個展用に創り溜めた最後の作品が摺り上がり、
いよいよ会場にどの作品をどうのように並べるのか、
レイアウトを決める作業が始まった。
何しろ4年分の作品なので、
自分でも出してみないと大きさや色合いを正確には思い出せないものもある。
私の作品は全体にカラフルなので、
お互いに相乗効果をもたらす並べ方をしないと、
ガチャガチャしてしまうので、この作業は重要だ。
また、作品には大きくシリーズもあるし、ストーリーもあるので、
それが混在しないよう配置して、
会場の手前と奥では少し雰囲気を変えたいという思惑もある。
今回の会場は個展として展示するにはかなり広い壁面のある場所だ。
だからこそ、4年もの準備期間が必要だっただけだが、
いざ、その間に創り溜めたものを全部並べようとすると
少々窮屈なことが分かってきた。
オブジェ作品が大きな壁の1面を全部使ってしまうこと、
版画としては大きな作品が多いことなどがその理由だ。
そこでいろいろ考えた挙げ句、
昨年の評論家に声をかけていただいて開いた個展に出したものは
すべてカットすることにした。
今回は還暦記念を謳っているので、
大きな作品は還暦関連に絞ることにしたのだ。
ぞろぞろと部屋中に引きずり出してきた大量の作品に役を振り、
大物俳優なのに今回は出番がないとわかったものは、
また収納庫の一番奥に戻した。
ちょっと残念な気もするが、
若く見えるが実は還暦を迎えたおばさん女優に、主役の座を譲ることにした。
脇を固める俳優陣や子役達も
真ん中に据えた大物女優を引き立てる布陣にした。
個展は会場で繰り広げられるひとつの物語だから、
キャラのかぶる人はいらない。
かといって、家族としての統一感も必要だ。
ひとり、和室でごにょごにょ独り言を言いながら、
この作業、演出家になったみたいでなかなか楽しい。
結局、額縁も新しく4本注文しなければならないことが分かり、
行きつけの額縁屋さんに行くと、
額縁もマットもみんな値上がりしていて、ちょっとショック。
3割引きしてもらっていてこの値段の高さは
一般の感覚からいって相当高いと思うだろう。
されど、額をつけなければ、ただの紙だしなぁ・・・。
材料の絵の具も和紙も値上がりしたし、
額縁よ、お前もか・・・。
そして、消費税が8%。
嗚呼。
厳しい現実にヨロヨロするけど、
それは私が還暦だから?
それとも財布が軽くなったから?
体重はむしろ増えているのに、世間の風はいやはや冷たい。
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