前は森山直太朗か」と思わず突っ込みを入れたくなるような恰好だ。
(顔もそういえば、森山直太朗をきりっとさせたような感じだし)
そんな一癖もふた癖もあるふたりだが、
伊達や酔狂でそんな派手な恰好をしているわけではない。
ちゃんと実力も伴っているあたりが、おばさんファンを魅了する。
まず、ショパンを弾かせれば一流の呼び声高い清塚信也が
ショパンのノクターンとポロネーズという対照的な曲をソロで弾き、
一方の石田はバッハの無伴奏パルティータを渾身の力で弾ききった。
また、2部の最後はそれぞれの早弾き大会の体で、
ガーシュイン、クライスラー、ピアソラとその姿と演奏は
楽器を使って戦っているとしか言いようがない。
会場のお客さんもその迫力と超絶技巧に拍手喝采し、
お正月明けて早々、今をときめくバイオリニストとピアニストの熱演を堪能した。
ふたりとも、オーケストラの一員としてやっていくタイプではなく、
すでに熱狂的なおばさまファンがついている。
今後、石田泰尚は神奈川地区からどう脱出して全国区になるか模索中だし、
清塚信也はすでにキャラを買われてテレビやラジオに引っ張りだこ、
ピアノ界の葉加瀬太郎を狙っている節がある。
どちらも勢いのある有望なソリストなので、
ファンのおばさんのひとりとしては、
これからも機会があれば聴きにいきたいと思っている。
すでに追っかけ歴数年の友人の金魚のフンでもいいので、
「また、行きましょうね」と約束して、
今年初の音楽鑑賞は興奮の内に無事、終わった。
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