人生で初めて若い男にうつつを抜かし、追っかけて埼玉県久喜市まで行ってきた。
バンドネオン奏者の三浦一馬に惚れ込んで、
遂に横浜から延々電車に乗って、久喜総合文化会館での
コンサートを観に行ったのである。
1月に初めて生一馬を聴いて、いっぺんで大ファンになり、
コンサート会場でCDを求め、サインをしてもらって握手して、
以来、他にもCDを何枚か買い足して、毎日のように聴いている。
2月のコンサートは九州の阿蘇だったので、それはさすがに追いかけきれず、
しかし、埼玉県なら地続きだしと思って、チケットを買い求めた。
とはいえ、久喜総合文化会館は久喜の駅から徒歩17分。
なんでそんなに駅から離れた僻地に建てたのかといぶかしく思う遠さだった。
閑散とした土地に突如半球型のドームが現れ、
大ホール・小ホール・プラネタリウムを備えた地域の文化施設という感じ。
大ホールは客席1200はあろうかという広さで、コンサートだけでなく
演劇やバレエ公演などにも対応できる立派なホールだ。
ただし、張り替えたばかりの椅子が『金華山』という名称のロココ調織物だったり、
女性用トイレ18個の内16個が和式だったりと、
昭和な感じというか、埼玉なんだなというか、
温かみと野暮ったさが渾然一体となった建物だった。
その久喜総合文化会館は、ちょうど10年前、
三浦一馬16歳の時、デビューコンサートを行った懐かしのホールとのこと。
コンサート第1部の1曲目が終わって、三浦一馬のMCになり、
先ず、そのエピソードが語られると、
会場からは「お帰りなさ~い」と声が掛かり、
一気に温かな空気に包まれた会場はどんどん盛りあがっていく。
第1部はガーシュイン・メドレー、第2部はピアソラ・メドレーで、
選曲もガーシュインの方は『ス・ワンダフル』『魅惑のリズム』『サマータイム』など
なじみのメロディをジャズともタンゴともつかない編曲で
三浦一馬の世界に引っ張り込んでいく。
一方、ピアソラの方の選曲は私のベスト盤といってもいいようなセレクトで
『オブリヴィオン』『ブエノスアイレスの四季』『現実との3分間』など
ブエノスアイレスの春夏秋冬、全曲をいれた贅沢な選曲だった。
そして、アンコールは『天使の死』とお約束の『リベルタンゴ』
最後は割れんばかりの拍手で満たされた。
そして、アンコールは『天使の死』とお約束の『リベルタンゴ』
最後は割れんばかりの拍手で満たされた。
最近、1982年にピアソラ来日時のライブ音源を起こした2枚組CDを買い、
聴いているのだが、
その時はキンテートという五重奏の編成だった。
今日も2部はバンドネオン、ヴァイオリン、ピアノ、コントラバス、エレキギター
という5人組だったので、
その幻の演奏と語り継がれているピアソラ来日時のコンサートを
という5人組だったので、
その幻の演奏と語り継がれているピアソラ来日時のコンサートを
彷彿とさせる音色でとても楽しめた。
また、バンドネオンの三浦一馬に惚れ込んでいるのは勿論のこと、
今日のヴァイオリンが、これまた惚れ込んでいる石田泰尚だということも外せない。
しかし、石田様は神奈川県では熱狂的ファンを獲得しているが、
さて、埼玉までその声は届いているのか、実は心配していた。
舞台に5人が入ってくるとひとりだけどう見ても異彩を放っている。
(何といっても石田様は何回か警官に職質されたことがあるという怖い風体)
(何といっても石田様は何回か警官に職質されたことがあるという怖い風体)
やっぱり知らない人は相当多い感じで、演奏が始まると、斜め前の人も
その演奏する姿、見た目とギャップのある音色を聴いて、
「ちょっとちょっと、見てあの人」とばかり、隣の人をつついて指さしている。
初めて見る石田泰尚に少なからず動揺している感じだ。
初めて見る石田泰尚に少なからず動揺している感じだ。
2部の1曲目が終わり、MCが入り、メンバー紹介になった時、
三浦一馬が「ではここで、ひとりずつひと言ずつ何かお話を」といった時、
会場のそこかしこに笑いが起こった。
それは「石田様が何もいうわけないじゃない、無理無理」という意味の笑いだ。
ということは、会場の半分ぐらいは石田様のこともよくご存じということか。
意外にも今日の石田様は、「こんにちは」のひと言だけに留まらず、
「一馬とは2~3年かな、いや、もっとかな?楽しく演奏させてもらってます」などと、
いつもの5倍ぐらい、おしゃべりした。
すかさず、三浦一馬も「こんなに話してくれるなんて、今日は大サービスですよ」
と受け、弱冠25歳のバンマスはMCのスキルも盤石だ。
私の席は前から9列目の右端で、
本当は生一馬もよく見える距離なのだが、端だからもしかしてと思い、
オペラグラスを持っていっていたので、
時折、身をくねらせ恍惚とした表情でバンドネオンを弾く三浦一馬と
超絶技巧のテクニックで体を張ってヴァイオリンを弾く石田様のアップを追いかけた。
MCの中で、「6月には恩師のマルコーニが来日し、ジョイントコンサートを開くから
ぜひ観に来て」という番宣があったのだが、
先日、そのチケットも先行販売初日に電話に張り付き、
前から2列目中央をGetしてあるので、
前から2列目中央をGetしてあるので、
万事ぬかりなし。
今年は『三浦一馬デビュー10周年』ということで、これからまた、
いろいろ10周年記念コンサートの企画が続くらしい。
韓流スターを追いかけるおばちゃんを白い目で見ていたのだが、
珍しく若い男に入れあげている私、
情報が入り次第、またまた追っかけてしまう予感がする。
4月からのアルゼンチンタンゴの講座も、引き続き申し込んだし、
タンゴダンスの自主トレにも参加することにしたし、
私にとっても、2016年はタンゴイヤーになるのかもしれない。
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